診断テスト 2 中学数学
この診断テストについて
- 確かめること:中学校の数学(P2 中学数学 の全 8 章)の要点がわかっているかを確かめます。負の数・文字式・方程式・関数・図形の証明・確率など、数学が「算数」から姿を変える場面で、なぜそうなるのかを説明できるかを問います。計算の速さは問いません。
- 目安時間:全 15 問(★ 9 問、★★ 6 問)で 120 分程度。1 問 5〜10 分が目安です。何回かに分けて解いてもかまいません。
- 合格の目安:15 問中 12 問以上(8 割)。
- 採点のしかた:証明や説明は、筋道が通っていれば解答例と違う方法でも正解です。小問のある問題は、すべての小問ができて 1 問と数えます。答えは合っているのに理由や証明が書けなかったときは、0.5 問と数えます。
- 結果の使い方:合格なら、ステージ 2 を飛ばして、ステージ 3(P3〜P6 の高校数学)へ進んでかまいません。届かなかったときも、P2 を最初から読み直す必要はありません。間違えた問題の解答の最後にある「戻る章」だけを読み、その問題を解き直してください。
問題
解答は、各問題の下の「解答」を開くと読めます。まず紙に自分の答えを書いてから開いてください。この診断テストの問題も、各章の演習問題と同じように経験値になります(経験値・レベル・バッジ)。
問題 2.1 ★★ 【説明】 中学生の子に「負の数の計算のきまりは、どうしてそうなるの?」と聞かれました。
(1) となる理由を説明してください。
(2) となる理由を、2 通りの方法で説明してください。
解答
(1) ひき算はたし算の逆なので、 は「 をたすと 5 になる数」です。 をたすと 3 減るので、その数は 5 より 3 大きい 8 です。数直線で見ると、 は「 から まで、どちら向きにどれだけ進むか」を表し、 から 5 までは正の向きに 8 進みます。まとめると「負の数をひくことは、その反対の数をたすこと」()です(3 万円の借金を帳消しにしてもらうのは、3 万円もらうのと同じ、というたとえも使えます)。
(2) 次のうち 2 つが書けていれば十分です。
説明 1(きまりを延ばす):かける数を 1 ずつ減らしていくと、、、 と、積は 3 ずつ増えていきます。このきまりが、かける数が負になっても続くとすれば、、 です。
説明 2(分配法則):分配法則が負の数でも成り立つようにすると
です。 なので、 は「 にたすと 0 になる数」、つまり 6 でなければなりません。
説明 3(数直線上の動き):東向きを正、今の時刻を 0 とし、西へ毎時 3 km で進む人を考えます。向きをこめた速さは毎時 km です。2 時間前(時刻 )には、今の場所から東へ 6 km の地点にいました。「位置 = 速さ × 時間」にあてはめると です。
説明 2 は、分配法則などの計算のきまりを負の数でも保とうとすると、「負 × 負 = 正」と決めるしかないことを示しています。この考え方は、大学の代数学で環の公理として整理されます(04 代数学 第5章)。
戻る章:P2 第1章「正負の数」(P2 中学数学)
問題 2.2 ★ 【説明】 十の位の数字も一の位の数字も 0 でない 2 けたの自然数から、その十の位の数字と一の位の数字を入れかえた数をひくと、差は必ず 9 の倍数になります(例:)。
(1) このことを、文字式を使って説明してください。
(2) ある生徒は「もとの数を 、入れかえた数を と表すと、 だから……」と書き始めて、行き詰まりました。どこがまずいのかを、この生徒にわかるように説明してください。
解答
(1) もとの数の十の位の数字を 、一の位の数字を とします(, は 1 から 9 までの整数)。もとの数は 、入れかえた数は と表せるので
です。 は整数なので、 は 9 の倍数です( なら差は負ですが、たとえば で、やはり 9 の倍数です)。いくつかの例で確かめるだけでは、すべての場合に成り立つことはわかりません。文字を使うと、81 通りすべての場合を一度に説明できます。
(2) 文字式では は を表します。そのため と はいつも等しく、 になってしまいますが、これは 2 けたの数の差ではありません。十の位が 、一の位が の数は「10 が 個と 1 が 個」なので、 と表します。これは、算数の位取り記数法をそのまま式にしたものです。
戻る章:P2 第2章「文字式と方程式」(P2 中学数学)
問題 2.3 ★ 方程式について答えてください。
(1) 方程式 を解くとき、 や を符号を変えて反対側の辺に移す(移項する)ことができるのはなぜですか。等式の性質を使って説明し、解を求めてください。
