Lemma数学ロードマップ

03 集合と位相 · 第 6 章

連結性

目安 6〜9 時間定理など 15演習 10 問

この章の目標

  • 連結性の定義と同値な言い換えを理解し、R\mathbb{R} の連結集合がちょうど区間であることを証明できる
  • 連続像・和集合・閉包・積による連結性の保存を証明し、中間値の定理を一般化できる
  • 弧状連結性との違いを、位相幾何学者の正弦曲線で説明できる
  • 連結成分・弧状連結成分・局所連結性を扱い、Rn\mathbb{R}^n の開集合では連結と弧状連結が一致することを証明できる
  • 連結性を位相不変量として使い、R≇R2\mathbb{R} \not\cong \mathbb{R}^2 や S1≇[0,1]S^1 \not\cong [0, 1] を示せる

前提:第2章、第3章、第5章(一部)

6.1 定義と動機

中間値の定理「f ⁣:[a,b]→Rf\colon [a, b] \to \mathbb{R} が連続で f(a)<c<f(b)f(a) < c < f(b) なら f(x)=cf(x) = c となる xx がある」は、区間 [a,b][a, b] が「ひとつながり」であることの表れである。[0,1]∪[2,3][0, 1] \cup [2, 3] 上で、前半で 00、後半で 11 となる関数は連続だが値 1/21/2 をとらない。「ひとつながり」を開集合で表すと、「2 つの交わらない開集合に分かれない」となる。

定義 6.1(連結, connected)位相空間 XX が、交わらない 2 つの空でない開集合の和集合として書けないとき、連結であるという。部分集合 A⊂XA \subset X は、部分空間として連結なとき連結であるという。

命題 6.2 位相空間 XX について、次は同値である。

  1. XX は連結。
  2. XX の開かつ閉な部分集合は ∅\emptyset と XX だけである。
  3. XX から離散空間 {0,1}\lbrace 0, 1 \rbrace への連続写像は定数写像だけである。

証明. 1 ⇔\Leftrightarrow 2:X=U⊔VX = U \sqcup V(U,VU, V は空でない開集合)と書けることと、UU が空でも全体でもない開かつ閉な集合であること(V=X∖UV = X \setminus U)は同値。2 ⇔\Leftrightarrow 3:連続写像 g ⁣:X→{0,1}g\colon X \to \lbrace 0, 1 \rbrace に対し g−1(0)g^{-1}(0) は開かつ閉であり、逆に開かつ閉な UU に対し UU 上 00、外で 11 の写像は連続である。□\square

条件 3 は証明で非常に使いやすい。以下で繰り返し用いる。

命題 6.3 A⊂XA \subset X が連結でない ⇔\Leftrightarrow XX の開集合 U,VU, V で、A⊂U∪VA \subset U \cup V, A∩U∩V=∅A \cap U \cap V = \emptyset, A∩U≠∅A \cap U \neq \emptyset, A∩V≠∅A \cap V \neq \emptyset となるものが存在する。

証明. 部分空間 AA の開集合は U∩AU \cap A の形なので、定義 6.1 をそのまま書き直したものである。□\square

U,VU, V は XX の中では交わっていてもよい(AA の中で交わらなければよい)ことに注意する。

例 6.4

  1. Q\mathbb{Q} は連結でない:U=(−∞,2)U = (-\infty, \sqrt{2}), V=(2,∞)V = (\sqrt{2}, \infty) とすればよい。
  2. 2 点以上の離散空間は連結でない。密着空間は連結である。
  3. 無限集合上の補有限位相は連結である:空でない開集合は必ず交わる(例 2.7)ので、交わらない空でない開集合の組はない。
  4. ゾルゲンフライ直線 Rl\mathbb{R}_l は連結でない:[0,1)[0, 1) は開かつ閉(例 2.28)。
  5. R∖{0}=(−∞,0)⊔(0,∞)\mathbb{R} \setminus \lbrace 0 \rbrace = (-\infty, 0) \sqcup (0, \infty) は連結でない。

6.2 R\mathbb{R} の区間は連結

I⊂RI \subset \mathbb{R} が区間であるとは、x,y∈Ix, y \in I, x<z<yx < z < y ならば z∈Iz \in I となることをいう(∅\emptyset、1 点、半直線、R\mathbb{R} も含む)。

定理 6.5 A⊂RA \subset \mathbb{R} が連結 ⇔\Leftrightarrow AA は区間。

証明. (⇒\Rightarrow) AA が区間でなければ x,y∈Ax, y \in A, x<z<yx < z < y, z∉Az \notin A となる zz があり、U=(−∞,z)U = (-\infty, z), V=(z,∞)V = (z, \infty) が命題 6.3 の条件をみたす。

