Lemma数学ロードマップ

診断テスト 1 算数

この診断テストについて

  • 確かめること:小学校の算数(P1 算数の「なぜ」 の全 7 章)の要点がわかっているかを確かめます。計算の速さや正確さではなく、「なぜそうなるのか」を説明できるかを問います。
  • 目安時間:全 15 問(★ 12 問、★★ 3 問)で 90〜120 分。1 問 5〜10 分が目安です。何回かに分けて解いてもかまいません。
  • 合格の目安:15 問中 12 問以上(8 割)。
  • 採点のしかた:言葉づかいが解答例と違っていても、筋道が通っていれば正解です。小問のある問題は、すべての小問ができて 1 問と数えます。理由や説明を求める問題で、答え(数値)は合っているのに説明が書けなかったときは、0.5 問と数えます。
  • 結果の使い方:合格なら、ステージ 1 を飛ばして、ステージ 2 の P2 中学数学 へ進んでかまいません。届かなかったときも、P1 を最初から読み直す必要はありません。間違えた問題の解答の最後にある「戻る章」だけを読み、その問題を解き直してください。

保護者の方へ:この診断テストは、子どもに説明する前の自己点検にも使えます。多くの問題は、答えを出せるかではなく「子どもに説明できますか」を問うています。計算の答えだけで説明のない解答を半分(0.5 問)と数えるのはそのためです。説明に詰まった問題の章は、子どもに教える前に読んでおく価値があります。

問題

解答は、各問題の下の「解答」を開くと読めます。まず紙に自分の答えを書いてから開いてください。この診断テストの問題も、各章の演習問題と同じように経験値になります(経験値・レベル・バッジ)。

問題 1.1 ★ 【説明】 ひき算の筆算で、子どもが次のように答えました。

    4 0 3
  - 1 6 8
  -------
    2 4 5

(1) 正しい答えを求め、子どもがどこで何を間違えたと考えられるかを指摘してください。

(2) 繰り下がりのしくみを、100 円玉・10 円玉・1 円玉を使って、子どもにわかるように説明してください。

解答

(1) 正しい答えは 403−168=235403 - 168 = 235 です(検算:235+168=403235 + 168 = 403)。一の位は 3 から 8 がひけず、十の位は 0 なので、百の位から 1 を借りて十の位を 10 にし、そこから 1 を一の位に貸します。だから十の位は 9 になります。子どもは十の位を 10 のまま 10−6=410 - 6 = 4 と計算した、つまり一の位に貸した 1 を減らし忘れたと考えられます。答えがちょうど 10 大きいのはそのためです。

(2) 説明の例:「403 円は、100 円玉 4 枚と 1 円玉 3 枚。10 円玉はないね。1 円玉 8 枚が取れないから、100 円玉 1 枚を 10 円玉 10 枚に両替して、さらにその 10 円玉 1 枚を 1 円玉 10 枚に両替しよう。これで 100 円玉 3 枚、10 円玉 9 枚、1 円玉 13 枚。まだ 403 円のままだね。ここから 1 円玉 8 枚、10 円玉 6 枚、100 円玉 1 枚を取ると、残りは 235 円。」

筆算で 4 を 3 に、0 を 10 に、さらに 9 に書き直すのは、この両替の記録です。十の位の 0 は「10 円玉が 1 枚もない」ことを表すので、百の位から両替しなければならないのです。

戻る章:P1 第1章「数と位取り記数法」

問題 1.2 ★ 位取り記数法について答えてください。

(1) 「三千二十」を数字で書くと 3020 です。2 つの 0 はそれぞれ何を表していますか。また、0 を書かずに 32 と書いてはいけないのはなぜですか。

(2) 1 億は 1 万の何倍ですか。

(3) 2 進法(2 つ集まるごとに次の位に進む記数法)で 1011 と書かれた数は、10 進法ではいくつですか。10 進法の位取りと比べながら説明してください。

解答

(1) 3020 は「1000 が 3 つ、100 が 0、10 が 2 つ、1 が 0」です。百の位の 0 は 100 のまとまりが、一の位の 0 はばらが 1 つもないことを表します。数字が表す大きさは置かれている位で決まるので、0 を省いて 32 と書くと「三十二」になってしまいます。0 は空いている位を示し、ほかの数字を正しい位に置く役目をもっています。

