Lemma

数学の文字の読み方と書き方

数学では、ふつうのアルファベットのほかに、ギリシャ文字、太字、R\mathbb{R} のように線が二重になった文字、飾りのついた文字など、たくさんの種類の文字を使います。ところが、その読み方と手での書き方は、教科書や参考書にはほとんど書かれていません。

読み方がわからないと、声に出して考えたり、人に質問したりしにくくなります。書き方があいまいだと、ノートの上で ν\nu(ニュー)と vv(ブイ)を取り違えるような計算ミスのもとになります。このページでは、この教材に出てくる文字と記号の読み方と、手で書くときのこつをまとめます。

目次


文字の種類

数学の文字は、まず書体(文字のデザイン)で見分けます。同じ R でも、RR, R\mathbf{R}, R\mathbb{R}, R\mathcal{R}, R\mathfrak{R} は別の文字として使われます。

書体 例 主な使いみち
斜体(イタリック) xx, ff, AA 変数・定数・関数・集合
立体(ローマン) A\mathrm{A}, sin⁡\sin, log⁡\log 高校の教科書の点の名前、関数や演算の名前
太字(太文字、ボールド) a\boldsymbol{a}, 1A\mathbf{1}_A ベクトル、定義関数、圏の名前
黒板太字(白抜き文字) R\mathbb{R}, Z\mathbb{Z} 数の集合
花文字(カリグラフィー体、筆記体) F\mathcal{F}, O\mathcal{O} 集合の集まり、層、圏
ドイツ文字(フラクトゥール、ひげ文字) p\mathfrak{p}, g\mathfrak{g} イデアル、リー環、対称群
ギリシャ文字 α\alpha, Ω\Omega 角度、小さな正の数、測度など
ヘブライ文字 ℵ0\aleph_0 無限集合の濃度

斜体と立体は、手で書くときに書き分ける必要はありません。そのほかの書体の読み方と書き方は、表のリンク先の節で図を使って説明します。

補足

本によっては、ネイピア数・虚数単位・微分の d を立体で e\mathrm{e}, i\mathrm{i}, dx\mathrm{d}x と印刷します(この教材では斜体で ee, ii, dxdx と書きます)。書体が違っても意味は同じです。

ベクトルと太字

ベクトルの書き方と読み方

ベクトルは、ふつうの数(スカラー)と区別するために、印をつけて書くことがよくあります。印のつけ方は、本や分野によって 3 通りあります。

書き方 例 読み方 よく使う場面
上に矢印をつける a⃗\vec{a} ベクトル エー 高校の数学
太字にする a\boldsymbol{a}, a\mathbf{a} エー、ベクトル エー 大学の教科書、物理
印をつけない aa, vv エー、ブイ ベクトル空間を扱う大学の線形代数

大学の線形代数では、ベクトルに印をつけない本も多くあります。この教材の 02 線形代数 もそうです。ベクトル空間では、多項式や関数もベクトルとして扱います(02 第2章)。どの元もベクトルなので、印で区別する意味が薄いのです。どの文字がベクトルでどれがスカラーかは、「v∈Vv \in V、c∈Kc \in K」のように、どの集合の元かで区別します。

太字を手で書くには

鉛筆やペンでは、太い字と細い字を書き分けられません。そこで、太字は次のどれかの方法で書き表します。

太字のベクトル a を手で書く 3 つの方法。1 は上に矢印をつける(高校の書き方)、2 は線を一本二重にする(黒板太字と同じ)、3 は下に線を引く(英語圏で見かける)。下の段は、a, b, u, v, x, 0, 1 の、いちばん左の線のすぐ右に線を足して二重にした例。書き足す線(矢印、二重にする線、下線)を青で示している。字を書いてから青い線を書き足すアニメーションで、赤い点がペン先

  1. 上に矢印をつける:高校と同じ書き方です。ベクトルなら、これで誤解されることはありません。
  2. 線を一本二重にする:字のいちばん左の線(縦の線や、丸の左側)のすぐ右に、線を一本書き足します。次の節の黒板太字と同じ書き方です。数字の 0\mathbf{0}(零ベクトル)や 1A\mathbf{1}_A(定義関数)も、この方法で書けます。
  3. 下に線を引く:英語圏で見かける書き方です。下線の代わりに波線を引く人もいます。英語圏の原稿では、文字の下の波線が「ここを太字に」という印刷所への指示の印です。