(⇐\Leftarrow) 区間 II が連結でないとし、命題 6.3 の U,VU, V をとる。a∈I∩Ua \in I \cap U, b∈I∩Vb \in I \cap V で、a<ba < b としてよい(逆なら U,VU, V を入れ替える)。[a,b]⊂I[a, b] \subset I である。S={t∈[a,b]∣[a,t]⊂U}S = \lbrace t \in [a, b] \mid [a, t] \subset U \rbrace, c=sup⁡Sc = \sup S とおく(a∈Sa \in S)。s<cs < c なら s<ts < t となる t∈St \in S があるので、[a,c)⊂U[a, c) \subset U である。c∈[a,b]⊂I⊂U∪Vc \in [a, b] \subset I \subset U \cup V である。

  • c∈Uc \in U の場合:b∈V∩Ib \in V \cap I で I∩U∩V=∅I \cap U \cap V = \emptyset なので b∉Ub \notin U、よって c<bc < b。UU は開なので (c−ε,c+ε)⊂U(c - \varepsilon, c + \varepsilon) \subset U となる ε>0\varepsilon > 0 があり、t=min⁡(c+ε/2,b)t = \min(c + \varepsilon/2, b) とすると [a,t]=[a,c)∪[c,t]⊂U[a, t] = [a, c) \cup [c, t] \subset U。t∈St \in S かつ t>ct > c となり、c=sup⁡Sc = \sup S に反する。
  • c∈Vc \in V の場合:同様に a∉Va \notin V なので c>ac > a。(c−ε,c+ε)⊂V(c - \varepsilon, c + \varepsilon) \subset V となる ε\varepsilon をとり、s∈(max⁡(a,c−ε),c)s \in (\max(a, c - \varepsilon), c) をとると、s∈[a,c)⊂Us \in [a, c) \subset U かつ s∈Vs \in V かつ s∈Is \in I となり、I∩U∩V=∅I \cap U \cap V = \emptyset に反する。

いずれも矛盾なので II は連結である。□\square

この証明は上限の存在、すなわち実数の連続性(微分積分学 第1章)を本質的に使っている。実際 Q\mathbb{Q} では「区間」[0,2]∩Q[0, 2] \cap \mathbb{Q} が連結でない。

6.3 連結性の保存

定理 6.6 連結空間の連続像は連結である。

証明. f ⁣:X→Yf\colon X \to Y を連続、XX を連結とし、g ⁣:f(X)→{0,1}g\colon f(X) \to \lbrace 0, 1 \rbrace を連続とする。g∘f ⁣:X→{0,1}g \circ f\colon X \to \lbrace 0, 1 \rbrace は連続なので定数で、f ⁣:X→f(X)f\colon X \to f(X) は全射なので gg も定数。命題 6.2 より f(X)f(X) は連結。□\square

系 6.7(中間値の定理の一般化)XX を連結空間、f ⁣:X→Rf\colon X \to \mathbb{R} を連続関数とする。a,b∈Xa, b \in X と f(a)<c<f(b)f(a) < c < f(b) をみたす cc に対し、f(x)=cf(x) = c となる x∈Xx \in X が存在する。

証明. f(X)f(X) は R\mathbb{R} の連結集合なので区間であり(定理 6.5)、f(a),f(b)f(a), f(b) を含むので cc を含む。□\square

定理 6.8(和集合){Aλ}\lbrace A_\lambda \rbrace を XX の連結部分集合の族とする。

  1. ある点がすべての AλA_\lambda に属するならば、⋃λAλ\bigcup_\lambda A_\lambda は連結である。
  2. 連結部分集合の列 A1,A2,…A_1, A_2, \dots で An∩An+1≠∅A_n \cap A_{n+1} \neq \emptyset ならば、⋃nAn\bigcup_n A_n は連結である。

証明. 1. g ⁣:⋃Aλ→{0,1}g\colon \bigcup A_\lambda \to \lbrace 0, 1 \rbrace を連続とすると、各 AλA_\lambda 上で gg は定数で、共通の点 pp での値 g(p)g(p) に等しい。よって gg は定数。2. 1 と帰納法により Bn=A1∪⋯∪AnB_n = A_1 \cup \dots \cup A_n は連結で、BnB_n はすべて A1A_1 の点を含むので、1 より ⋃Bn\bigcup B_n は連結。□\square

定理 6.9(閉包)AA が連結で A⊂B⊂A‾A \subset B \subset \overline{A} ならば、BB は連結である。特に連結集合の閉包は連結である。

証明. g ⁣:B→{0,1}g\colon B \to \lbrace 0, 1 \rbrace を連続とすると、g∣Ag\vert_A は定数 cc。g−1(c)g^{-1}(c) は BB の閉集合で AA を含むので、AA の BB での閉包 A‾∩B=B\overline{A} \cap B = B(命題 3.2)を含む。よって gg は定数。□\square

定理 6.10(積)連結空間の任意の族の積空間は連結である。

証明. (2 つの積)X,YX, Y を空でない連結空間とし、y0∈Yy_0 \in Y を固定する。各 x∈Xx \in X について Tx=(X×{y0})∪({x}×Y)T_x = (X \times \lbrace y_0 \rbrace) \cup (\lbrace x \rbrace \times Y) は、XX と YY に同相な連結集合(問題 3.2)が点 (x,y0)(x, y_0) を共有するので連結(定理 6.8)。すべての TxT_x は X×{y0}X \times \lbrace y_0 \rbrace を含み共通の点をもつので、⋃xTx=X×Y\bigcup_x T_x = X \times Y は連結。帰納法で有限積も連結。