(2) 1 万倍です(10000×10000=10000000010000 \times 10000 = 100000000)。日本語の数の名前は、一・十・百・千のくり返しが 4 けたごとに万・億・兆と変わります。大きな数を 4 けたごとに区切って読むのはこのためです。

(3) 11 です。位の大きさは、10 進法では右から 1, 10, 100, … と 10 倍ずつ、2 進法では 1, 2, 4, 8, … と 2 倍ずつになります。2 進法の 1011 は「8 が 1 つ、4 が 0、2 が 1 つ、1 が 1 つ」なので 8+2+1=118 + 2 + 1 = 11 です。10 進法では 10 集まると繰り上がるように、2 進法では 2 集まると繰り上がるので、2 進法の「10」は 2 を表します。

戻る章:P1 第1章「数と位取り記数法」

問題 1.3 ★ 【説明】 わり算について答えてください。

(1) 式が 12÷312 \div 3 になる文章題を、(a) 1 つ分の大きさを求める場面(等分除)と、(b) いくつ分かを求める場面(包含除)で 1 つずつ作り、それぞれの答えの 4 が何を表しているかを答えてください。

(2) 子どもに「6÷06 \div 0 の答えは 0 じゃないの?」と聞かれました。6÷06 \div 0 の答えを決められない理由を、かけ算とわり算の関係を使って説明してください。0÷00 \div 0 ではどうでしょうか。

解答

(1) 例を示します。

  • (a) 「12 個のあめを、3 人で同じ数ずつ分けます。1 人分は何個ですか。」答えの 4 は 1 人分の個数(1 つ分の大きさ)です。
  • (b) 「12 個のあめを、1 人に 3 個ずつ配ります。何人に配れますか。」答えの 4 は 配れる人数(いくつ分)です。

「1 つ分の大きさ × いくつ分 = 全体」で見ると、(a) は □ × 3 = 12 の □ を、(b) は 3 × □ = 12 の □ を求めています。交換法則により、どちらの □ も 3 の段の九九で見つかるので、同じ 12÷312 \div 3 で計算できるのです。

(2) わり算はかけ算の逆で、6÷06 \div 0 の答えは「□ × 0 = 6 となる □」のことです。どんな数に 0 をかけても 0 になり、6 にはならないので、当てはまる数はありません。「答えは 0」とすると、確かめの 0×00 \times 0 が 6 になりません。

0÷00 \div 0 の答えは「□ × 0 = 0 となる □」で、今度はどんな数でも当てはまってしまい、1 つに決まりません。どちらの場合も答えがただ 1 つに決まらないので、0 でわることは考えない約束にしています(0÷6=00 \div 6 = 0 は問題ありません)。

戻る章:P1 第2章「かけ算とわり算の意味」

問題 1.4 ★ 【説明】23×1423 \times 14 を筆算で計算した子どもが、2 段目を 1 けた左にずらさずに書いて、次のように答えました。

      2 3
    × 1 4
    -----
      9 2
      2 3
    -----
    1 1 5

2 段目の「23」は本当は何を表しているのかを、縦 14 マス・横 23 マスの長方形の図(面積図)を使って子どもにわかるように説明し、正しい答えを求めてください。

解答

正しい答えは 322 です。縦 14 マス・横 23 マスの長方形を、上の縦 4 マスの部分と下の縦 10 マスの部分に分けます。

          23
     +-----------+
   4 |  23 × 4   |  =  92   ← 1 段目
     +-----------+
     |           |
  10 |  23 × 10  |  = 230   ← 2 段目
     |           |
     +-----------+

2 段目の「23」は、14 の十の位の 1、すなわち 10 を 23 にかけた 230 を表しています。一の位の 0 を書くのを省いているので、1 けた左にずらして書くのです。式で書けば、分配法則

23×14=23×(4+10)=23×4+23×10=92+230=32223 \times 14 = 23 \times (4 + 10) = 23 \times 4 + 23 \times 10 = 92 + 230 = 322

そのものです。子どもの 115 は 23×523 \times 5 を計算したことになります。「23×10=23023 \times 10 = 230 より大きいはず」と見積もる習慣があれば、すぐに誤りに気づけます。

戻る章:P1 第2章「かけ算とわり算の意味」、分配法則は第3章「計算のきまりと整数の性質」(P1 算数の「なぜ」)