どの方法でもかまいませんが、一つのノートや答案の中では一つにそろえましょう。印をつけ忘れると、ベクトルとスカラーの区別がつかなくなります。

ヒント

太字は、ベクトルのほかに圏の名前(Set\mathbf{Set}, Grp\mathbf{Grp} など。12 圏論とホモロジー代数)にも使います。読み方は英語のまま(セット、グループ)で、手で書くときはふつうの字で Set などと書けば十分です。

太字と黒板太字の関係

黒板やタイプライターでは太字が書けないので、線を二重にして太字の代わりにしたのが、次の節の黒板太字の始まりだといわれます。いまでは印刷でも黒板太字を使いますが、本によっては実数全体を太字で R\mathbf{R} と印刷しています。R\mathbf{R} と R\mathbb{R}、Z\mathbf{Z} と Z\mathbb{Z} は同じものです。

黒板太字

R\mathbb{R} のように線の一部が二重になった文字を黒板太字(白抜き文字とも)といいます。主に数の集合を表します。

文字 読み方 意味 文字の由来
N\mathbb{N} エヌ 自然数全体 natural number(自然数)
Z\mathbb{Z} ゼット 整数全体 ドイツ語の Zahl(数)
Q\mathbb{Q} キュー 有理数全体 quotient(商)
R\mathbb{R} アール 実数全体 real number(実数)
C\mathbb{C} シー 複素数全体 complex number(複素数)
Fq\mathbb{F}_q エフ キュー qq 元体(有限体) field(体)
K\mathbb{K} ケー R\mathbb{R} または C\mathbb{C} ドイツ語の Körper(体)
H\mathbb{H} エイチ 上半平面、双曲空間 half-plane(半平面)
D\mathbb{D} ディー 単位円板 disk(円板)
Pn\mathbb{P}^n ピー エヌ 射影空間 projective(射影的)
An\mathbb{A}^n エー エヌ アフィン空間 affine(アフィン)
T\mathbb{T} ティー 円周(周期関数を考えるとき) torus(トーラス)

Rn\mathbb{R}^n は「アール エヌ」、Fp\mathbb{F}_p は「エフ ピー」、Z/nZ\mathbb{Z}/n\mathbb{Z} は「ゼット オーバー エヌ ゼット」と読みます。講義では「実数全体」「整数全体」と意味で読むこともよくあります。

手で書くときは、太字と同じように、字のいちばん左の線(縦の線や、丸の左側)のすぐ右に線を一本書き足して、線を二重にします。N\mathbb{N} や Z\mathbb{Z} のように、印刷の形で斜めの線が二重になっている字は、それをまねます。

黒板太字 N, Z, Q, R, C の印刷の形と手書きの形。N と Z は斜めの線、R は縦の線を二重にし、Q と C は丸の左側の内側に線を足す。書き足す線を青で示している。字を書いてから青い線を書き足すアニメーションで、赤い点がペン先

ギリシャ文字

読み方と主な使いみち

小文字 大文字 読み方 主な使いみち
α\alpha A\mathrm{A} アルファ 角度、方程式の解、定数
β\beta B\mathrm{B} ベータ 角度、方程式の解、定数
γ\gamma Γ\Gamma ガンマ 曲線 γ(t)\gamma(t)。Γ\Gamma はガンマ関数
δ\delta Δ\Delta デルタ ε-δ 論法の δ\delta、クロネッカーのデルタ δij\delta_{ij}。Δ\Delta は変化量 Δx\Delta x、ラプラシアン
ε\varepsilon, ϵ\epsilon E\mathrm{E} イプシロン(エプシロン) 小さな正の数
ζ\zeta Z\mathrm{Z} ゼータ(ツェータ) ゼータ関数 ζ(s)\zeta(s)、1 の原始 nn 乗根 ζn\zeta_n
η\eta H\mathrm{H} イータ(エータ) 変数、デデキントのイータ関数
θ\theta, ϑ\vartheta Θ\Theta シータ(テータ) 角度、偏角
ι\iota I\mathrm{I} イオタ 包含写像 ι ⁣:A→X\iota\colon A \to X
κ\kappa K\mathrm{K} カッパ 曲率
λ\lambda Λ\Lambda ラムダ 固有値、ルベーグ測度、添字 λ∈Λ\lambda \in \Lambda。Λ\Lambda は添字の集合、格子
μ\mu M\mathrm{M} ミュー 測度、平均
ν\nu N\mathrm{N} ニュー 2 つ目の測度
ξ\xi Ξ\Xi グザイ(クシー) 変数(フーリエ変換の変数など)
oo O\mathrm{O} オミクロン ほとんど使わない(ラテン文字の o と同じ形のため)
π\pi, ϖ\varpi Π\Pi パイ 円周率、射影、基本群 π1\pi_1、素数の個数 π(x)\pi(x)
ρ\rho, ϱ\varrho P\mathrm{P} ロー 表現、密度
σ\sigma Σ\Sigma シグマ 置換、標準偏差、σ-加法族
τ\tau T\mathrm{T} タウ 互換、上半平面の点
υ\upsilon Υ\Upsilon ウプシロン(ユプシロン) ほとんど使わない
φ\varphi, ϕ\phi Φ\Phi ファイ(フィー) 写像、オイラー関数 φ(n)\varphi(n)、角度
χ\chi X\mathrm{X} カイ(キー) 指標、オイラー標数、カイ二乗分布
ψ\psi Ψ\Psi プサイ(プシー) 写像、関数
ω\omega Ω\Omega オメガ 1 の虚数の 3 乗根(高校)、微分形式。Ω\Omega は標本空間、領域