(一般の積)X=∏λXλX = \prod_\lambda X_\lambda とし、点 a∈Xa \in X を固定する。有限集合 F⊂ΛF \subset \Lambda に対し EF={x∣λ∉F なら xλ=aλ}E_F = \lbrace x \mid \lambda \notin F \text{ なら } x_\lambda = a_\lambda \rbrace とおくと、EFE_F は有限積 ∏λ∈FXλ\prod_{\lambda \in F} X_\lambda と同相なので連結で、すべての EFE_F は aa を含む。定理 6.8 より E=⋃FEFE = \bigcup_F E_F は連結。EE は稠密である:空でない基本開集合 ∏Uλ\prod U_\lambda(λ∉F\lambda \notin F で Uλ=XλU_\lambda = X_\lambda)は、λ∈F\lambda \in F で xλ∈Uλx_\lambda \in U_\lambda、λ∉F\lambda \notin F で xλ=aλx_\lambda = a_\lambda となる点 x∈EFx \in E_F を含む。定理 6.9 より X=E‾X = \overline{E} は連結。□\square

箱位相では成り立たない:箱位相の RN\mathbb{R}^{\mathbb{N}} では有界数列全体が開かつ閉である(問題 3.7)。

例 6.11 Rn\mathbb{R}^n は連結である(定理 6.5 と 6.10)。Rn\mathbb{R}^n の開かつ閉な部分集合は ∅\emptyset と Rn\mathbb{R}^n だけである。S1S^1 は [0,1][0, 1] の連続像 e([0,1])e([0, 1])(e(t)=(cos⁡2πt,sin⁡2πt)e(t) = (\cos 2\pi t, \sin 2\pi t))なので連結であり(定理 6.6)、トーラス S1×S1S^1 \times S^1 も連結である。

6.4 弧状連結性

直観的な「ひとつながり」は「道でつながっている」ことである。

定義 6.12(道, 弧状連結)連続写像 γ ⁣:[0,1]→X\gamma\colon [0, 1] \to X を γ(0)\gamma(0) から γ(1)\gamma(1) への道 (path) という。任意の 2 点が道で結べるとき、XX は弧状連結 (path-connected) であるという。

道 γ\gamma の逆 γˉ(t)=γ(1−t)\bar{\gamma}(t) = \gamma(1 - t) と、γ(1)=σ(0)\gamma(1) = \sigma(0) のときの道の連結

(γ∗σ)(t)={γ(2t)(0≤t≤1/2)σ(2t−1)(1/2≤t≤1)(\gamma \ast \sigma)(t) = \begin{cases} \gamma(2t) & (0 \leq t \leq 1/2) \\ \sigma(2t - 1) & (1/2 \leq t \leq 1) \end{cases}

も道である(後者は貼り合わせの補題、命題 3.4 による)。弧状連結空間の連続像は弧状連結である(道を合成すればよい)。

命題 6.13 弧状連結空間は連結である。

証明. X≠∅X \neq \emptyset とし x0∈Xx_0 \in X を固定する。各 xx について、x0x_0 から xx への道 γx\gamma_x の像 γx([0,1])\gamma_x([0, 1]) は連結(定理 6.5, 6.6)で x0x_0 を含む。定理 6.8 より X=⋃xγx([0,1])X = \bigcup_x \gamma_x([0, 1]) は連結。□\square

例 6.14

  1. Rn\mathbb{R}^n の凸集合(開球・閉球など)は、線分 γ(t)=(1−t)x+ty\gamma(t) = (1 - t)x + ty で弧状連結である。
  2. n≥2n \geq 2 なら Rn∖{0}\mathbb{R}^n \setminus \lbrace 0 \rbrace は弧状連結:x,yx, y を結ぶ線分が原点を通らなければそれを使い、通るなら x,yx, y を通る直線上にない点 zz を経由して x→z→yx \to z \to y と折れ線で結ぶ。
  3. n≥1n \geq 1 なら SnS^n は弧状連結:Rn+1∖{0}\mathbb{R}^{n+1} \setminus \lbrace 0 \rbrace の連続像 x↦x/∥x∥x \mapsto x/\lVert x \rVert だからである。
  4. GL⁡n(R)\operatorname{GL}_n(\mathbb{R}) は連結でない:det⁡ ⁣:GL⁡n(R)→R∖{0}\det\colon \operatorname{GL}_n(\mathbb{R}) \to \mathbb{R} \setminus \lbrace 0 \rbrace は連続な全射で、像が連結でないから(定理 6.6)。一方 GL⁡n(C)\operatorname{GL}_n(\mathbb{C}) は弧状連結であることが知られている。

位相幾何学者の正弦曲線

連結だが弧状連結でない空間の代表例を詳しく見よう。

例 6.15(位相幾何学者の正弦曲線, topologist's sine curve)