問題 1.5 ★ 【説明】 「各位の数字の和が 3 の倍数ならば、もとの数も 3 の倍数である」という見分け方があります。

(1) この見分け方で、372 が 3 の倍数かどうかを判定してください。

(2) この見分け方が正しい理由を、372 を例にして、文字を使わずに説明してください。

(3) 「各位の数字の和が 4 の倍数ならば、もとの数も 4 の倍数である」は正しいですか。

解答

(1) 3+7+2=123 + 7 + 2 = 12 は 3 の倍数なので、372 は 3 の倍数です(実際 372=3×124372 = 3 \times 124)。

(2) 372 は「100 が 3 つ、10 が 7 つ、1 が 2 つ」です。100 を 99+199 + 1、10 を 9+19 + 1 と分けると

372=(99+1)×3+(9+1)×7+2=(99×3+9×7)+(3+7+2)372 = (99 + 1) \times 3 + (9 + 1) \times 7 + 2 = (99 \times 3 + 9 \times 7) + (3 + 7 + 2)

となります。99 も 9 も 3 の倍数なので、前のかっこの部分は 3 の倍数です。したがって、372 が 3 の倍数かどうかは、各位の数字の和 3+7+23 + 7 + 2 が 3 の倍数かどうかだけで決まります。

子どもには、おはじきで説明できます:「100 個のたばも 10 個のたばも、3 個ずつ取っていくと 1 個あまるね。だから、たば 1 つにつき 1 個ずつ(3+73 + 7 個)と、ばらの 2 個を合わせた 12 個が、3 個ずつに分けられるかを調べればいいんだ。」99 も 9 も 9 の倍数なので、9 の倍数の見分け方も同じ理由で成り立ちます。

(3) 正しくありません。反例は 13 です(1+3=41 + 3 = 4 ですが、13 は 4 の倍数ではありません)。(2) の説明が使えたのは 9 や 99 が 3 の倍数だからで、9 や 99 は 4 の倍数ではないので、4 では同じ説明が成り立たないのです。

戻る章:P1 第3章「計算のきまりと整数の性質」

問題 1.6 ★ 縦 12 cm、横 18 cm の長方形について答えてください。

(1) この長方形の紙を、同じ大きさの正方形に、余りが出ないように切り分けます。正方形をできるだけ大きくするとき、1 辺は何 cm で、何枚できますか。

(2) この長方形のカードを同じ向きにすき間なく並べて、正方形を作ります。いちばん小さい正方形の 1 辺は何 cm で、カードは何枚いりますか。

(3) (1) と (2) の一方では公約数を、もう一方では公倍数を使います。どちらでどちらを使うのかを、理由とともに説明してください。

解答

(1) 1 辺 6 cm の正方形が 6 枚できます。正方形の 1 辺は、縦の 12 cm も横の 18 cm もちょうど区切れる長さ、つまり 12 と 18 の公約数(1, 2, 3, 6)で、そのうち最大の 6 が答えです。縦に 2 個、横に 3 個並ぶので 6 枚です。

(2) 1 辺 36 cm の正方形で、カードは 6 枚いります。カードを縦に積んだ高さは 12 の倍数、横に並べた幅は 18 の倍数にしかならないので、正方形の 1 辺は 12 と 18 の公倍数で、いちばん小さいのは 36 です。縦に 3 枚、横に 2 枚で 6 枚です。

(3) (1) は大きな長方形を小さな正方形に「分ける」問題で、正方形の 1 辺は 12 と 18 の両方をわり切る数、つまり公約数です。(2) は小さなカードを「集めて」大きな正方形を作る問題で、正方形の 1 辺は 12 でも 18 でもわり切れる数、つまり公倍数です。求める長さが 12 cm や 18 cm より短くなるか長くなるかを考えると、取り違えを防げます。

戻る章:P1 第3章「計算のきまりと整数の性質」

問題 1.7 ★ 小数のかけ算・わり算について答えてください。

(1) 1 kg あたり 1500 円のお肉を 0.6 kg 買います。子どもが「0.6 kg は 1 kg より少ないから、代金は 1500 円より安いはず。かけ算をすると大きくなるから、ここはわり算で 1500÷0.61500 \div 0.6 だ」と言いました。正しい式と答えを示し、この考えのどこが誤りかを説明してください。