(2) 方程式 を解くために、ある生徒は両辺に 6 をかけて とし、 と答えました。誤りを指摘し、正しく解いてください。
(3) 連立方程式 、 を加減法で解こうとすると、どうなりますか。その結果は何を意味しますか。
解答
(1) 等式には「両辺に同じ数をたしても、両辺から同じ数をひいても、等式は成り立つ」という性質があります(両辺に同じ数をかけても、0 でない同じ数でわっても成り立ちます)。 の両辺から 5 をひくと 、さらに両辺から をひくと です。結果だけを見ると、 が に、 が になって反対側の辺に移っています。つまり移項は、「両辺から同じものをひく(たす)」操作を短く書いたものです。解は です(確かめ:両辺とも )。
(2) 両辺に 6 をかけるときは、左辺のすべての項に 6 をかけなければなりません(分配法則)。 なのに、 に 6 をかけ忘れています。正しくは より です(確かめ:左辺 、右辺 )。
(3) 1 つめの式を 2 倍すると で、これから 2 つめの式をひくと、 も も消えて という成り立たない等式が出てきます。これは「両方の式を満たす , があるとすると矛盾が起きる」ということで、この連立方程式には解がありません( が 8 と 5 に同時に等しくなることはありえません)。グラフで見ると、2 つの式は と で、傾きが等しく切片が違う平行な 2 直線なので、交点(=解)がありません。もし 2 つめの式が なら、ひいた結果は となり、2 直線は一致して、解は無数にあります。
戻る章:P2 第2章「文字式と方程式」、(3) のグラフによる見方は第5章「関数」(P2 中学数学)
問題 2.4 ★ 次の (a)〜(d) は、どれも誤りです。どこがどう誤っているかを説明し、正しく直してください。
- (a)
- (b) 「16 の平方根は 4 である」
- (c)
- (d)
解答
(a) 正しくは です。 を分配法則で展開すると になります。 とすると左辺は 4、誤った右辺は 2 です。面積図で見ると、1 辺 の正方形は、 と の正方形のほかに、 の長方形 2 枚からできています。誤りは、この 2 枚を忘れたものです。
a b
+-------+-----+
a | a^2 | ab |
+-------+-----+
b | ab | b^2 |
+-------+-----+
(b) 平方根とは「2 乗するとその数になる数」です。、 なので、16 の平方根は 4 と (まとめて )の 2 つです。記号 はそのうち正のほうを表すので、 は正しい式です。
(c) 正しくは です。 のとき、 は 2 乗すると になる数のうち0 以上のほうを表すので、負になることはありません。一般に は ではなく、 の絶対値 です。
(d) 両辺を 2 乗すると、左辺は 、右辺は 5 で、等しくありません(およその値でも、左辺は 、右辺は で大きく違います)。 は成り立ちますが、 は成り立ちません。
戻る章:P2 第3章「式の展開・因数分解と平方根」(P2 中学数学)
問題 2.5 ★★ (1) が分数で表せない(自然数 , を使って の形に書けない)ことを証明してください。
(2) 「 と小数がどこまでも続くのだから、分数で表せないのは当たり前だ」という説明は、なぜ証明にならないのでしょうか。
解答
(1) 証明. が分数で表せると仮定して、矛盾を導きます(背理法)。(, は自然数)と書けたとし、約分しておいて、 と は 1 以外の公約数をもたないとします。両辺を 2 乗して分母をはらうと
なので、 は偶数です。 が奇数なら も奇数になる()ので、 は偶数です。( は自然数)とおくと 、つまり となり、同じ理由で も偶数です。すると と は公約数 2 をもち、「1 以外の公約数をもたない」ことに矛盾します。したがって は分数で表せません。
背理法は「結論を否定すると矛盾が起きる、だから結論は正しい」という証明の方法で、高校・大学の数学で基本的な道具になります(00 数学の言葉 第1章)。
(2) どこまでも続く小数でも、分数で表せるものがあるからです。たとえば 、 はどこまでも続きますが、分数です。分数を小数で表すと有限小数か循環小数になり、逆に循環小数は分数で表せます。ですから「分数で表せない」とは「循環しない無限小数である」ことで、これは小数を何けた計算しても確かめられません(どれだけ調べても、その先でくり返しが始まらないとは言い切れません)。(1) のような論理による証明が必要なのです。
戻る章:P2 第3章「式の展開・因数分解と平方根」(P2 中学数学)