S={(x,sin⁡(1/x))∣0<x≤1},T=S‾=S∪({0}×[−1,1])S = \lbrace (x, \sin(1/x)) \mid 0 < x \leq 1 \rbrace, \qquad T = \overline{S} = S \cup (\lbrace 0 \rbrace \times [-1, 1])

とおく。図の代わりに言葉で描くと、SS は x=1x = 1 から左に進むにつれて −1-1 と 11 の間の振動が激しくなる曲線で、x→+0x \to +0 では無限回上下しながら yy 軸に押し付けられる。その結果、yy 軸上の線分 {0}×[−1,1]\lbrace 0 \rbrace \times [-1, 1] のどの点にも SS の点がいくらでも近づく。実際 ∣y∣≤1\lvert y \rvert \leq 1 なら、各 nn について sin⁡(1/x)=y\sin(1/x) = y となる x∈(1/(2π(n+1)),1/(2πn)]x \in (1/(2\pi(n+1)), 1/(2\pi n)] があるので (0,y)∈S‾(0, y) \in \overline{S}。逆に S‾\overline{S} はこれ以外の点を含まない(SS は (0,1]×R(0, 1] \times \mathbb{R} の中では連続関数のグラフとして閉で、S‾⊂[0,1]×[−1,1]\overline{S} \subset [0, 1] \times [-1, 1] である)。

TT は連結である. SS は連結集合 (0,1](0, 1] の連続像 x↦(x,sin⁡(1/x))x \mapsto (x, \sin(1/x)) なので連結(定理 6.6)で、T=S‾T = \overline{S} は定理 6.9 より連結。

TT は弧状連結でない. (0,0)(0, 0) から (1,sin⁡1)(1, \sin 1) への道 γ=(γ1,γ2) ⁣:[0,1]→T\gamma = (\gamma_1, \gamma_2)\colon [0, 1] \to T があったとする。L={0}×[−1,1]L = \lbrace 0 \rbrace \times [-1, 1] は閉集合なので γ−1(L)\gamma^{-1}(L) は [0,1][0, 1] の閉集合で、00 を含み 11 を含まない。t0=max⁡γ−1(L)<1t_0 = \max \gamma^{-1}(L) < 1 とおく(閉集合なので最大値が存在する)。t>t0t > t_0 では γ(t)∈S\gamma(t) \in S、すなわち γ1(t)>0\gamma_1(t) > 0 かつ γ2(t)=sin⁡(1/γ1(t))\gamma_2(t) = \sin(1/\gamma_1(t)) である。任意の δ∈(0,1−t0]\delta \in (0, 1 - t_0] をとり、u=γ1(t0+δ)>0u = \gamma_1(t_0 + \delta) > 0 とおく。γ1\gamma_1 は連続で γ1(t0)=0\gamma_1(t_0) = 0 なので、中間値の定理により γ1\gamma_1 は [t0,t0+δ][t_0, t_0 + \delta] で (0,u)(0, u) のすべての値をとる。nn を十分大きくとって 1/(π/2+2nπ)<u1/(\pi/2 + 2n\pi) < u とすれば、γ1(s)=1/(π/2+2nπ)\gamma_1(s) = 1/(\pi/2 + 2n\pi)、γ1(s′)=1/(3π/2+2nπ)\gamma_1(s') = 1/(3\pi/2 + 2n\pi) となる s,s′∈(t0,t0+δ)s, s' \in (t_0, t_0 + \delta) があり、γ2(s)=1\gamma_2(s) = 1, γ2(s′)=−1\gamma_2(s') = -1。つまり t0t_0 のどんなに近くにも γ2\gamma_2 が 11 と −1-1 をとる点がある。これは γ2\gamma_2 の t0t_0 での連続性(∣γ2(t)−γ2(t0)∣<1\lvert \gamma_2(t) - \gamma_2(t_0) \rvert < 1 が t0t_0 の近くで成り立つはず)に反する。□\square

要するに、SS の上を yy 軸に向かって進む道は、無限回の振動を有限の時間で通り抜けなければならず、連続ではありえない。

6.5 連結成分と弧状連結成分

定義 6.16(連結成分, connected component)x∈Xx \in X を含む連結部分集合すべての和集合を C(x)C(x) と書き、xx を含む連結成分という。

命題 6.17

  1. C(x)C(x) は xx を含む最大の連結集合である。
  2. 連結成分全体は XX の分割を与える(C(x)∩C(y)≠∅C(x) \cap C(y) \neq \emptyset なら C(x)=C(y)C(x) = C(y))。
  3. 連結成分は閉集合である。
  4. 同相写像は連結成分を連結成分に写す。特に連結成分の個数は位相不変量である。

証明. 1. 定理 6.8 の 1 より C(x)C(x) は連結で、定義から最大。2. C(x)∪C(y)C(x) \cup C(y) は共通の点をもつ連結集合の和なので連結で xx を含むから C(x)C(x) に含まれ、同様に C(y)C(y) に含まれる。3. C(x)‾\overline{C(x)} は連結(定理 6.9)で xx を含むので C(x)C(x) に含まれる。4. 同相写像は連結集合を連結集合に写し(定理 6.6)、最大性を保つ。□\square