(2) 7.4÷0.37.4 \div 0.3 の商を一の位まで求めて、あまりも出す筆算で、子どもが「24 あまり 2」と答えました。正しいあまりを求め、なぜそうなるのかを説明してください。

解答

(1) 正しい式は 1500×0.61500 \times 0.6 で、代金は 900 円です。2 kg なら 1500×21500 \times 2 円、3 kg なら 1500×31500 \times 3 円で、「1 kg あたりの値段 × 量」という関係は、量が小数になっても変わりません。「1500 円より安いはず」という見当は正しく、900 円はそれに合います。一方、子どもの式では 1500÷0.6=25001500 \div 0.6 = 2500 円となり、自分の見当とも矛盾します。

誤りは「かけ算をすると大きくなる」という思い込みです。大きくなるのは、かける数が 1 より大きいときだけです(整数でも、×1\times 1 では変わらず、×0\times 0 では 0 になります)。0.1 kg が 150 円で、その 6 つ分が 900 円、と考えると意味がわかります。

(2) 正しくは「24 あまり 0.2」です。確かめると 0.3×24+0.2=7.40.3 \times 24 + 0.2 = 7.4 で合いますが、「あまり 2」では 0.3×24+2=9.20.3 \times 24 + 2 = 9.2 になってしまいます。

筆算では、両方の小数点を右に 1 けた移して 74÷374 \div 3 を計算します。わられる数とわる数を同じように 10 倍しても商は変わりませんが、あまりは 10 倍されたままです。0.1 を単位にすると、7.4 は 0.1 が 74 個で、それを 3 個ずつ取ると 24 回取れて、0.1 が 2 個、つまり 0.2 があまります。あまりの小数点は、もとのわられる数の小数点にそろえて打ちます。

戻る章:P1 第4章「分数と小数」

問題 1.8 ★ 【説明】 子どもが 13+14=27\displaystyle \frac{1}{3} + \frac{1}{4} = \frac{2}{7} と計算しました。

(1) 計算し直さなくても、この答えがおかしいとわかる理由を述べてください。

(2) 正しい答えを求め、分数のたし算で分母をそろえる(通分する)必要がある理由を、図を使って子どもに説明してください。

解答

(1) 13\displaystyle \frac{1}{3} にさらに 14\displaystyle \frac{1}{4} をたしたのだから、答えは 13\displaystyle \frac{1}{3} より大きくなるはずです。ところが 27\displaystyle \frac{2}{7} は 13\displaystyle \frac{1}{3} より小さい(27=621\displaystyle \frac{2}{7} = \frac{6}{21}、13=721\displaystyle \frac{1}{3} = \frac{7}{21})ので、おかしいとわかります。

(2) 正しくは 13+14=412+312=712\displaystyle \frac{1}{3} + \frac{1}{4} = \frac{4}{12} + \frac{3}{12} = \frac{7}{12} です。

説明の例:「13\displaystyle \frac{1}{3} は、1 を 3 つに等しく分けた 1 つ分。14\displaystyle \frac{1}{4} は、4 つに分けた 1 つ分。大きさが違うから、『1 つと 1 つで 2 つ』とは数えられないね。どちらも同じ大きさで数えられるように、1 を 12 に分けてみよう。」

1/3        ■■■■□□□□□□□□
1/4        ■■■□□□□□□□□□
1/3+1/4    ■■■■■■■□□□□□

「13\displaystyle \frac{1}{3} は 12 に分けた 4 つ分、14\displaystyle \frac{1}{4} は 3 つ分。合わせて 7 つ分だから 712\displaystyle \frac{7}{12} だよ。」

分数のたし算は、同じ大きさの 1 つ分(単位分数)がいくつあるかを数える計算です。通分は数える単位をそろえることで、「3 m と 20 cm をたすときは単位をそろえる」のと同じ考え方です。なお、分母どうし・分子どうしをたす計算は、「シュートが 3 回中 1 回と 4 回中 1 回入ったので、合わせて 7 回中 2 回」のような場面では意味をもちます。子どもの誤りは、分数をこの「いくつのうちのいくつ」という意味で見ていることから来ている場合があります。

戻る章:P1 第4章「分数と小数」

問題 1.9 ★★ 【説明】 「長さ 34\displaystyle \frac{3}{4} m で、重さが 56\displaystyle \frac{5}{6} kg の鉄の棒があります。この棒 1 m の重さは何 kg ですか。」

