この章の目標
- 良い還元をもつ素数での還元写像がねじれ部分群の上で単射であることを証明し、ねじれ部分群の有限性と位数の上界を導ける
- ナゲル–ルッツの定理(ねじれ点は整数座標で、y=0 または y2∣D)を証明し、具体的な曲線のねじれ部分群を決定できる
- メイザーの定理の主張(15 通り)を知り、テイト正規形を使って各位数のねじれ点をもつ曲線を作れる
- メレルの一様有界性定理など、数体上のねじれ点についての結果を知る
前提:第2章、第3章、第6章。例と演習では第4章の点の数え方(命題 4.1)を使い、問題 7.10 で15 第6章のディリクレの算術級数定理を使う。
第8章で証明するモーデル–ヴェイユの定理(定理 8.1)によれば、E/Q の有理点の群は有限生成で、E(Q)≅E(Q)tors⊕Zr と分解する。階数 r を求めるのは一般に難しいが、ねじれ部分群 E(Q)tors は有限の手続きで完全に決定できる。本章ではその方法を二つ学ぶ。一つは第6章の還元写像による位数の上界、もう一つはナゲル–ルッツの定理による候補点の列挙である。どちらも第6章の「E1(Qp) にはねじれ点がほとんどない」という事実に基づいている。
後半では、Q 上のねじれ部分群は 15 通りしかないというメイザーの定理を紹介し、テイト正規形を使ってそれらを実現する曲線の族を作る。最後に数体上のねじれ点(メレルの定理)に触れる。本章の曲線のねじれ部分群・点の個数・ラベルはすべて PARI/GP(elltors, ellorder, ellcard, ellidentify)で確かめてある。
7.1 還元とねじれ部分群
E/Q を整数係数のワイエルシュトラス方程式で与え、判別式を Δ とする。素数 p∤Δ では、係数を modp で読んだ E~ は Fp 上の楕円曲線であり、点 P=[X:Y:Z](X,Y,Z は互いに素な整数)に P~=[Xmodp:Ymodp:Zmodp] を対応させる還元写像 E(Q)→E~(Fp) が定まる。これは E(Q)⊂E(Qp) と第6章の還元写像(定義 6.6)の合成である(vp(Δ)=0<12 なので方程式は p で極小。第6章 命題 6.3)。
定理 7.1(ねじれ点の還元)E/Q を整数係数のワイエルシュトラス方程式で与え、素数 p は判別式 Δ を割らないとする。
- p∤m ならば、還元写像は単射 E(Q)[m]→E~(Fp) を与える。
- p≥3 ならば、あるいは p=2 で方程式の a1 が 0 ならば、還元写像は単射 E(Q)tors→E~(Fp) を与える。
証明. vp(Δ)=0 なので、Qp 上で E は良い還元をもち(第6章 命題 6.8)、E0(Qp)=E(Qp) である。第6章 定理 6.13 より還元 E(Qp)→E~(Fp) は準同型で、核は E1(Qp) である。したがって E(Q)tors の元で還元が O~ になるものは E1(Qp) のねじれ点であり、還元写像の核に O 以外のねじれ点がないことを示せばよい。(1) 第6章 定理 6.19(1) により、E1(Qp) には p と素な位数のねじれ点はない。(2) vp(p)=1 なので、p≥3 なら第6章 定理 6.19(3) により、a1=0 なら定理 6.19(2) により、E1(Qp) には O 以外のねじれ点がない。□
系 7.2 E(Q)tors は有限群である。p≥3 が Δ を割らなければ ∣E(Q)tors∣ は ∣E~(Fp)∣ を割り切る。p=2 が Δ を割らなければ、E(Q)tors の奇数位数の元のなす部分群の位数は ∣E~(F2)∣ を割り切る(a1=0 なら E(Q)tors 全体の位数が割り切る)。
証明. Δ の素因数は有限個なので、Δ を割らない素数 p≥3 がある。定理 7.1(2) より E(Q)tors は有限群 E~(Fp) の部分群と同型で、ラグランジュの定理から位数が割り切る。p=2 のときは、奇数位数の元のなす部分群(有限アーベル群の 2 と素な部分)に定理 7.1(1) を使う。□
Q 上では、ねじれ部分群の形もかなり制限される。