手書きの形と書き順

ギリシャ文字の小文字アルファからミューまでの 12 字の、印刷の形と手書きの形。手書きの形には、書き始めの点、書く向きの矢印、書く順の番号をつけている。書き順どおりに線が伸びるアニメーションで、赤い点がペン先

ギリシャ文字の小文字ニューからオメガまでの 12 字の、印刷の形と手書きの形。手書きの形には、書き始めの点、書く向きの矢印、書く順の番号をつけている。書き順どおりに線が伸びるアニメーションで、赤い点がペン先

同じ文字の 2 つの形

いくつかの文字には、印刷の形が 2 つあります。どちらも同じ文字で、TeX ではそれぞれ別の命令(ϵ\epsilon は \epsilon、ε\varepsilon は \varepsilon)で書きます。

文字 形 1 形 2
イプシロン ϵ\epsilon ε\varepsilon
シータ θ\theta ϑ\vartheta
パイ π\pi ϖ\varpi
ロー ρ\rho ϱ\varrho
ファイ ϕ\phi φ\varphi

この教材では主に ε\varepsilon と φ\varphi を使います。手で書くときも、∈\in(属する)や ∅\emptyset(空集合)と見分けやすいこの 2 つの形がおすすめです。

花文字

A\mathcal{A}, F\mathcal{F} のような飾りのある大文字を花文字(カリグラフィー体、筆記体)といいます。集合を元とする集合(集合族)や、層・圏の名前によく使います。

文字 この教材での主な使いみち
P(X)\mathcal{P}(X) 冪集合(XX の部分集合全体)
O\mathcal{O} 開集合全体(位相)、整数環 OK\mathcal{O}_K、構造層 OX\mathcal{O}_X
F\mathcal{F} σ-加法族(確率論)、層
B\mathcal{B} ボレル集合族
L\mathcal{L} ルベーグ可測集合族
C\mathcal{C} 圏
S\mathcal{S}, D\mathcal{D} 急減少関数の空間、テスト関数の空間

読むときは「花文字のエフ」「カリグラフィーのエフ」と言うか、単に「エフ」と読みます。P(X)\mathcal{P}(X) は「ピー エックス」または「XX の冪集合」です。

花文字 A, B, C, F, O, P の印刷の形と、筆記体のように曲線でつなげて書いた手書きの形の一例。書き順どおりに線が伸びるアニメーションで、赤い点がペン先

手で書くときは、筆記体のように曲線でなめらかにつなげ、書き始めの輪や最初の弧を大きめに書いて、ふつうの大文字と見分けられるようにします。図の手書きの形は、さらに飾りの多いスクリプト体に近い形です。本によってはスクリプト体で印刷しますが、読み方は花文字と同じです。

ドイツ文字

p\mathfrak{p}, g\mathfrak{g} のような角ばった文字をドイツ文字(フラクトゥール、ひげ文字)といいます。昔のドイツで広く使われた書体で、数学では代数学・整数論・リー環論でよく使います。

文字 読み方 この教材での主な使いみち
p\mathfrak{p}, q\mathfrak{q} ピー、キュー 素イデアル
m\mathfrak{m} エム 極大イデアル
a\mathfrak{a}, b\mathfrak{b} エー、ビー イデアル
P\mathfrak{P} ピー(大文字) 素イデアル(整数論で、p\mathfrak{p} の上にあるもの)
g\mathfrak{g}, h\mathfrak{h} ジー、エイチ リー環
gln\mathfrak{gl}_n, sln\mathfrak{sl}_n, son\mathfrak{so}_n ジーエル エヌ、エスエル エヌ、エスオー エヌ 行列のつくるリー環
Sn\mathfrak{S}_n, An\mathfrak{A}_n エス エヌ、エー エヌ 対称群、交代群
c\mathfrak{c} シー 連続体の濃度
X(M)\mathfrak{X}(M) エックス ベクトル場全体