(1) 式と答えを書いてください。

(2) 分数のわり算では、なぜわる数の分母と分子を入れかえて(逆数にして)かけるのでしょうか。この問題に即して、子どもに説明するつもりで、2 通りの方法で説明してください。

解答

(1) 1 m あたりの重さは「重さ ÷ 長さ」なので、56÷34=56×43=2018=109\displaystyle \frac{5}{6} \div \frac{3}{4} = \frac{5}{6} \times \frac{4}{3} = \frac{20}{18} = \frac{10}{9} で、答えは 109\displaystyle \frac{10}{9} kg(119\displaystyle 1\frac{1}{9} kg)です。「2 m で 6 kg なら、1 m では 6÷2=36 \div 2 = 3 kg」と同じ形の式です。

(2) 次のうち 2 つが書けていれば十分です。

説明 1(1 m に戻して考える):34\displaystyle \frac{3}{4} m は 14\displaystyle \frac{1}{4} m の 3 つ分なので、14\displaystyle \frac{1}{4} m の重さは 56÷3=518\displaystyle \frac{5}{6} \div 3 = \frac{5}{18} kg です。1 m は 14\displaystyle \frac{1}{4} m の 4 つ分なので、1 m の重さは 518×4=2018=109\displaystyle \frac{5}{18} \times 4 = \frac{20}{18} = \frac{10}{9} kg です。まとめると

56÷34=56÷3×4=5×46×3=56×43\frac{5}{6} \div \frac{3}{4} = \frac{5}{6} \div 3 \times 4 = \frac{5 \times 4}{6 \times 3} = \frac{5}{6} \times \frac{4}{3}

で、「わる数の分子の 3 でわり、分母の 4 をかける」ことが、43\displaystyle \frac{4}{3} をかけることになっています。長さと重さの 2 本の数直線を上下にかいて対応させると、子どもに伝わりやすくなります。

説明 2(わり算の性質):わられる数とわる数に同じ数をかけても商は変わりません(6÷2=12÷46 \div 2 = 12 \div 4 など)。わる数を 1 にするために、両方に 43\displaystyle \frac{4}{3} をかけると

56÷34=(56×43)÷(34×43)=(56×43)÷1=56×43\frac{5}{6} \div \frac{3}{4} = \left( \frac{5}{6} \times \frac{4}{3} \right) \div \left( \frac{3}{4} \times \frac{4}{3} \right) = \left( \frac{5}{6} \times \frac{4}{3} \right) \div 1 = \frac{5}{6} \times \frac{4}{3}

です。

説明 3(通分する):通分すると 1012÷912\displaystyle \frac{10}{12} \div \frac{9}{12} で、112\displaystyle \frac{1}{12} を単位にすれば 10 個 ÷ 9 個なので、10÷9=109\displaystyle 10 \div 9 = \frac{10}{9} です。

説明 4(かけ算の逆):答えは「□ × 34\displaystyle \frac{3}{4} = 56\displaystyle \frac{5}{6} となる □」で、34\displaystyle \frac{3}{4} をかける前に戻すには逆数の 43\displaystyle \frac{4}{3} をかければよいので、□ = 56×43\displaystyle \frac{5}{6} \times \frac{4}{3} です。

戻る章:P1 第4章「分数と小数」

問題 1.10 ★★ 分数と小数の関係について答えてください。

(1) 次の 4 つの分数のうち、小数で表すと有限小数(どこかで終わる小数)になるものをすべて選んでください。また、わり算をせずに見分ける方法と、その理由を説明してください。

38,712,615,514\frac{3}{8}, \qquad \frac{7}{12}, \qquad \frac{6}{15}, \qquad \frac{5}{14}

(2) 「0.999…0.999\ldots(9 が限りなく続く小数)は、1 よりほんの少しだけ小さい数だ」という意見に、どう答えますか。

解答

(1) 有限小数になるのは 38=0.375\displaystyle \frac{3}{8} = 0.375 と 615=0.4\displaystyle \frac{6}{15} = 0.4 です。712=0.58333…\displaystyle \frac{7}{12} = 0.58333\ldots と 514=0.3571428571…\displaystyle \frac{5}{14} = 0.3571428571\ldots は循環小数です。