命題 7.3 E(Q)tors≅Z/N1Z⊕Z/N2Z(N1∣N2)と書け、N1=1 または 2 である。
証明. T=E(Q)tors の位数を n とすると T⊂E[n]≅(Z/nZ)2(第3章 定理 3.23。標数 0)。(Z/nZ)2 の部分群は、Z2 の部分群(階数 2 以下の自由加群)の像なので 2 個以下の元で生成され、有限アーベル群の基本定理から T≅Z/N1⊕Z/N2(N1∣N2)。T の N1 倍で消える部分群は (Z/N1)2 と同型で位数 N12=∣E[N1]∣ だから、E[N1]⊂E(Q)。第3章のヴェイユ対の性質(系 3.32(2):E[m]⊂E(K) ならば μm⊂K)より μN1⊂Q で、Q に含まれる 1 のべき根は ±1 だけだから N1≤2。□
例 7.4(2 つの素数による上界)
- y2=x3−x(Δ=64). p=3 で E~(F3) の点は O~, (0,0), (1,0), (2,0) の 4 個(x3−x は F3 上で恒等的に 0)。よって ∣E(Q)tors∣∣4 で、O,(0,0),(±1,0) がすでに 4 個あるから E(Q)tors≅(Z/2Z)2(∣E~(F5)∣=∣E~(F7)∣=8 とも矛盾しない)。
- 11a3 :y2+y=x3−x2(Δ=−11, a1=0). F2 上では x=0,1 のどちらでも y2+y=0 で、点は O~ と 4 個のアフィン点の 5 個。a1=0 なので定理 7.1(2) が p=2 でも使え、∣E(Q)tors∣∣5。P=(0,0) について 2P=(1,−1), 3P=(1,0), 4P=(0,−1), 5P=O なので E(Q)tors≅Z/5Z。
- 37a1 :y2+y=x3−x(Δ=37, a1=0). ∣E~(F2)∣=5, ∣E~(F3)∣=7(F3 では x3−x=0 なので各 x に y=0,2 の 2 点)。gcd(5,7)=1 だから E(Q)tors={O}。特に (0,0) は無限位数の点で、E(Q) の階数は 1 以上である。
- y2=x3+1(Δ=−432=−2433). ∣E~(F5)∣=6, ∣E~(F7)∣=12 なので位数は 6 を割る。例 7.9 で見るように位数 6 の点 (2,3) があるので E(Q)tors≅Z/6Z。
注意
p=2 で a1=0 のとき、定理 7.1(2) は成り立たない。15a4 :y2+xy+y=x3+x2+35x−28(Δ=−32⋅58)は 2 で良い還元をもち、E(Q)tors≅Z/8Z(生成元 (2,6))だが、∣E~(F2)∣=4 である。位数 2 の点 4⋅(2,6)=(3/4,−7/8) は E1(Q2) に入り、mod2 で O~ に還元される(第6章 例 6.21)。
7.2 ナゲル–ルッツの定理
還元による方法は位数の上界を与えるが、点そのものは見つけてくれない。ねじれ点の座標を直接制限するのがナゲル–ルッツの定理である(ナゲル 1935 年、ルッツ 1937 年。それぞれ独立に得た)。この節では次の形の方程式を扱う:
E:y2=f(x)=x3+ax2+bx+c(a,b,c∈Z)
3 次式 f の判別式を
D=−4a3c+a2b2+18abc−4b3−27c2
とおく(D=0 と仮定する)。これは a1=a3=0, a2=a, a4=b, a6=c のワイエルシュトラス方程式で、判別式は Δ=16D である。任意の E/Q はこの形に変換できる:整数係数の方程式から始め、X=4x, Y=8y+4a1x+4a3 とおくと Y2=X3+b2X2+8b4X+16b6 になる(第1章の式 (1.4) が示す平方完成 (2y+a1x+a3)2=4x3+b2x2+2b4x+b6 に 16 を掛ける)。
定理 7.5(ナゲル–ルッツの定理, Nagell–Lutz theorem)P=(x0,y0)∈E(Q) がねじれ点ならば、x0,y0 は整数であり、y0=0(このとき P の位数は 2)か、y02∣D である。特に y0=0 なら y0∣D である。