問題 2.6 ★ 次の 2 つの解き方は、どちらも誤りです。誤りの原因を説明し、正しい解を求めてください。
- (a) の両辺を でわって、。
- (b) だから、 または 。よって 。
解答
(a) 両辺を でわれるのは のときだけです(0 ではわれません)。 の場合を調べずに捨てたため、解を 1 つ失っています。正しくは、移項して因数分解し、、 より、 または です。
(b) 因数分解による解き方は、「 ならば または 」という、0 だけがもつ性質を使っています( なら両辺を でわって となるからです)。積が 2 のときは、 や のように、どちらの因数も 2 でない場合があるので、この方法は使えません。正しくは、右辺を 0 にしてから因数分解します。
よって です。生徒の答えのうち はたまたま正しいのですが、 では となって成り立たず、()を見落としています。
戻る章:P2 第4章「二次方程式」(P2 中学数学)
問題 2.7 ★★ (1) 二次方程式 を、平方完成( の形に変形すること)によって解いてください。
(2) 同じ方法で、二次方程式 ()の解の公式を導いてください。
(3) の符号によって、(2) の方程式の解の個数がどう変わるかを説明してください。
解答
(1) 定数項を移項して とし、両辺に ( の係数 6 の半分の 2 乗)をたすと、左辺が になります。
9 をたす理由は面積図でわかります。 は、1 辺 の正方形と、縦 ・横 3 の長方形 2 枚の面積の和です。2 枚を正方形の右と下に置くと、右下に 1 辺 3 の正方形(面積 9)だけが欠けた形になり、それを補えば 1 辺 の正方形になります。
(2) なので両辺を でわれます。(1) と同じように、 の係数 の半分の 2 乗を両辺にたします。
のとき、平方根をとって
です( は正確には ですが、 がついているので と書いても同じです)。
(3) なので、右辺 の符号は の符号と同じです。
- のとき:2 乗して正の数になる数は正と負の 2 つあるので、異なる 2 つの解をもちます。
- のとき:2 乗して 0 になる数は 0 だけなので、解は の 1 つです。
- のとき:2 乗して負になる数は中学で扱う数の範囲にはないので、解はありません。
は高校で判別式と呼ばれ、2 乗して負になる数(虚数)まで数を広げると、 の場合も 2 つの解をもつようになります。
戻る章:P2 第4章「二次方程式」(P2 中学数学)
問題 2.8 ★ (1) 次の (a)〜(c) のうち、 が の関数であるものはどれですか。理由も答えてください。
- (a) 自然数 の約数
- (b) 自然数 の約数の個数
- (c) 周の長さが cm の長方形の面積 cm²
(2) 一次関数 で、 の値が 1 から 4 まで増加するときの の増加量と変化の割合を求めてください。また、変化の割合はグラフのどんな特徴を表していますか。
解答
(1) 関数であるのは (b) だけです。「 が の関数である」とは、 の値を 1 つ決めると、 の値がただ 1 つ決まることです。
- (a) とすると、約数は 1, 2, 3, 6 の 4 つあり、 が 1 つに決まりません。関数ではありません。
- (b) どの についても、約数の個数はただ 1 つに決まります( なら 4)。関数です。式で表せなくても関数です。
- (c) 周の長さが 12 cm の長方形には、縦 1 cm・横 5 cm(面積 5 cm²)も、縦 3 cm・横 3 cm(面積 9 cm²)もあり、面積が 1 つに決まりません。関数ではありません。
(2) のとき 、 のとき なので、 の増加量 3 に対して の増加量は 、変化の割合は です。一次関数 の変化の割合は、どの区間で調べても の係数 に等しく、グラフの直線の傾きを表します。ここでは「 が 1 増えるごとに が 2 減る」ので、グラフは右下がりの直線です。
戻る章:P2 第5章「関数」(P2 中学数学)
問題 2.9 ★★ 空気の抵抗を考えないとき、ボールを静かに落とすと、落ち始めてから 秒間に落ちる距離 m は、およそ で表されます。
(1) 落ち始めて 1 秒後から 3 秒後までの、ボールの平均の速さを求めてください。
(2) 関数 で、 の値が から まで増加するとき()の変化の割合は、 になることを示してください。
(3) 一次関数では変化の割合が一定なのに、関数 ではそうならないのはなぜですか。グラフを使って説明してください。
解答
(1) 1 秒後までに m、3 秒後までに m 落ちるので、この 2 秒間に 40 m 進みます。平均の速さは で、秒速 20 m です。これは、 の が 1 から 3 までの変化の割合にほかなりません。