定義 6.18(弧状連結成分)「xx から yy への道がある」は同値関係である(反射律は定値道、対称律は逆の道、推移律は道の連結による)。その同値類を弧状連結成分という。

弧状連結成分 P(x)P(x) は弧状連結であり、したがって連結なので P(x)⊂C(x)P(x) \subset C(x) である。

例 6.19

  1. 位相幾何学者の正弦曲線 TT の連結成分は TT 自身 1 つだが、弧状連結成分は SS と L={0}×[−1,1]L = \lbrace 0 \rbrace \times [-1, 1] の 2 つである(SS も LL も弧状連結で、例 6.15 より両者は道で結べない)。SS は閉集合でないので、弧状連結成分は閉とは限らない。
  2. Q\mathbb{Q} の連結成分は 1 点集合である(2 点 p<qp < q を含む部分集合は、間の無理数で分けられる)。このような空間を完全不連結 (totally disconnected) という。Q\mathbb{Q} の 1 点集合は開でないので、連結成分は開とは限らない。カントール集合や Rl\mathbb{R}_l も完全不連結である。

6.6 局所連結性

定義 6.20 各点が連結な開近傍からなる基本近傍系をもつとき、XX は局所連結 (locally connected) であるという。弧状連結な開近傍からなる基本近傍系をもつとき、局所弧状連結 (locally path-connected) であるという。

例 6.21

  1. Rn\mathbb{R}^n とその開集合は局所弧状連結である(開球は凸)。
  2. (0,1)∪(2,3)(0, 1) \cup (2, 3) は局所連結だが連結でない。連結性と局所連結性は独立な性質である。
  3. 位相幾何学者の正弦曲線 TT は連結だが局所連結でない(問題 6.8)。
  4. くし形空間 ([0,1]×{0})∪({0}×[0,1])∪⋃n({1/n}×[0,1])([0, 1] \times \lbrace 0 \rbrace) \cup (\lbrace 0 \rbrace \times [0, 1]) \cup \bigcup_{n} (\lbrace 1/n \rbrace \times [0, 1]) は弧状連結だが局所連結でない(問題 6.6)。

定理 6.22 XX が局所連結 ⇔\Leftrightarrow XX の任意の開集合の連結成分(部分空間としての連結成分)は XX の開集合である。

証明. (⇒\Rightarrow) UU を開集合、CC をその連結成分、x∈Cx \in C とする。局所連結性から x∈V⊂Ux \in V \subset U となる連結な開集合 VV があり、VV は xx を含む UU の連結部分集合なので V⊂CV \subset C。よって CC は開。(⇐\Leftarrow) xx の開近傍 UU に対し、xx を含む UU の連結成分は仮定より開で、連結で UU に含まれる。これらが基本近傍系をなす。□\square

定理 6.23 XX が局所弧状連結ならば、弧状連結成分は開かつ閉であり、連結成分と一致する。

証明. y∈P(x)y \in P(x) に対し、yy の弧状連結な開近傍 VV をとると、VV の点は yy と、したがって xx と道で結べるので V⊂P(x)V \subset P(x)。よって P(x)P(x) は開。その補集合は他の弧状連結成分(開集合)の和なので開であり、P(x)P(x) は閉でもある。P(x)⊂C(x)P(x) \subset C(x) で、P(x)P(x) は連結集合 C(x)C(x) の空でない開かつ閉な部分集合(相対位相で)なので P(x)=C(x)P(x) = C(x)。□\square

系 6.24 Rn\mathbb{R}^n の開集合 UU について、UU が連結 ⇔\Leftrightarrow UU が弧状連結。

証明. UU は局所弧状連結(例 6.21)なので、定理 6.23 より連結なら(連結成分が 1 つなので)弧状連結成分も 1 つ。逆は命題 6.13。□\square

複素関数論で「領域」(連結開集合)を扱うとき、2 点を結ぶ道に沿った積分や一致の定理を使えるのはこの系による(複素関数論 第2章)。

6.7 応用と位相不変量

例 6.25(中間値の定理の応用)

  1. 不動点:連続写像 f ⁣:[0,1]→[0,1]f\colon [0, 1] \to [0, 1] は不動点をもつ。g(x)=f(x)−xg(x) = f(x) - x は g(0)≥0≥g(1)g(0) \geq 0 \geq g(1) をみたすので系 6.7 より零点をもつ。高次元版(ブラウワーの不動点定理)には代数的位相幾何学が必要である。
  2. 対蹠点:連続関数 f ⁣:S1→Rf\colon S^1 \to \mathbb{R} に対し、f(u)=f(−u)f(u) = f(-u) となる u∈S1u \in S^1 がある。g(u)=f(u)−f(−u)g(u) = f(u) - f(-u) は g(−u)=−g(u)g(-u) = -g(u) をみたすので、gg が 00 をとらなければ正の値と負の値の両方をとり、連結な S1S^1 上で系 6.7 に反する。「赤道上には、気温が真裏の地点と等しい地点が必ずある」という主張である。