証明には 2 倍の公式と、次の多項式の恒等式を使う。
補題 7.6 ϕ(x)=x4−2bx2−8cx+b2−4ac とおく(a=0 のときは第3章 定義 3.17 の ϕ2 に一致する)。
- P=(x0,y0)∈E, y0=0 ならば x(2P)=ϕ(x0)/(4y02)。
- 整数係数の多項式の恒等式
D=(3x3−ax2−5bx+2ab−27c)f(x)−(3x2+2ax−a2+4b)ϕ(x)
が成り立つ。
証明. (1) P での接線 y=λx+ν の傾きは λ=f′(x0)/(2y0) である(y0=0 なので接線は縦でない)。これを y2=f(x) に代入した f(x)−(λx+ν)2=x3+(a−λ2)x2+⋯ の根は x0(重根)と x(−2P)=x(2P) なので、根と係数の関係から x(2P)=λ2−a−2x0。y02=f(x0) を使って通分すると
x(2P)=4y02f′(x0)2−4(a+2x0)f(x0)
で、分子を展開すると ϕ(x0) になる(x3 の係数は 12a−12a=0, x2 の係数は (4a2+6b)−(4a2+8b)=−2b など)。(2) 右辺を展開すれば確かめられる(計算機でも確認した)。□
定理 7.5 の証明. 整数性. 素数 p を一つ固定する。E の方程式は Zp 係数(整)で a1=0 であり、vp(p)=1 だから、第6章 定理 6.19(2) より、この方程式についての E1(Qp)={(x,y)∣vp(x)<0}∪{O} は O 以外のねじれ点をもたない(方程式が p で極小である必要はなく、p=2 でもよい)。P=O はねじれ点なので P∈/E1(Qp)、すなわち vp(x0)≥0。これがすべての p で成り立つから x0∈Z。すると y02=f(x0)∈Z で、y0∈Q だから y0∈Z。
y0=0 の場合. −P=(x0,−y0) なので、y0=0 ⟺ P=−P ⟺ 2P=O。
y0=0 の場合. 2P=O で、2P もねじれ点だから、前半より x(2P)∈Z。補題 7.6(1) より ϕ(x0)=4y02⋅x(2P) は y02 で割り切れ、f(x0)=y02 も y02 で割り切れる。補題 7.6(2) に x=x0 を代入すると、右辺の 2 つの項はどちらも y02 で割り切れる整数なので y02∣D。□
注意
(1) 定理 7.5 の逆は成り立たない。y2=x3+17 では D=−27⋅172 で、P=(−2,3) は 32∣D をみたすが、2P=(8,−23) は 232∤D なのでねじれ点でなく、したがって P もねじれ点でない。(2) 方程式の形の仮定は外せない。第6章 例 6.21 の 65a2 :y2+xy=x3+4x+1 では、位数 2 の点 (−1/4,1/8) の座標が整数でない。上の変換 X=4x, Y=8y+4x で Y2=X3+X2+64X+64 に移すと、この点は整数点 (−1,0) になる。
系 7.7(ねじれ部分群の求め方)y2=f(x) の形の方程式について、E(Q)tors は次の有限の手続きで求まる。(i) y=0 と、y2∣D となる整数 y をすべて挙げ、各 y について f(x)=y2 の整数解 x を求める(有理根定理により、c−y2=0 なら x は c−y2 の約数)。(ii) 得られた各点 P について倍数 2P,3P,… を計算し、ある nP=O となればねじれ点、途中で整数でない座標の点や、y=0 かつ y2∤D となる点が現れればねじれ点でない(ねじれ点の倍数はねじれ点なので、定理 7.5 の条件をみたすはずだからである)。
(ii) は必ず有限回で終わる。P がねじれ点なら、その位数の回数で O に達する。P がねじれ点でなければ倍数 P,2P,3P,… は相異なり、そのすべてが (i) の有限集合に入ることはないので、いずれ条件をみたさない点が現れる。
7.3 ねじれ部分群の計算例