見分け方:約分してから分母を素数のかけ算に分解し、現れる素数が 2 と 5 だけなら有限小数、3 や 7 などが入っていれば循環小数です。8=2×2×28 = 2 \times 2 \times 2、12=2×2×312 = 2 \times 2 \times 3、14=2×714 = 2 \times 7 です。615\displaystyle \frac{6}{15} は約分すると 25\displaystyle \frac{2}{5} になるので、約分前の 15 に 3 が入っていることに惑わされてはいけません。

理由:有限小数は、分母が 10, 100, 1000, … の分数で書ける数で、10=2×510 = 2 \times 5 です。分母が 2 と 5 だけでできていれば、分母と分子に 2 や 5 を補ってかけて、分母を 10, 100, 1000, … にできます(38=3×1258×125=3751000\displaystyle \frac{3}{8} = \frac{3 \times 125}{8 \times 125} = \frac{375}{1000})。逆に、約分しきった分数の分母に 3 や 7 が入っていると、分母をそのような形にはできません(大人向けに言うと、たとえば pq=N1000\displaystyle \frac{p}{q} = \frac{N}{1000} なら p×1000=N×qp \times 1000 = N \times q です。qq の素因数はどれも p×1000p \times 1000 をわり切り、pp はわり切らないので 1000 をわり切ります。つまり 2 か 5 です)。

(2) この意見は正しくなく、0.999…0.999\ldots は 1 とちょうど等しい数です。

  • 13=0.333…\displaystyle \frac{1}{3} = 0.333\ldots の両辺を 3 倍すると、1=0.999…1 = 0.999\ldots です。
  • 0.999…0.999\ldots は 0.9, 0.99, 0.999, … のどれよりも小さくないので、1 との差は 0.1, 0.01, 0.001, … のどれよりも大きくありません。差が 0 より大きいとすると、9 を十分たくさん並べたところで差がそれより小さくなってしまうので、差は 0 しかありえません。

「ほんの少し小さい」と感じるのは、0.999…0.999\ldots を「9 を書き足している途中」と見ているからです。0.999…0.999\ldots は、0.9, 0.99, 0.999, … が限りなく近づいていく先の1 つの数を表します。12=24\displaystyle \frac{1}{2} = \frac{2}{4} と同じように、同じ数に 2 通りの書き方があるだけです。

戻る章:P1 第4章「分数と小数」

問題 1.11 ★ 割合について答えてください。

(1) ある品物が、定価の 20% 引きの 1600 円で売られていました。子どもが「定価は 1600×1.2=19201600 \times 1.2 = 1920 円」と答えました。正しい定価を求め、この考え方の誤りを説明してください。

(2) 定価 5000 円の品物を 20% 引きにし、売れ残ったので、その値段からさらに 20% 引きにしました。最終的な値段は、定価の何 % 引きですか。

解答

(1) 正しい定価は 2000 円です。20% 引きの値段は、定価を 1 とみたときの 0.8 にあたるので「定価 × 0.8 = 1600 円」で、定価は 1600÷0.8=20001600 \div 0.8 = 2000 円です(確かめ:2000 円の 20% は 400 円で、2000−400=16002000 - 400 = 1600)。

「20%」は定価をもとにした割合です。1600×1.21600 \times 1.2 は 1600 円をもとにして 20% 増やす計算なので、もとにする量がずれています(1920 円の 20% 引きは 1536 円で、1600 円になりません)。まず「何をもとにする量(1)とみるか」を決め、図に「定価 → ×0.8 → 1600 円」と書き込むと、わり算でもとに戻ればよいことが見えます。

(2) 36% 引きです。5000×0.8=40005000 \times 0.8 = 4000 円、4000×0.8=32004000 \times 0.8 = 3200 円で、3200÷5000=0.643200 \div 5000 = 0.64、つまり定価の 64% です。40% 引きにならないのは、2 回目の 20% が 4000 円をもとにした割合で、値引きが 800 円だからです。割合を続けて使うときは、0.8×0.8=0.640.8 \times 0.8 = 0.64 のようにかけ算で組み合わせます。

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問題 1.12 ★ 次の (a)〜(d) のうち、yy が xx に比例するものはどれですか。