定理 6.26 n≥2n \geq 2 のとき、R\mathbb{R} と Rn\mathbb{R}^n は同相でない。

証明. 同相写像 h ⁣:Rn→Rh\colon \mathbb{R}^n \to \mathbb{R} があったとし、p=h−1(0)p = h^{-1}(0) とおく。hh の制限は Rn∖{p}\mathbb{R}^n \setminus \lbrace p \rbrace から R∖{0}\mathbb{R} \setminus \lbrace 0 \rbrace への同相写像である。前者は Rn∖{0}\mathbb{R}^n \setminus \lbrace 0 \rbrace と同相(平行移動)で連結(例 6.14)、後者は連結でない(例 6.4)。定理 6.6 に反する。□\square

定理 6.27 [0,1][0, 1], [0,1)[0, 1), (0,1)(0, 1), S1S^1 はどの 2 つも同相でない。

証明. 連結空間 XX の点 xx で X∖{x}X \setminus \lbrace x \rbrace が連結でないものを切断点 (cut point) という。同相写像 hh は X∖{x}X \setminus \lbrace x \rbrace を Y∖{h(x)}Y \setminus \lbrace h(x) \rbrace に同相に写すので、切断点を切断点に写し、切断点でない点の個数は位相不変量である。定理 6.5 より、区間から内部の点を除くと連結でなく、端点を除くと区間のままで連結である。よって切断点でない点の個数は [0,1][0, 1] で 2、[0,1)[0, 1) で 1、(0,1)(0, 1) で 0。S1S^1 ではどの点 u=e(θ)u = e(\theta) を除いても、S1∖{u}=e((θ,θ+1))S^1 \setminus \lbrace u \rbrace = e((\theta, \theta + 1))(e(t)=(cos⁡2πt,sin⁡2πt)e(t) = (\cos 2\pi t, \sin 2\pi t))は区間の連続像なので連結であり、切断点でない点は無限個。よって 4 つとも異なる。□\square

例 6.28(文字の形)R2\mathbb{R}^2 の部分集合として、線分「—」、2 本の線分が中央で交わった十字「+」、線分の中点に別の線分の端点をつけた「T」、円周「O」を考える。「+」から交点を除くと連結成分が 4 つ、「T」から分岐点を除くと 3 つになるが、線分から 1 点を除いても成分は高々 2 つ、円周からは 1 つである。1 点を除いたときの連結成分の最大個数は位相不変量なので、4 つとも互いに同相でない。

位相不変量という考え方

同相写像で保たれる性質や量を位相不変量 (topological invariant) という。本科目で扱ったものに、連結性・連結成分の個数・弧状連結性・コンパクト性・ハウスドルフ性・第二可算性・切断点の個数などがある。2 つの空間が同相でないことを示すには、異なる値をとる位相不変量を見つければよい。

しかしこれらの素朴な不変量には限界がある。R2\mathbb{R}^2 と R3\mathbb{R}^3 はどちらも連結・局所コンパクト・第二可算で、1 点を除いても連結のままである。両者を区別するには、「R2∖{0}\mathbb{R}^2 \setminus \lbrace 0 \rbrace には縮められないループがあるが R3∖{0}\mathbb{R}^3 \setminus \lbrace 0 \rbrace にはない」という情報を捉える基本群(位相幾何学 第1章)や、さらにホモロジー群(位相幾何学 第5章)といった代数的な不変量が必要になる。これが代数的位相幾何学の出発点である。

まとめ

  • 連結とは開かつ閉な集合が ∅\emptyset と全体だけであること、同値に {0,1}\lbrace 0, 1 \rbrace への連続写像が定数だけであることである。
  • R\mathbb{R} の連結集合はちょうど区間であり、その証明は実数の連続性に基づく。
  • 連結性は連続像・共通点をもつ和集合・閉包・任意個の積で保たれる。連続像の連結性が中間値の定理の一般化である。
  • 弧状連結なら連結だが、逆は成り立たない(位相幾何学者の正弦曲線)。
  • 連結成分は閉集合で空間を分割するが、開とは限らない。弧状連結成分は閉とも限らない。局所弧状連結空間では両者は一致し、特に Rn\mathbb{R}^n の開集合では連結と弧状連結は同値である。
  • 連結性・切断点の個数などの位相不変量で R≇R2\mathbb{R} \not\cong \mathbb{R}^2、S1≇[0,1]S^1 \not\cong [0, 1] などが示せる。R2≇R3\mathbb{R}^2 \not\cong \mathbb{R}^3 にはより精密な代数的不変量が要る。

演習問題

問題 6.1 ★ A,B⊂XA, B \subset X が連結で A∩B‾≠∅A \cap \overline{B} \neq \emptyset ならば、A∪BA \cup B は連結であることを示せ。