例 7.8(y2=x3−x)D=4 なので y∈{0,±1,±2}。y=0 からは x=0,±1。y=±1 では x3−x−1=0、y=±2 では x3−x−4=0 で、どちらも整数解をもたない(整数解の候補は前者が ±1、後者が ±1,±2,±4 で、代入するとどれも根でない)。よって E(Q)tors={O,(0,0),(1,0),(−1,0)}≅(Z/2Z)2 で、例 7.4(1) と一致する。
例 7.9(y2=x3+1)D=−27 なので y∈{0,±1,±3}。y=0 から x=−1、y=±1 から x=0、y=±3 から x=2。P=(2,3) について、接線の傾きは 3x2/(2y)=2 で x(2P)=4−4=0, y(2P)=2(2−0)−3=1、すなわち 2P=(0,1)。P と 2P を通る直線の傾きは 1 で x(3P)=1−2−0=−1、3P=(−1,0) は位数 2。よって P は位数 6 で、
E(Q)tors={O,(2,±3),(0,±1),(−1,0)}≅Z/6Z
例 7.10(11a3)y2+y=x3−x2 は上の変換 X=4x, Y=8y+4 で Y2=X3−4X2+16 になる(b2=−4, b4=0, b6=1)。D=−27⋅162−4⋅(−4)3⋅16=−2816=−28⋅11 なので、Y2∣D から Y∣16。Y=0,±1,±2,±8,±16 では X3−4X2+16−Y2=0 に整数解がなく(有理根定理で確かめられる)、Y=±4 では X2(X−4)=0 より X=0,4。P=(0,4) について 2P=(4,−4), 3P=(4,4), 4P=(0,−4), 5P=O だから E(Q)tors≅Z/5Z。もとの座標 (x,y)=(X/4,(Y−4)/8) に戻すと、例 7.4(2) の (0,0),(1,−1),(1,0),(0,−1) になる。
例 7.11(y2=x3+17)D=−27⋅172=−33⋅172 なので y∣3⋅17。y=0,±1,±17,±51 では x3=y2−17=−17,−16,272,2584 はどれも立方数でなく、y=±3 で x=−2。候補 (−2,±3) は WARNING (1) のとおりねじれ点でないので、E(Q)tors={O}。この曲線には (−2,±3), (−1,±4), (2,±5), (4,±9), (8,±23), (43,±282), (52,±375), (5234,±378661) など多くの整数点があるが、どれもねじれ点ではない。ナゲル–ルッツの定理は「ねじれ点 ⇒ 整数点」であって逆ではない。
例 7.12(y2=x3−25x) 2 等分点 (0,0),(±5,0) があり、E(Q)tors⊃(Z/2Z)2。Δ=2656 で p=3 は良い還元の素数であり、F3 上 y2=x3−25x=x3−x なので例 7.4(1) と同じく ∣E~(F3)∣=4。よって E(Q)tors≅(Z/2Z)2。一般の y2=x3−n2x も同じ結果になる(問題 7.10)。これは第8章の合同数の問題(命題 8.28)で使う。
7.4 メイザーの定理とテイト正規形
上の例で現れたねじれ部分群はどれも小さかった。実はこれは偶然ではない。
定理 7.13(メイザーの定理, Mazur's theorem)(主張)E/Q のねじれ部分群は、次の 15 個の群のいずれかと同型である。
Z/NZ(1≤N≤10 または N=12),Z/2Z⊕Z/2NZ(1≤N≤4)
逆に、これら 15 個の群はすべて、j 不変量の異なる無限個の E/Q のねじれ部分群として現れる。
オッグが予想し、メイザーが 1977 年に証明した。位数 N の点をもつ楕円曲線とその点の組は、モジュラー曲線 X1(N) のカスプ以外の点に対応する。定理の Z/N の N はちょうど X1(N) の種数が 0(有理曲線)になる値で、このとき有理点が無限にある(Z/2⊕Z/2N にも同様のモジュラー曲線が対応する)。定理の主要部分は、それ以外の N では X1(N) の有理点がカスプ(退化した曲線に対応する点)だけであること、すなわち位数 N の有理点をもつ E/Q が存在しないことである。メイザーの仕事の核心は素数 N≥11 の場合で、いくつかの合成数の N はそれ以前の研究で扱われていた。命題 7.3 の「N1≤2」はヴェイユ対から従ったが、N2 の上界は深い定理である。