  • (a) 1 本 80 円の鉛筆を xx 本買ったときの代金 yy 円
  • (b) 姉は弟より 4 歳年上です。弟が xx 歳のときの姉の年齢 yy 歳
  • (c) 面積が 24 cm² の長方形の、縦の長さ xx cm と横の長さ yy cm
  • (d) 1 辺が xx cm の正方形の面積 yy cm²

また、「xx が増えると yy も増えるから、yy は xx に比例する」という説明は、なぜ正しくないのでしょうか。

解答

比例するのは (a) だけです。比例とは、「xx が 2 倍、3 倍、… になると、yy も 2 倍、3 倍、… になる」関係、言いかえると「yy = 決まった数 × xx」と表せる関係です。

  • (a) y=80×xy = 80 \times x です。xx が 1, 2, 3 のとき yy は 80, 160, 240 です。
  • (b) y=x+4y = x + 4 です。xx が 2 から 4 へ 2 倍になっても、yy は 6 から 8 で 2 倍になりません。一定なのは差(y−x=4y - x = 4)です。
  • (c) x×y=24x \times y = 24 です。xx が 2 倍になると yy は 12\displaystyle \frac{1}{2} 倍になります。これは反比例です。
  • (d) y=x×xy = x \times x です。xx が 2 倍になると yy は 4 倍になります(中学校では「yy は xx の 2 乗に比例する」と言い、別の関数として学びます)。

(b) も (d) も「xx が増えると yy も増える」のに比例ではありません。比例は「増える」ことだけでなく、「どのように増えるか」(2 倍なら 2 倍)まで決める関係です。比例のときは xx が 0 なら yy も 0 で、グラフは 0 の点を通る直線になります。

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問題 1.13 ★ 【説明】 面積について答えてください。

(1) 底辺 6 cm、高さ 4 cm で、ななめの辺の長さが 5 cm の平行四辺形の面積を、子どもが「6×5=306 \times 5 = 30 cm²」と答えました。正しい面積を求め、平行四辺形の面積が「底辺 × 高さ」で求められる理由を説明してください。

(2) 1 m² は何 cm² ですか。「100 cm²」と答えた子どもに、どう説明しますか。

解答

(1) 正しい面積は 6×4=246 \times 4 = 24 cm² です。上の辺の端の頂点から底辺に垂直な線を下ろし、切り取った直角三角形を反対側に移すと、縦 4 cm(高さ)、横 6 cm(底辺)の長方形になります。切って動かしただけなので、面積は変わりません。面積とは「1 cm² の正方形が何個分あるか」で、長方形にすればその個数を「縦 × 横」で数えられるのです。

6×56 \times 5 が誤りであることは、辺の長さを変えずに平行四辺形をだんだんななめに倒していくと考えるとわかります。辺はずっと 6 cm と 5 cm なのに、面積はどんどん小さくなります(最後はぺしゃんこで 0 です)。面積は辺の長さではなく、高さで決まるのです。

(2) 1 m² は 10000 cm² です。説明の例:「1 m² は、1 辺 1 m の正方形の広さだね。1 m は 100 cm だから、1 辺 1 cm の正方形が横に 100 個並び、それが縦に 100 列ある。全部で 100×100=10000100 \times 100 = 10000 個だよ。」1 m = 100 cm を面積にそのまま使ったのが誤りで、面積は縦と横の両方が 100 倍になります。同じ考えで、1 L(1 辺 10 cm の立方体)は 10×10×10=100010 \times 10 \times 10 = 1000 cm³ です。

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問題 1.14 ★★ 【説明】 円について答えてください。

(1) 円周率とは何ですか。「円周率は 3.14 です」という言い方は、どこが正確ではないでしょうか。

(2) 円の面積が「半径 × 半径 × 円周率」で求められる理由を、円を細かく等分して並べかえる方法で説明してください。

解答

(1) 円周率は「円周の長さ ÷ 直径」の値です。円はどれも互いに拡大図・縮図の関係にあるので、直径が 2 倍になれば円周も 2 倍になり、この値はどの円でも同じになります。その値は 3.14159… と小数がどこまでも続き、くり返しもしない数(無理数)であることが知られています。3.14 は円周率そのものではなく、小学校の計算で使う近似値です。「円周率は 3.14」とだけ覚えていると、「どの円でも、円周 ÷ 直径が同じ値になる」という意味が抜け落ちてしまいます。