(2) 変化の割合は( の増加量)÷( の増加量)なので
です( なので約分できます)。(1) では で、確かに一致します。
(3) 変化の割合は、グラフ上の 2 点 と を結ぶ直線の傾きです。一次関数のグラフは直線なので、どの 2 点を結んでもその直線自身になり、傾きはいつも同じです。関数 のグラフは放物線という曲線なので、2 点の選び方によって結ぶ直線の傾きが変わります。(2) の も区間の位置によって変わります。落下するボールでいえば、時間がたつほど速くなるので、後の区間ほど平均の速さが大きいのです。
を に限りなく近づけると、変化の割合は に近づきます。これが時刻 での「瞬間の速さ」で、高校で学ぶ微分の出発点です。
戻る章:P2 第5章「関数」(P2 中学数学)
問題 2.10 ★ (1) 三角形の 3 つの内角の和が であることを、平行線の性質を使って証明してください。
(2) へこみのない五角形の外角の和は何度ですか。また、へこみのない多角形なら、何角形でも外角の和が同じ値になる理由を説明してください。
解答
(1) 証明. の辺 BC を横向きに、B を左、C を右に置いた図で考えます。頂点 A を通り BC に平行な直線 を引き、 上で A の左側に点 D、右側に点 E をとります。 なので、平行線の錯角は等しく
です。D, A, E は一直線上にあるので で、これに上の 2 つの等式を代入すると となります。
小学校では、3 つの角を切り取って並べるなどして確かめました。証明では、「平行線の錯角は等しい」という性質から、すべての三角形について になることを示しています。ここが、中学で数学が変わるところです。
(2) です。各頂点で内角と外角の和は なので、5 つの頂点で合わせて です。五角形の内角の和は、1 つの頂点から対角線を引いて 3 つの三角形に分けると なので、外角の和は です。 角形でも同じように、外角の和は
で、 によりません。直観的には、多角形の周に沿って歩くと、各頂点で外角の分だけ向きを変え、1 周して元の向きに戻るまでにちょうど 1 回転するから、と説明できます。
戻る章:P2 第6章「図形と証明」(P2 中学数学)
問題 2.11 ★★ 三角形の合同条件の一つに「2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」があります。
(1) 「2 組の辺と 1 組の角がそれぞれ等しい 2 つの三角形は合同である」は、角が 2 辺の間にない場合には正しくありません。反例を 1 つ作り、どのような図になるかを説明してください。
(2) 合同条件で、角が 2 辺の「間」になければならないのはなぜですか。三角形の作図と結びつけて説明してください。
解答
(1) 反例の例:AC = AD の二等辺三角形 ACD をかき、底辺 DC を C の側に延ばした直線上に点 B をとります(B, C, D の順に並びます)。 と を比べると、AB は共通、AC = AD、(同じ角)で、2 組の辺と 1 組の角がそれぞれ等しくなっています。しかし BC < BD なので、2 つの三角形は合同ではありません。等しい角 は、辺 AB と BC(BD)の間の角で、等しい 2 組の辺 AB と AC(AD)の間の角ではありません。
(2) 2 辺とその間の角が決まると、三角形はただ 1 通りにかけます。角をかき、その 2 本の辺の上に決められた長さをとれば、3 つの頂点がすべて決まるからです。作図して形がただ 1 つに決まるので、その条件を満たす三角形はどれも合同になります。
一方、 と辺 AB、辺 AC が与えられた場合、点 C は「B から出る半直線」と「A を中心とする半径 AC の円」の交点として決まります。円と半直線は 2 点で交わることがあり、(1) の C と D がまさにその 2 点です。作図が 1 通りに決まらないので、合同条件になりません。
なお、等しい角が直角や鈍角のときは、2 つの交点のうち半直線上にあるのは 1 つだけなので、合同が言えます。直角三角形の合同条件「斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しい」は、この場合にあたります。
戻る章:P2 第6章「図形と証明」(P2 中学数学)
問題 2.12 ★ (1) 相似な 2 つの三角形があり、相似比は 2 : 3 です。面積の比を求め、その理由を説明してください。