次の表は、各群について導手が最小の曲線の例である(Cremona のラベル。係数 [a1,a2,a3,a4,a6] と、 elltors の返す生成元)。
| ねじれ部分群 |
曲線 |
[a1,a2,a3,a4,a6] |
生成元 |
| 0 |
11a2 |
[0,−1,1,−7820,−263580] |
なし |
| Z/2 |
14a3 |
[1,0,1,−171,−874] |
(15,−8) |
| Z/3 |
19a1 |
[0,1,1,−9,−15] |
(5,9) |
| Z/4 |
15a7 |
[1,1,1,−80,242] |
(5,−2) |
| Z/5 |
11a1 |
[0,−1,1,−10,−20] |
(5,5) |
| Z/6 |
14a1 |
[1,0,1,4,−6] |
(9,23) |
| Z/7 |
26b1 |
[1,−1,1,−3,3] |
(−1,2) |
| Z/8 |
15a4 |
[1,1,1,35,−28] |
(2,6) |
| Z/9 |
54b3 |
[1,−1,1,−14,29] |
(−3,7) |
| Z/10 |
66c1 |
[1,0,0,−45,81] |
(0,9) |
| Z/12 |
90c3 |
[1,−1,1,−122,1721] |
(−9,49) |
| Z/2⊕Z/2 |
15a2 |
[1,1,1,−135,−660] |
(−29/4,25/8), (−7,3) |
| Z/2⊕Z/4 |
15a1 |
[1,1,1,−10,−10] |
(−2,3), (−1,0) |
| Z/2⊕Z/6 |
30a2 |
[1,0,1,−19,26] |
(1,2), (3,−2) |
| Z/2⊕Z/8 |
210e2 |
[1,0,0,−1070,7812] |
(4,58), (−36,18) |
(15a2 の生成元 (−29/4,25/8) の座標が整数でないのは、a1=1 の方程式だからである。)
15 通りの群を実現する曲線の族は、次の標準形を使うと作れる。
命題 7.14(テイト正規形, Tate normal form)K を体、E/K を楕円曲線とし、P∈E(K) は P,2P,3P=O(位数 4 以上または無限位数)をみたすとする。このとき b,c∈K, b=0 があって、E は
E(b,c):y2+(1−c)xy−by=x3−bx2
と、P を (0,0) に移す変数変換で同型になる。
証明. 平行移動で P=(0,0) とすると a6=0。(0,0) での接線は 1 次の部分 a3y−a4x=0 である。2P=O より P=−P=(0,−a3) なので a3=0、つまり接線は縦でない。y↦y+(a4/a3)x と変換すると a4=0 になり(第1章 命題 1.6 で s=a4/a3)、方程式は y2+a1xy+a3y=x3+a2x2、接線は y=0 になる。接線 y=0 と E の交点は x2(x+a2)=0 の根で、a2=0 なら P で 3 重に交わり 3P=O となるから、a2=0。最後に u=a3/a2 として x=u2x′, y=u3y′ と変換すると ai′=ai/ui で、a2′=a3′=a23/a32 となる。b=−a2′, c=1−a1′ とおけばよい。□
補題 7.15 E(b,c) の判別式は Δ=b3(16b2−(8c2+20c−1)b−c(1−c)3) で、P=(0,0) について
−P3P=(0,b),=(c,b−c),2P−3P=(b,bc),=(c,c2),−2P4P=(b,0),=(c2b(b−c),c3b2(c2+c−b))(c=0)
証明. 判別式は定義に代入して計算する(計算機で確認した)。−(x,y)=(x,−y−(1−c)x+b) から −P=(0,b)。(0,0) での接線は y=0 で、x2(x−b)=0 より −2P=(b,0)、よって 2P=(b,bc)。P と 2P を通る直線 y=cx を代入すると x(x−b)(x−c)=0 となるので −3P=(c,c2)、3P=(c,b−c)。同様に P と 3P を通る直線 y=cb−cx の第 3 の交点から −4P=(b(b−c)/c2,b(b−c)2/c3) を得て、符号を変えれば 4P になる。□