読むときは「ドイツ文字のピー」と言うか、単に「ピー」と読みます。印刷の形はふつうの文字とかなり違うので、表で元の文字を確かめてください。

ドイツ文字の小文字 a, b, c, g, h, l, m, n, o, p, q, s の印刷の形と、手書きの形の一例。手書きでは丸いところを角ばらせ、いくつかの画に分けて書く。書き順どおりに線が伸びるアニメーションで、赤い点がペン先

そのほかの文字

文字 読み方 意味 手で書くとき
ℵ0\aleph_0 アレフ ゼロ(アレフ ヌル) 可算集合の濃度(00 第5章) ヘブライ文字の最初の文字。左上から右下へ斜めの線を引き、その線から右上と左下へ短い線を出す
ℓ\ell エル 長さ、数列の空間 ℓp\ell^p 筆記体の l。11 や II と見分けるため、ループをつける
℘\wp ペー ワイエルシュトラスのペー関数(19 第2章) 筆記体の p に似た形

まぎらわしい文字

手で書くと形が似てしまう文字の組です。上の段が印刷の形、下の段が見分けやすい手書きの形の一例です。

手書きでまぎらわしい文字の組 18 個の、印刷の形と見分けやすい手書きの形。v とニューとウプシロン、属するとイプシロン、偏微分の記号とデルタ、p とロー、k とカッパ、x とカイとかける、w とオメガ、n とイータ、u とミュー、y とガンマ、a とアルファ、空集合とファイ、1 と l と I、z と 2、0 と O、ゼータとグザイ、i とイオタ、t とタウ。書き順どおりに線が伸びるアニメーションで、赤い点がペン先

文字 見分けるこつ
vv, ν\nu, υ\upsilon 書き始め・下・書き終わりで見分ける。vv は書き始めを丸め、下を丸くして、最後を内側に曲げる。ν\nu(ニュー)は書き始めをまっすぐにし、下を角にして、最後はそのまま止める。υ\upsilon(ウプシロン)は書き始めをまっすぐにし、下を丸くして、最後を内側に曲げる
∈\in, ε\varepsilon ∈\in(属する)は C に横線を引いた形。ε\varepsilon は 3 を裏返した形
∂\partial, δ\delta ∂\partial(偏微分の記号)は右の線が上まで続き、上の端が左へ曲がる。δ\delta は下の丸から書きはじめ、丸を書いたら上へ伸ばして、上の端を右へ曲げる
pp, ρ\rho pp は縦の線を引いてから丸を足す 2 画で、左上が角になる。ρ\rho は丸の左下から書きはじめ、丸を書いたらそのまま縦の線を下ろす 1 画で、左上が丸い
kk, κ\kappa kk は上に長く伸ばし、κ\kappa は上に伸ばさない
xx, χ\chi, ×\times xx は小さく書き、「)(」のような 2 つの弧を真ん中で接するだけにする。χ\chi は 2 本の線を交差させ、下に伸ばす。×\times(かける)は小さく、まっすぐ
ww, ω\omega ww は書き始めを丸めて、筆記体のように書く。ω\omega は両端を内側に向ける
nn, η\eta η\eta は右の線を下に長く伸ばす
uu, μ\mu uu は右の線を折り返して下ろす。μ\mu は左の線を下に長く伸ばす
yy, γ\gamma yy は u の形を書いてから、右の線を下に伸ばして輪を作る。γ\gamma は 2 本の線を交差させ、交わったすぐ下で輪を作る
aa, α\alpha α\alpha は右側で線を交差させ、魚のような形にする
∅\emptyset, φ\varphi, ϕ\phi ∅\emptyset(空集合)は丸に斜めの線。φ\varphi は輪から縦の線を下に伸ばし、ϕ\phi は縦の線を上下に突き出す
11, ll, II 11 は上に短いはねをつける。ll はループをつけて ℓ\ell のように書く。II は上下に横線をつける
zz, 22 zz は上の右端を角にして折り返し、22 は上を丸く書く(zz の真ん中に短い横線を入れる書き方もある)
00, OO 00(ゼロ)は細長く、OO(オー)は丸く書く。00 に斜線を入れると ∅\emptyset と紛れるので入れない
ζ\zeta, ξ\xi どちらも上の短い横線から始める。ξ\xi は途中に小さな山がもう一つある
ii, ι\iota ι\iota(イオタ)には点を打たない
tt, τ\tau τ\tau は上に伸ばさず、横線を上端に置く