(2) 直径 6 cm と直径 9 cm の 2 つのオレンジがあり、大きいほうの値段は小さいほうの 2 倍です。どちらも球とみなし、食べられる量は体積に比例するとして、どちらが割安かを答えてください。
解答
(1) 面積の比は です。相似比が 2 : 3 なので、大きいほうの三角形は、底辺も高さも小さいほうの 倍です。面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」なので、 倍になります。一般に、長さが 倍の相似な図形では、縦方向にも横方向にも 倍されるので、面積は 倍になります。
(2) 大きいほうが割安です。2 つの球は相似で、相似比は なので、体積の比は です。大きいほうは小さいほうの 倍の量があるのに、値段は 2 倍なので、同じ値段あたりの量は大きいほうがおよそ 1.7 倍多くなります(直径が 1.5 倍になるだけで、体積は 3 倍以上になります)。
戻る章:P2 第6章「図形と証明」(P2 中学数学)
問題 2.13 ★★ (1) 直角をはさむ 2 辺の長さが , 、斜辺の長さが の直角三角形で、 が成り立つこと(三平方の定理)を証明してください。
(2) 縦 3 cm、横 4 cm、高さ 12 cm の直方体の、対角線の長さを求めてください。
解答
(1) 証明. 1 辺の長さが の正方形 PQRS(頂点はこの順に一周する)をかき、辺 PQ, QR, RS, SP 上にそれぞれ点 E, F, G, H を、 となるようにとります。すると 4 つの三角形 , , , は、どれも直角をはさむ 2 辺が と の直角三角形で、もとの直角三角形と合同です(2 組の辺とその間の角)。よって です。
もとの三角形の 2 つの鋭角を , とすると、内角の和から です。点 E では、 と が と の一方ずつなので、 です。ほかの頂点も同様なので、四角形 EFGH は 1 辺 の正方形です。大きな正方形の面積を 2 通りに表すと
で、左辺を展開すると 、したがって です。
相似な三角形を使う証明など、ほかの証明でもかまいません。
(2) 13 cm です。底面(縦 3 cm、横 4 cm)の対角線の長さは cm です。高さの辺は底面に垂直なので、直方体の対角線は、この底面の対角線(5 cm)と高さ(12 cm)を直角をはさむ 2 辺とする直角三角形の斜辺です。よって長さは cm です。まとめると、縦 、横 、高さ の直方体の対角線の長さは です。
戻る章:P2 第7章「円と三平方の定理・空間図形」(P2 中学数学)
問題 2.14 ★ 円 O の周上に 3 点 A, B, P があります。
(1) 中心 O が の内部にあり、 のとき、 は何度ですか。
(2) (1) の状況で、 が成り立つことを証明してください。
(3) 線分 AB が円 O の直径のとき、 となることを説明してください。
解答
(1) です(円周角は、同じ弧に対する中心角の半分です)。
(2) 証明. 直線 PO を引き、円との P 以外の交点を Q とします。OA と OP は半径なので で、二等辺三角形 OAP の底角は等しく、 です。 は の外角なので
です。同じように、 について です。O が の内部にあるので、半直線 PO は を 2 つに分け、Q は P を含まない弧 AB の上にあります。よって、この弧に対する中心角は
です。
(3) (半径)なので、 と はどちらも二等辺三角形です。、 とおくと、 の内角の和から 、つまり です。 なので です。これは、中心角 の半分が円周角になる、という (2) の特別な場合と見ることもできます。
戻る章:P2 第7章「円と三平方の定理・空間図形」(P2 中学数学)
問題 2.15 ★ 確率とデータについて答えてください。
(1) 2 枚の硬貨を同時に投げます。「出方は『2 枚とも表』『1 枚が表で 1 枚が裏』『2 枚とも裏』の 3 通りだから、それぞれの確率は である」という考えは正しいですか。正しい確率を求め、この考えの誤りを説明してください。
(2) あるクラス 30 人の数学のテストの得点を箱ひげ図に表したところ、最小値 35 点、第 1 四分位数 52 点、中央値 64 点、第 3 四分位数 75 点、最大値 96 点でした。この箱ひげ図から確実に言えるものを、次の (a)〜(e) からすべて選んでください。
- (a) 平均点は 64 点である。
- (b) 64 点以上の生徒が 15 人以上いる。
- (c) 四分位範囲は 23 点である。
- (d) 52 点以上 75 点以下の生徒は、ちょうど 15 人である。
- (e) 50 点の生徒がいる。
解答
