補足
この科目は執筆中です。 各章を順に追加していきます。高校数学をどのくらい覚えているかは、診断テスト 3(高校数学) で確かめられます。
概要
高校の数学 II・III で学ぶ極限・微分・積分を扱います。微分は「瞬間の変化の速さ」、積分は「細かく分けて足し合わせたもの」であり、二つは微分積分学の基本定理によって表裏一体の関係にあります。物理・工学・経済・統計など、数学を使うあらゆる分野の基本の道具です。
この科目では、計算の手順を覚えるだけでなく、なぜその計算でよいのかを大切にします。同時に、高校の微分積分には「直観的に認めて使っている事実」(はさみうちの原理の前提にある実数の性質、中間値の定理、平均値の定理など)があることを、はっきり示します。それらがどこで、どのように厳密に証明されるのかは、大学の 01 微分積分学 へのリンクで示します。高校の微分積分を「わかったつもり」から「本当にわかった」へ、そして大学の ε-δ 論法へと橋渡しすることが、この科目の目標です。
前提知識
- P3 高校数学:数と式・関数(特に第3章 二次関数、第5章 三角関数、第6章 指数関数と対数関数、第7章 数列)。
対応する科目
| 章 | 高校の科目 |
|---|---|
| 第1章 数列の極限と無限級数 | 数学 III |
| 第2章 関数の極限と連続性 | 数学 III |
| 第3章 微分法 | 数学 II・III |
| 第4章 微分の応用 | 数学 II・III |
| 第5章 積分法 | 数学 II・III |
| 第6章 積分の応用 | 数学 II・III |
現行の学習指導要領(2018 年告示、2022 年度から実施)にもとづく目安です。数学 II では主に多項式の関数の微分と積分を、数学 III ではそれ以外の関数(三角関数・指数関数・対数関数など)と極限を学びます。
到達目標
- [ ] 数列・関数の極限を計算でき、はさみうちの原理を使える。どこで実数の性質を認めているかを説明できる
- [ ] や の定義など、微分の公式の土台になる極限を説明できる
- [ ] 導関数の定義から、積・商・合成関数・逆関数の微分法を導ける
- [ ] 増減・凹凸を調べてグラフをかき、最大・最小や不等式の証明に応用できる
- [ ] 置換積分・部分積分を使いこなし、微分積分学の基本定理の意味を説明できる
- [ ] 区分求積法によって定積分を和の極限として理解し、面積・体積・曲線の長さを求められる
章立て
| 章 | 内容 |
|---|---|
| 第1章 数列の極限と無限級数(準備中) | 収束と発散、はさみうちの原理、無限等比級数、循環小数、 |
| 第2章 関数の極限と連続性(準備中) | いろいろな関数、関数の極限、、連続関数、中間値の定理 |
| 第3章 微分法(準備中) | 微分係数と導関数、積・商・合成関数・逆関数の微分、三角・指数・対数関数の導関数 |
| 第4章 微分の応用(準備中) | 接線、平均値の定理、増減と極値、凹凸、最大と最小、速度、近似式 |
| 第5章 積分法(準備中) | 不定積分、定積分と微分積分学の基本定理、置換積分と部分積分 |
| 第6章 積分の応用(準備中) | 面積、区分求積法、体積、曲線の長さ、積分と不等式 |
学習時間の目安と進め方
- 1 章あたり 6〜9 時間(本文と演習問題)、全体で 40〜50 時間ほどです。
- 数学 II の範囲(多項式の微分積分)だけを学び直したい場合は、第3章〜第6章の多項式の部分を拾い読みしてもかまいません。
- 各章の「この先の数学では」で、大学の微分積分学のどこで同じ内容が厳密に扱われるかを示しています。大学数学に進む予定の人は、ぜひリンク先をのぞいてみてください。
参考文献
- 松坂和夫『数学読本 1〜6』(岩波書店):中学程度から大学初年級までを一続きに解説したシリーズで、極限と微分積分もていねいに扱っています。
- 芳沢光雄『新体系・高校数学の教科書(上・下)』(講談社ブルーバックス):高校数学の全体を、大人の学び直し向けに体系的にまとめた本です。
- 数研出版編集部『チャート式 基礎からの数学』シリーズ(数研出版):計算力を補いたいときの定番の参考書です。
- 吉田武『オイラーの贈物』(ちくま学芸文庫):オイラーの公式 を目標に、微分積分と複素数を基礎から積み上げる本です。
- S. P. Thompson, Calculus Made Easy (Macmillan):「微分積分はやさしい」をモットーに書かれた古典的な入門書です(英語)。