例 7.16(位数 4, 5, 6, 7 の条件)P=(0,0) の位数を N とする。
- N=4 ⟺ 2P=−2P ⟺ bc=0 ⟺ c=0。
- N=5 ⟺ 3P=−2P ⟺ (c,b−c)=(b,0) ⟺ b=c。
- N=6 ⟺ 3P=−3P ⟺ b−c=c2。
- N=7 ⟺ 4P=−3P。x 座標が等しい 2 点は等しいか互いに逆元で、4P=3P は起こらないから、これは x(4P)=c、すなわち b(b−c)=c3 と同値(c=0 なら N=4 なので c=0)。d=b/c とおくと c3+c2d−c2d2=0 より c=d2−d, b=d3−d2。
たとえば b=c=1 の y2−y=x3−x2 は、y↦−y で 11a3 になり(例 7.4(2))、位数 5 の点 (0,0) をもつ。d=2 の b=4, c=2 からは E(4,2):y2−xy−4y=x3−4x2 を得る。これは 26b1 と同型で(Δ=−1664=−27⋅13)、∣E~(F3)∣=7 だから E(Q)tors≅Z/7Z がちょうど実現されている。
同様の計算を続けると、メイザーの定理の残りの群も得られる。
定理 7.17(ねじれ点をもつ曲線の族)(主張)次の表の (b,c) について、t∈Q が b,c の分母と E(b,c) の判別式を 0 にしないかぎり、E(b,c) の点 (0,0) の位数はちょうど N である。逆に、位数 N の有理点 P をもつ E/Q について、(E,P) のテイト正規形の (b,c) はある t∈Q で表の形に書ける。
| N |
b |
c |
| 4 |
t |
0 |
| 5 |
t |
t |
| 6 |
t+t2 |
t |
| 7 |
t3−t2 |
t2−t |
| 8 |
(2t−1)(t−1) |
(2t−1)(t−1)/t |
| 9 |
t2(t−1)(t2−t+1) |
t2(t−1) |
| 10 |
t3(t−1)(2t−1)/(t2−3t+1)2 |
−t(t−1)(2t−1)/(t2−3t+1) |
| 12 |
t(2t−1)(2t2−2t+1)(3t2−3t+1)/(t−1)4 |
−t(2t−1)(3t2−3t+1)/(t−1)3 |
さらに、N=4,6,8 の族で、それぞれ 16t+1, (t+1)(9t+1), 8t2−8t+1 が 0 でない平方数になるとき、ねじれ部分群は Z/2⊕Z/N を含む( 2 等分多項式の残りの 2 根が有理数になる条件)。
N≤7 の部分は例 7.16 で示した。表はクーベルト (Kubert) による。前半は、各 N について Q(t) 上で N⋅(0,0)=O かつ N の真の約数 d で d⋅(0,0)=O となることを計算機(PARI/GP と SymPy)で確かめ、位数が N より小さくなる有理数 t は判別式を 0 にするものに限ることも確かめた。後半(逆)は、導手 20000 以下の Cremona の表の曲線がもつ位数 4 以上のすべての有理ねじれ点(11460 個)について確かめた。
例 7.18 表の t=2 からは、N=9 で (b,c)=(12,4)(54b3 と同型)、N=10 で (24,6)(66c1 と同型)、N=12 で (210,−42)(2730bd1 と同型)が得られる。N=8 の族で t=3 とすると 8t2−8t+1=49=72 で、(b,c)=(10,10/3) は 210e2 と同型、ねじれ部分群は Z/2⊕Z/8 である。位数 2, 3 の点については、y2=x(x2+ax+b)((0,0) が位数 2)や y2+a1xy+a3y=x3((0,0) が変曲点で位数 3)が族を与える。
7.5 メレルの定理と数体上のねじれ
