科目の 概要
定式化、最小値の 存在(コンパクト性と 強圧性)、制約なし問題の 最適性条件 凸集合と -平滑性、劣勾配凸関数:射影定理・分離定理、凸性の 判定、強凸性と 線形計画:単体法、ファルカスの 補題、双対定理と シャドウプライス 制約付き最適化:KKT 条件、ラグランジュ双対、スレーター条件と 強双対性 アルゴリズム:勾配法・ 加速法・ 近接勾配法、ニュートン法・ 準ニュートン法と その 収束解析 - 確率的勾配降下法と、整数計画・組合せ最適化
最適化は、微分積分(01
前提知識
多変数の 01-calculus 第7章微分: (勾配・ヘッセ行列・ 多変数の テイラーの 定理、 の コンパクト集合と 最大値・ 最小値の 定理)。全章で 使う。 陰関数定理と ラグランジュの 未定乗数法: 01-calculus 第8章 。第4章で 使う。 1 変数の 01-calculus 第4章凸関数( 4.7 節)と 第5章微分積分学の 基本定理( )。第2章で 使う。 - 線形代数:固有値(02-linear-algebra 第5章
)、内積・直交射影・ 第7章最小二乗法・ 実対称行列の 直交対角化( )、正定値性・ 第8章特異値分解・レイリー商( )。全章で 使う。 - コンパクト性:03-topology 第5章
。第1章の 最小値の 存在で 少し 使うが、 の 中の 話なので 01-calculus 第7章の 範囲で 足りる。 確率:第7章の 22 統計学確率的勾配降下法で、期待値と 分散の 基本的な 性質を 使う( 第1章程度。測度論は 使わない)。
この 科目の 記法
NOTATION.md
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| 転置(02-linear-algebra の |
|
| , | |
| 各成分が |
|
| , | |
| , | 対称行列 |
| , | |
| 閉凸集合 |
|
| 共役関数(最適値 |
|
到達目標
生産計画・輸送・ポートフォリオ・回帰・分類・ 最短路などの 問題を、決定変数・目的関数・ 制約で 定式化し、線形計画・ 二次計画・凸計画・整数計画の どれに あたるか 判定できる 最小値の 存在を コンパクト性や 強圧性で 示し、最適値が 有限でも 最適解が 存在しない 例を 挙げられる 制約なし問題の 1 次・2 次の 必要条件と 2 次の 十分条件を 証明し、半正定値と 正定値の 違いを 例で 説明できる 射影定理・分離定理・支持超平面定理を 証明し、仮定(閉・コンパクト・開)の 役割を 説明できる 凸性を 1 次・2 次条件と 凸性を 保つ演算で 判定し、凸最適化では 局所最適が 大域最適に なる ことを 証明できる - 強凸性と
-平滑性の 同値な 特徴づけを 使って 条件数の 意味を 説明でき、劣勾配を 計算できる 線形計画を 単体法で 解き、双対問題を 作って 双対定理と 相補性条件で 最適性を 確かめ、双対変数を シャドウプライスと して 解釈できる KKT 条件を 書き下し、制約想定のもとでの 必要性と 凸問題での 十分性を 証明できる。ラグランジュ双対問題を 作り、スレーター条件のもとでの 強双対性を 示せる 勾配法の 収束率( -平滑な 凸関数で 、強凸で 線形収束)を 仮定とともに 証明し、加速法・ 射影勾配法・ 近接勾配法の 考え方を 説明できる ニュートン法の 局所 2 次収束を 証明し、減衰ニュートン法・ ガウス–ニュートン法・ BFGS 更新の 考え方を 説明できる 確率的勾配降下法の 収束を 凸の 場合に 証明し、ミニバッチ・モメンタム・Adam の 更新式を 読める 整数計画・ 最短路・ 最小全域木・ナップサック問題を 扱い、分枝限定法・ ダイクストラ法・ 貪欲法・ 動的計画法の 考え方と 正しさを 説明できる
学習時間の 目安と 進め方
全体で 60〜80 時間(1 章あたり演習を 含めて 8〜12 時間)が 目安である。学部 2〜4 年の 講義 1〜2 科目分に 相当する。 第1章と 第2章が 土台である。第3章(線形計画)と 第4章(KKT 条件と 双対性)は 第2章の 分離定理を、第5章(勾配法)と 第6章(ニュートン法)は 第2章の 強凸性と -平滑性を 使う。第7章の 前半は 第5章を、後半は 第1章と 第3章を 使う。 目的に 応じて 読む順を 変えてよい。機械学習の ためなら「第1章 → 第2章 → 第5章 → 第4章 → 第7章 → 第6章」、生産・物流などの オペレーションズ・リサーチの ためなら「第1章 → 第2章(2.1〜2.5 節)→ 第3章 → 第4章 → 第7章」が 一つの 目安である。 