解答

g ⁣:A∪B→{0,1}g\colon A \cup B \to \lbrace 0, 1 \rbrace を連続とする。gg は AA 上で定数 aa、BB 上で定数 bb。p∈A∩B‾p \in A \cap \overline{B} をとると、p∈A∪Bp \in A \cup B で、g−1(b)g^{-1}(b) は A∪BA \cup B の閉集合で BB を含むので、BB の A∪BA \cup B での閉包 B‾∩(A∪B)∋p\overline{B} \cap (A \cup B) \ni p を含む。よって a=g(p)=ba = g(p) = b で、gg は定数。

問題 6.2 ★ GL⁡n(R)\operatorname{GL}_n(\mathbb{R}) において {A∣det⁡A>0}\lbrace A \mid \det A > 0 \rbrace は開かつ閉であることを示し、GL⁡n(R)\operatorname{GL}_n(\mathbb{R}) が連結でないことを再確認せよ。

解答

det⁡\det は成分の多項式なので連続で、{det⁡>0}=det⁡−1((0,∞))\lbrace \det > 0 \rbrace = \det^{-1}((0, \infty)) は開。その補集合 {det⁡<0}\lbrace \det < 0 \rbrace も同様に開なので閉でもある。単位行列と diag⁡(−1,1,…,1)\operatorname{diag}(-1, 1, \dots, 1) を考えれば空でも全体でもない。命題 6.2 より連結でない。

問題 6.3 ★ X×YX \times Y(X,YX, Y は空でない)が連結ならば XX と YY は連結であることを示せ。

解答

射影 p1 ⁣:X×Y→Xp_1\colon X \times Y \to X は連続な全射なので、定理 6.6 より X=p1(X×Y)X = p_1(X \times Y) は連結。YY も同様。

問題 6.4 ★★ 2 点以上を含む連結な距離空間は非可算であることを示せ。

解答

x0≠x1x_0 \neq x_1 をとり、f(x)=d(x,x0)f(x) = d(x, x_0) とおく。ff は連続(例 1.28)なので f(X)f(X) は R\mathbb{R} の連結集合、すなわち区間で、0=f(x0)0 = f(x_0) と d(x1,x0)>0d(x_1, x_0) > 0 を含む。よって f(X)⊃[0,d(x1,x0)]f(X) \supset [0, d(x_1, x_0)] は非可算で、XX も非可算。

問題 6.5 ★★ S1S^1 は R\mathbb{R} のどの部分集合とも同相でないことを示せ。

解答

h ⁣:S1→A⊂Rh\colon S^1 \to A \subset \mathbb{R} を同相写像とすると、AA はコンパクト(定理 5.6)かつ連結(定理 6.6)なので有界閉区間 [a,b][a, b] である。S1S^1 は 1 点でないので a<ba < b。定理 6.27 より S1≇[a,b]S^1 \not\cong [a, b]([a,b]≅[0,1][a, b] \cong [0, 1])なので矛盾。

問題 6.6 ★★ くし形空間 C=([0,1]×{0})∪({0}×[0,1])∪⋃n∈N({1/n}×[0,1])C = ([0, 1] \times \lbrace 0 \rbrace) \cup (\lbrace 0 \rbrace \times [0, 1]) \cup \bigcup_{n \in \mathbb{N}} (\lbrace 1/n \rbrace \times [0, 1]) は弧状連結だが、局所連結でないことを示せ。

解答

(弧状連結)CC の各点は、それを含む縦の線分を下って底辺 [0,1]×{0}[0, 1] \times \lbrace 0 \rbrace に降り、底辺を通って他の点の縦線分に登ることで結べる(各部分は線分で、道の連結で結ぶ)。

(局所連結でない)点 p=(0,1/2)p = (0, 1/2) と開近傍 U=C∩B(p,1/4)U = C \cap B(p, 1/4) を考え、p∈V⊂Up \in V \subset U となる CC の開集合 VV はどれも連結でないことを示す。VV は pp の近傍なので、十分大きな nn について点 (1/n,1/2)(1/n, 1/2) を含む。1/(n+1)<c<1/n1/(n+1) < c < 1/n となる cc をとると、直線 x=cx = c と CC の共通部分は底辺の点 (c,0)(c, 0) だけで、UU の点の yy 座標は 1/41/4 より大きいので (c,0)∉V(c, 0) \notin V。よって {(x,y)∈V∣x<c}\lbrace (x, y) \in V \mid x < c \rbrace と {(x,y)∈V∣x>c}\lbrace (x, y) \in V \mid x > c \rbrace は VV を覆う交わらない開集合で、前者は pp を、後者は (1/n,1/2)(1/n, 1/2) を含む。したがって VV は連結でなく、pp は連結な開近傍からなる基本近傍系をもたない。

問題 6.7 ★★ Rn\mathbb{R}^n の開集合 UU の連結成分は開集合で、高々可算個であることを示せ。特に R\mathbb{R} の開集合は、互いに交わらない高々可算個の開区間の和集合であることを示せ。