代数体 K 上でも、E(K)tors は有限である。証明は系 7.2 と同じで、良い還元をもつ素イデアル p での還元写像 E(K)→E~(OK/p) が、p の剰余標数と素な位数のねじれ点の上で単射であることを使う(剰余標数の異なる 2 つの素イデアルを使えば全体が有限になる)。ただし、ねじれ部分群は体を大きくすると大きくなりうる。
例 7.19 y2=x3−x の Q 上のねじれ部分群は (Z/2)2 だが、K=Q(i) 上では P=(i,1−i) が乗る(i3−i=−2i=(1−i)2)。問題 7.5 の解答の計算 x(2P)=(x(P)2−b)2/(4y(P)2) はどの体の上でも成り立ち、ここでは x(P)2=−1=b なので 2P=(0,0)、P は位数 4 である。実際 E(Q(i))tors≅Z/2⊕Z/4 である。同様に y2=x3+1 は Q(−3) 上で x3+1=(x+1)(x2−x+1) が完全に分解し、ねじれ部分群は Z/2⊕Z/6 になる(いずれも PARI/GP の elltors で確認した)。
体の次数を固定すると、ねじれ部分群の大きさは一様に抑えられる。
定理 7.20(メレルの一様有界性定理, Merel's uniform boundedness theorem)(主張)各 d≥1 に対して定数 B(d) があり、[K:Q]=d のすべての代数体 K とすべての E/K について ∣E(K)tors∣≤B(d) が成り立つ。
メレル(1996 年)による。d=1 の場合はメイザーの定理から B(1)=16 である。2 次体については、ケンク–モモセ(1988 年)とカミエニー(1992 年)により、現れるねじれ部分群は
Z/N (1≤N≤16, N=18),Z/2⊕Z/2N (1≤N≤6),Z/3⊕Z/3N (N=1,2),Z/4⊕Z/4
の 26 通りであることが知られている(主張)。最後の 3 つはヴェイユ対により μ3⊂K または μ4⊂K、すなわち K=Q(−3) または Q(i) でしか起こらない。
まとめ
- 判別式を割らない素数 p での還元写像は、p と素な位数のねじれ点の上で単射であり、p≥3 なら(p=2 でも a1=0 なら)ねじれ部分群全体の上で単射である。証明は第6章の「E1(Qp) にはねじれ点がない」による。
- したがって E(Q)tors は有限で、その位数は ∣E~(Fp)∣(p≥3, p∤Δ)を割る。2 つの素数で数えると位数がほぼ決まる。
- ヴェイユ対により E(Q)tors≅Z/N1⊕Z/N2(N1∣N2, N1≤2)。
- ナゲル–ルッツの定理:y2=x3+ax2+bx+c(整数係数)のねじれ点は整数座標をもち、y=0 または y2∣D。整数性は第6章の結果を a1=0 の方程式に適用して得られ、y2∣D は 2 倍の公式と多項式の恒等式から従う。逆は成り立たず、a1=0 の方程式では整数性も成り立たないことがある。
- 例:y2=x3+1 は Z/6、y2=x3−x は (Z/2)2、11a3 は Z/5、37a1 と y2=x3+17 は自明。
- メイザーの定理:Q 上のねじれ部分群は Z/N(N≤10, N=12)と Z/2⊕Z/2N(N≤4)の 15 通りで、すべて無限回現れる(主張)。
- テイト正規形 y2+(1−c)xy−by=x3−bx2 では、(0,0) の位数の条件が b,c の簡単な式になり、15 通りの群を実現する族が得られる。
- 数体上でもねじれ部分群は有限で、次数だけで決まる一様な上界がある(メレルの定理。主張)。
演習問題
問題 7.1 ★ y2=x3+4 のねじれ部分群を求めよ。
解答
D=−27⋅16=−2433 なので、y=0 または y∣22⋅3=12。y=0 では x3=−4、y=±1,±3,±4,±6,±12 では x3=y2−4=−3,5,12,32,140 でいずれも立方数でない。y=±2 で x=0。P=(0,2) の接線の傾きは 3x2/(2y)=0 なので x(2P)=0, y(2P)=−2、すなわち 2P=(0,−2)=−P で、P は位数 3。よって E(Q)tors={O,(0,±2)}≅Z/3Z。