記号の読み方

記号の意味は 記法と用語の約束 にまとめています。ここでは、読み方がわかりにくいものを挙げます。言い方は人によって違うので、一例と考えてください。

文字の上や右につく飾り

書き方 読み方 主な意味
xˉ\bar{x}, z‾\overline{z} エックス バー、ゼット バー 平均、共役複素数、閉包
x^\hat{x} エックス ハット 推定量、フーリエ変換 f^\hat{f}
x~\tilde{x} エックス チルダ(チルド) 元のものに似た、別のもの
x˙\dot{x}, x¨\ddot{x} エックス ドット、エックス ツードット 時間についての微分
x′x', x′′x'' エックス プライム(ダッシュ)、エックス ツープライム(ツーダッシュ) 微分、元のものとは別のもの
x∗x^{\ast} エックス スター 双対、共役

日本では x′x' を「エックス ダッシュ」と読むことが多いのですが、英語では prime(プライム)です。英語の dash は横線(―)のことなので、英語で話すときは prime と言いましょう。

添字と肩の数

書き方 読み方
xnx_n エックス エヌ(エックス サブ エヌ)
aija_{ij} エー アイ ジェー
x2x^2, xnx^n エックスの 2 乗、エックスの nn 乗
f−1f^{-1} エフ インバース(ff の逆写像)
tA{}^t A, ATA^{\mathsf{T}} エーの転置(エー トランスポーズ)
Rn\mathbb{R}^n アール エヌ
C∞C^\infty シー インフィニティ(シー 無限大)
LpL^p, ℓp\ell^p エル ピー
f(n)f^{(n)} エフ エヌ(ff の nn 階導関数)

微分と積分

書き方 読み方
dydx\frac{dy}{dx} ディーワイ ディーエックス
∂f∂x\frac{\partial f}{\partial x} ラウンド エフ ラウンド エックス(∂\partial は「ラウンド」「デル」「パーシャル」と読む)
∇f\nabla f ナブラ エフ(ff の勾配)
Δf\Delta f ラプラシアン エフ
∫abf(x) dx\int_a^b f(x)\ dx インテグラル aa から bb、f(x)f(x) ディーエックス
∑k=1nak\sum_{k=1}^{n} a_k シグマ kk イコール 1 から nn、aka_k
lim⁡n→∞an\lim_{n \to \infty} a_n リミット、nn が無限大のときの ana_n
sup⁡\sup, inf⁡\inf スープ、インフ(上限、下限)

集合・論理・そのほか

記号 読み方
x∈Ax \in A xx は AA に属する(xx は AA の元)
A⊂BA \subset B AA は BB に含まれる(AA は BB の部分集合)
A∪BA \cup B, A∩BA \cap B AA カップ BB、AA キャップ BB(和集合、共通部分)
∅\emptyset 空集合(くうしゅうごう)
∀\forall, ∃\exists 任意の、ある(存在する)
↦\mapsto 写す(x↦x2x \mapsto x^2 は「xx を x2x^2 に写す」)
g∘fg \circ f ジー マル エフ(ff と gg の合成)
A×BA \times B AA クロス BB(直積)
⊗\otimes, ⊕\oplus テンソル、直和(オープラス)
a≡b(modn)a \equiv b \pmod{n} aa 合同 bb モッド nn
≅\cong 同型
∣x∣\lvert x \rvert, ∥x∥\lVert x \rVert xx の絶対値、xx のノルム
n!n! nn の階乗(かいじょう)
nCk{}_n\mathrm{C}_k, (nk)\binom{n}{k} エヌ シー ケー
x\sqrt{x} ルート xx
log⁡x\log x, exp⁡x\exp x ログ xx、エクスポネンシャル xx
det⁡A\det A, tr⁡A\operatorname{tr} A デターミナント AA(AA の行列式)、トレース AA
Ker⁡f\operatorname{Ker} f, Im⁡f\operatorname{Im} f カーネル ff(ff の核)、イメージ ff(ff の像)

ヒント

記号の名前がわからないときは、手で描いた記号から TeX の命令を探せる Detexify が便利です。TeX の命令の名前(ξ\xi なら \xi、∂\partial なら \partial)は、多くの場合そのまま英語での呼び名です。


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