(2) 説明の例:円を 16 個、32 個、… の同じ形のおうぎ形に等分し、上向きと下向きを交互にして横に並べると、平行四辺形のような形になります。上の辺と下の辺には、おうぎ形の弧が半分ずつ並ぶので、長さはそれぞれ円周の半分、つまり(直径 × 円周率)÷ 2 = 半径 × 円周率 です。高さは円の半径です。細かく分けるほど、この形は縦が半径、横が「半径 × 円周率」の長方形に近づきます。並べかえても面積は変わらないので、円の面積 = 半径 × 半径 × 円周率 となります。

大人向けの注意:何等分しても、ぴったり長方形にはなりません。「いくらでも長方形に近づくので、面積はその長方形の面積に等しい」と考えるところに極限の考え方が使われていて、これを正確にしたのが積分です。

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問題 1.15 ★ データと場合の数について答えてください。

(1) 9 人が 1 か月に読んだ本の冊数を調べたところ、次のようになりました。

0, 1, 1, 2, 2, 3, 3, 4, 20(冊)

平均値は 4 冊です。「平均が 4 冊だから、半分くらいの人は 4 冊以上読んでいる」という意見は正しいですか。中央値を求めて説明してください。

(2) A, B, C, D, E の 5 人から、委員長と副委員長を 1 人ずつ選ぶ選び方は何通りですか。また、5 人から 2 人の当番を選ぶ選び方は何通りですか。後者が前者のちょうど半分になる理由も説明してください。

解答

(1) 正しくありません。中央値は、小さい順に並べたときに真ん中(9 人なので 5 番目)にくる値で、2 冊です。4 冊以上読んだのは 2 人だけです。平均値は「全員の冊数をならして同じにしたときの 1 人分」(36 冊 ÷ 9 人)なので、20 冊という飛びぬけた値に引っぱられて大きくなっています。「真ん中くらいの人がどのくらいか」を知りたいときは、中央値のほうが適しています。

(2) 委員長と副委員長の選び方は 20 通り、2 人の当番の選び方は 10 通りです。委員長の選び方が 5 通りあり、そのそれぞれについて副委員長は残りの 4 人から選ぶので、5×4=205 \times 4 = 20 通りです(樹形図では、枝が 5 本に分かれ、それぞれがさらに 4 本に分かれます)。

当番の場合は、「委員長 A・副委員長 B」と「委員長 B・副委員長 A」が、どちらも「A と B の 2 人」という同じ選び方になります。どの 2 人の組も 20 通りの中で 2 回ずつ数えられているので、20÷2=1020 \div 2 = 10 通りです(AB, AC, AD, AE, BC, BD, BE, CD, CE, DE)。「順番を区別するかどうか」を最初に確かめることが、落ちや重なりなく数える鍵です。

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結果の見かた

問題 確かめること 戻る章(P1)
1.1 繰り下がりのしくみ 第1章「数と位取り記数法」
1.2 位取り記数法と 0 の役割、2 進法 第1章「数と位取り記数法」
1.3 わり算の 2 つの意味、0 でわれない理由 第2章「かけ算とわり算の意味」
1.4 かけ算の筆算のしくみ 第2章「かけ算とわり算の意味」(第3章も)
1.5 3 の倍数の見分け方の理由 第3章「計算のきまりと整数の性質」
1.6 公約数と公倍数の使い分け 第3章「計算のきまりと整数の性質」
1.7 小数のかけ算・わり算の意味 第4章「分数と小数」
1.8 分数のたし算と通分 第4章「分数と小数」
1.9 分数のわり算の理由 第4章「分数と小数」
1.10 有限小数になる条件、0.999…=10.999\ldots = 1 第4章「分数と小数」
1.11 割合(もとにする量) 第5章「割合・比・比例」
1.12 比例の意味 第5章「割合・比・比例」
1.13 面積の意味と単位 第6章「図形と量」
1.14 円周率と円の面積 第6章「図形と量」
1.15 代表値、場合の数 第7章「データの活用と場合の数」

P1 の各章は P1 算数の「なぜ」 の章立てから開けます(第4章は こちら)。

Web 版では、自己採点で「解けた」にした問題の数から合否がページの最後に表示されます。0.5 問と数える問題は「ヒントで解けた」にしておくと、少し厳しめの判定になります。


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