解答

Rn\mathbb{R}^n は局所連結なので定理 6.22 より連結成分は開。各成分は空でない開集合なので Qn\mathbb{Q}^n の点を含み、成分は交わらないので、成分に含まれる有理点を 1 つ選ぶ写像は単射。よって成分は高々可算個。n=1n = 1 のとき、成分は R\mathbb{R} の連結な開集合、すなわち開区間(定理 6.5;区間で開なものは開区間・開半直線・R\mathbb{R})である。

問題 6.8 ★★ 位相幾何学者の正弦曲線 TT は局所連結でないことを示せ。

解答

点 p=(0,0)p = (0, 0) と開近傍 U=T∩B(p,1/2)U = T \cap B(p, 1/2) を考え、p∈V⊂Up \in V \subset U となる TT の開集合 VV はどれも連結でないことを示す。VV は pp の近傍なので、十分大きな kk について点 (1/(kπ),0)∈S(1/(k\pi), 0) \in S を含む。π/2+2mπ>kπ\pi/2 + 2m\pi > k\pi となる mm をとり c=1/(π/2+2mπ)c = 1/(\pi/2 + 2m\pi) とおくと、0<c<1/(kπ)0 < c < 1/(k\pi) で、直線 x=cx = c と TT の共通部分は 1 点 (c,1)(c, 1) だけであり、これは pp からの距離が 1 以上なので UU に属さない。よって {(x,y)∈V∣x<c}\lbrace (x, y) \in V \mid x < c \rbrace と {(x,y)∈V∣x>c}\lbrace (x, y) \in V \mid x > c \rbrace は VV を覆う交わらない開集合で、前者は pp を、後者は (1/(kπ),0)(1/(k\pi), 0) を含む。したがって VV は連結でなく、TT は pp で局所連結でない。

問題 6.9 ★★★ n≥2n \geq 2 とし、C⊂RnC \subset \mathbb{R}^n を可算集合とする。Rn∖C\mathbb{R}^n \setminus C は弧状連結であることを示せ。

解答

x≠y∈Rn∖Cx \neq y \in \mathbb{R}^n \setminus C をとる。x,yx, y を含む平面 Π\Pi(n≥2n \geq 2 なので存在する)と、Π\Pi 内での線分 [x,y][x, y] の垂直二等分線 ℓ\ell をとる。ℓ\ell は Π\Pi を 2 つの開半平面 Hx∋xH_x \ni x, Hy∋yH_y \ni y に分ける。z∈ℓz \in \ell ごとに折れ線 γz=[x,z]∪[z,y]\gamma_z = [x, z] \cup [z, y](x→z→yx \to z \to y という道)を考え、z≠z′z \neq z' なら γz∩γz′={x,y}\gamma_z \cap \gamma_{z'} = \lbrace x, y \rbrace であることを示す。[x,z]∖{z}⊂Hx[x, z] \setminus \lbrace z \rbrace \subset H_x、[z,y]∖{z}⊂Hy[z, y] \setminus \lbrace z \rbrace \subset H_y で Hx∩Hy=∅H_x \cap H_y = \emptyset なので、[x,z]∩[z′,y]=∅[x, z] \cap [z', y] = \emptyset である(z≠z′z \neq z' で z,z′∉Hx∪Hyz, z' \notin H_x \cup H_y)。また x∉ℓx \notin \ell なので、xx から出る半直線は ℓ\ell と高々 1 点で交わり、z≠z′z \neq z' なら [x,z][x, z] と [x,z′][x, z'] は異なる向きの線分で、xx 以外では交わらない。[z,y][z, y] と [z′,y][z', y] も同様。以上で主張が示された。

こうして、x,yx, y 以外では互いに交わらない道 γz\gamma_z が非可算個(ℓ\ell の点の個数だけ)得られた。CC の各点(x,yx, y とは異なる)は高々 1 本の γz\gamma_z にしか乗らないので、CC と交わる γz\gamma_z は高々可算個である。したがって CC と交わらない γz\gamma_z があり、それが Rn∖C\mathbb{R}^n \setminus C の中で xx と yy を結ぶ。

問題 6.10 ★★★ q ⁣:X→Yq\colon X \to Y を商写像とし、YY は連結、各ファイバー q−1(y)q^{-1}(y) は連結であるとする。XX は連結であることを示せ。

解答

U⊂XU \subset X を空でない開かつ閉な集合とする。各ファイバー q−1(y)q^{-1}(y) は連結なので、U∩q−1(y)U \cap q^{-1}(y) はファイバーの開かつ閉な部分集合であり、∅\emptyset かファイバー全体である。よって UU は飽和しており、U=q−1(q(U))U = q^{-1}(q(U))。同様に X∖UX \setminus U も飽和している。商位相の定義から q(U)q(U) と q(X∖U)=Y∖q(U)q(X \setminus U) = Y \setminus q(U) はともに開、したがって q(U)q(U) は YY の空でない開かつ閉な集合で、YY の連結性から q(U)=Yq(U) = Y、U=q−1(Y)=XU = q^{-1}(Y) = X。命題 6.2 より XX は連結。

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