(1) 正しくありません。2 枚とも表が 、1 枚が表で 1 枚が裏が 、2 枚とも裏が です。
2 枚の硬貨を A, B と区別すると、出方は「A 表・B 表」「A 表・B 裏」「A 裏・B 表」「A 裏・B 裏」の 4 通りで、これらは同様に確からしい(どれも同じ程度に起こると期待できる)と考えられます。「1 枚が表で 1 枚が裏」はこのうち 2 通りなので、確率は です。もとの考えの誤りは、同様に確からしくない 3 通りを同じ重みで数えたことです。確率を「場合の数の比」で求めてよいのは、数える 1 つ 1 つの場合が同様に確からしいときだけです。実際に何百回も投げると、「1 枚が表で 1 枚が裏」の相対度数は に近づいていきます。
(2) 確実に言えるのは (b) と (c) です。
- (a) 言えません。箱ひげ図に平均値は表れません。
- (b) 言えます。30 人の中央値は、得点を小さい順に並べた 15 番目と 16 番目の平均です。これが 64 点なので 16 番目は 64 点以上で、16 番目から 30 番目までの 15 人はすべて 64 点以上です。
- (c) 言えます。四分位範囲は 点です。
- (d) 言えません。箱にはデータのおよそ半分が入りますが、ちょうど半分とは限りません。たとえば、前半 15 人と後半 15 人のそれぞれの中央値を四分位数とする求め方では、8 番目が 52 点、23 番目が 75 点なので、少なくとも 16 人がこの範囲に入ります。
- (e) 言えません。箱ひげ図からわかるのは 5 つの値だけで、35 点と 52 点の間にどんな得点があるかはわかりません。
戻る章:P2 第8章「データの活用と確率」(P2 中学数学)
結果の見かた
| 問題 | 確かめること | 戻る章(P2) |
|---|---|---|
| 2.1 | 負の数の減法・乗法の理由 | 第1章「正負の数」 |
| 2.2 | 文字式による説明 | 第2章「文字式と方程式」 |
| 2.3 | 等式の性質と移項、解のない連立方程式 | 第2章「文字式と方程式」(第5章も) |
| 2.4 | 展開と平方根のよくある誤り | 第3章「式の展開・因数分解と平方根」 |
| 2.5 | が無理数であること(背理法) | 第3章「式の展開・因数分解と平方根」 |
| 2.6 | 二次方程式の解き方の誤り | 第4章「二次方程式」 |
| 2.7 | 平方完成と解の公式、解の個数 | 第4章「二次方程式」 |
| 2.8 | 関数の意味、一次関数の変化の割合 | 第5章「関数」 |
| 2.9 | 関数 の変化の割合 | 第5章「関数」 |
| 2.10 | 平行線と角、多角形の外角 | 第6章「図形と証明」 |
| 2.11 | 合同条件の意味 | 第6章「図形と証明」 |
| 2.12 | 相似比と面積比・体積比 | 第6章「図形と証明」 |
| 2.13 | 三平方の定理の証明と利用 | 第7章「円と三平方の定理・空間図形」 |
| 2.14 | 円周角の定理 | 第7章「円と三平方の定理・空間図形」 |
| 2.15 | 確率の意味、箱ひげ図 | 第8章「データの活用と確率」 |
P2 の各章は、P2 中学数学 の章立てから開けます。
- 12 問以上できたら(合格):ステージ 2 は飛ばしてかまいません。ステージ 3 の高校数学(P3 数と式・関数、P4 微分積分、P5 図形とベクトル、P6 確率・統計と整数)へ進みましょう。高校数学にも自信があれば、診断テスト 3(高校数学) で、学び直す科目を選べます。
- 12 問に届かなかったら:間違えた問題の戻る章だけを読めば十分です。同じ章の問題を 2 問以上間違えたときは、その章を最初から読みましょう。読み終えたら、間違えた問題を解答を見ずに解き直してください。
- どこを優先するか:高校数学でいちばんよく使うのは、式の計算と方程式(問題 2.3〜2.7)と関数(問題 2.8・2.9)で、P3・P4 はこれらを前提に進みます。図形(問題 2.10〜2.14)は P5 の、確率とデータ(問題 2.15)は P6 の土台です。
- 半分も解けなかったら:P2 を第1章から順に読むのがおすすめです。問題 2.1・2.2 でつまずいたときは、診断テスト 1(算数) で算数の位取りや分数も確かめてみてください。
Web 版では、自己採点で「解けた」にした問題の数から合否がページの最後に表示されます。0.5 問と数える問題は「ヒントで解けた」にしておくと、少し厳しめの判定になります。
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