理論と 計算を 往復する こと。各章の 小さな 数値例は、NumPy で 実装して 確かめられる。収束率や 条件数の 影響のような 理論の 予言を、実際の 反復の 様子と 比べてみると よい。 「得られた 答えが 本当に 最良か」を 確かめる 習慣を つける こと。最適性条件・双対問題に よる 証明書(第1章 例 1.2、第3章・第4章)は、その ための 道具である。 仮定を 外すと 何が 起こるかを 反例で 確かめる こと。本科目の 主な 反例:最適値が 達成されない や 完全分離の ロジスティック回帰(第1章)、ヘッセ行列が 半正定値でも 局所最小でない (第1章)、コンパクト性が ないと 強分離できない 2 つの 閉凸集合(第2章)、定義域が 開でないと 2 次条件が 成り立たない 例(第2章)、劣勾配の 逆向きに 進んでも 値が 下がらない 例(第2章)。
参考文献
日本語
福島雅夫『非線形最適化の 基礎』(朝倉書店)— 非線形最適化の 理論(凸解析、最適性条件、双対性)と 基本的な アルゴリズムを、証明つきで 体系的に 述べた 教科書。第1・2・4章の 参照先。 久野誉人・繁野麻衣子・後藤順哉『数理最適化』(オーム社)— 線形計画・非線形計画・組合せ最適化を 一冊で 学べる 教科書。科目全体の 副読本に 向く。 金森敬文・鈴木大慈・竹内一郎・佐藤一誠『機械学習の ための 連続最適化』(講談社)— 機械学習で 使われる 連続最適化(凸解析、勾配法、近接勾配法、確率的最適化など)を 扱う。第2・5・7章の 先を 学ぶために。
英語
- S. Boyd, L. Vandenberghe, Convex Optimization
(Cambridge University Press) — 凸集合・凸関数・双対性の 理論から、近似・統計的推定・幾何の 応用、ニュートン法・ 内点法の アルゴリズムまでを 扱う 凸最適化の 標準的な 教科書。第2・4・6章の 主な 参照先。 - J. Nocedal, S. J. Wright, Numerical Optimization
(Springer) — 直線探索・信頼領域法・ 準ニュートン法・ 非線形最小二乗・ 制約付き最適化の アルゴリズムを、実用上の 工夫を 含めて 詳しく 扱う。第5・6章の 参照先。 - Y. Nesterov, Lectures on Convex Optimization (Springer) —
-平滑性・強凸性のもとでの 勾配法の 収束率、加速法、計算量の 下界などを 厳密に 扱う。第2章 2.7 節と 第5章の 参照先。 - D. P. Bertsekas, Nonlinear Programming
(Athena Scientific) — 最適性条件・ラグランジュ乗数・双対性・アルゴリズムを 厳密に 論じた 教科書。 - V. Chvátal, Linear Programming
(W. H. Freeman) — 単体法と 双対定理を 中心に 線形計画を 丁寧に 解説した 古典。第3章の 参照先。 - A. Schrijver, Theory of Linear and Integer Programming
(Wiley) — 多面体・線形計画・整数計画の 理論を 網羅した 専門書。 - B. Korte, J. Vygen, Combinatorial Optimization: Theory and Algorithms
(Springer) — 最短路・ 最小全域木・ネットワークフロー・マッチング・NP 完全性などを 扱う 組合せ最適化の 標準的な 教科書。第7章の 参照先。
次に 学ぶもの
24 機械学習の 数理 — サポートベクターマシンの 双対問題(第4章)、正則化と 勾配法・ 確率的勾配法(第5章・第7章)が 直接 使われる。 - 22 統計学
— 最尤推定・線形回帰・ 22-statistics 第6章 定理 6.7)。一般化線形モデルは 最適化問題であり、一般化線形モデルの 計算に 使う IRLS(反復重み付き最小二乗法)は、正準リンクの 場合は ニュートン法(第6章)その ものである( - 10 関数解析
— 無限次元の 第2章最適化の 基礎。ヒルベルト空間の 最近 点定理( 定理 2.6)と 第4章ハーン–バナッハの 定理の 幾何形( )は、本科目第2章の 射影定理と 分離定理の 無限次元版である。 - 18 偏微分方程式論 第6章
— 変分法の 直接法。強圧性と 下半連続性に よる 最小点の 存在(本科目第1章)の 無限次元版である。 - 11 確率論 第5章
— 確率的勾配降下法の ほとんど 確実な 収束などの 精密な 解析には、マルチンゲールの 理論が 使われる。