問題 7.2 ★ y2=x3−2 のねじれ部分群は自明であることを示せ。また点 (3,5) は無限位数であることを示せ。
解答
D=−27⋅4=−2233 なので、y=0 または y∣2⋅3=6。y=0,±1,±2,±3,±6 に対し x3=y2+2=2,3,6,11,38 はどれも立方数でないので、ねじれ点は O だけである。(3,5) は 27−2=25 より曲線上の点で、O でないからねじれ点でない、すなわち無限位数である(52=25∤108 からも直接わかる。なお 2⋅(3,5)=(129/100,−383/1000))。
問題 7.3 ★ y2=x3+8 には (−2,0), (1,±3), (2,±4) という整数点がある。ねじれ部分群を求めよ。
解答
D=−27⋅64=−2633 なので、y=0 または y∣23⋅3=24。x3=y2−8 が立方数になるのは y=0(x=−2)、y=±3(x=1)、y=±4(x=2)だけである(y=±1,±2,±6,±8,±12,±24 では −7,−4,28,56,136,568)。(−2,0) は位数 2。P=(1,3) では接線の傾きが 3/6=1/2 で x(2P)=1/4−2=−7/4 は整数でないので 2P はねじれ点でなく、P もねじれ点でない。(2,4) でも傾き 12/8=3/2, x(2P)=9/4−4=−7/4 で同様。よって E(Q)tors={O,(−2,0)}≅Z/2Z。
問題 7.4 ★ y2=x3+4x のねじれ部分群は Z/4Z であることを示せ。
解答
D=−4⋅43=−28 なので、y=0 または y∣16。y=0 では x(x2+4)=0 より x=0。y=±4 では x3+4x−16=(x−2)(x2+2x+8)=0 より x=2。y=±1,±2,±8,±16 では x3+4x=1,4,64,256 に整数解はない(左辺は x について単調増加で、x=0,1,3,4,6,7 での値 0,5,39,80,240,371 の間に挟まれる)。P=(2,4) の接線の傾きは (3⋅4+4)/8=2 で x(2P)=4−4=0、2P=(0,0)。よって P は位数 4 で、E(Q)tors={O,(0,0),(2,±4)}≅Z/4Z。
問題 7.5 ★★ E:y2=x3+ax2+bx(a,b∈Q, b=0, a2−4b=0)とする。2P=(0,0) となる P∈E(Q) が存在するための必要十分条件は、b=d2 となる d∈Q で a+2d が有理数の平方になるものがあることである。これを示し、y2=x3+4x と y2=x3−x に適用せよ。
解答
補題 7.6(1) で c=0 とすると ϕ(x)=x4−2bx2+b2=(x2−b)2。x 座標が 0 の点は (0,0) だけなので、y(P)=0 の点 P について 2P=(0,0) ⟺ x(P)2=b(y(P)=0 なら 2P=O)。
P=(d,y0) が 2P=(0,0) をみたせば b=d2 で、y02=d3+ad2+bd=d2(a+2d)。d=0 なので a+2d=(y0/d)2 は平方数である。逆に b=d2, a+2d=e2 なら、P=(d,de) は d3+ad2+d3=d2e2 より曲線上にある。e=0 だと x2+ax+b=(x−d)2 となり a2−4b=0 に反するので de=0 で、上の議論から 2P=(0,0)。
y2=x3+4x:b=4=22, a+2⋅2=4=22 なので P=(2,4) が 2P=(0,0) をみたす(問題 7.4)。y2=x3−x:b=−1 は平方数でないので、2P=(0,0) となる有理点はない。
問題 7.6 ★★ 65a2 :y2+xy=x3+4x+1(Δ=−52⋅132)のねじれ部分群を、p=3,7,11 での点の個数(それぞれ 6,12,10)を使って決定せよ。位数 2 の点の座標が整数でないことがナゲル–ルッツの定理と矛盾しない理由を説明せよ。
解答
3,7,11 は Δ を割らない 3 以上の素数なので、系 7.2 より ∣E(Q)tors∣ は gcd(6,12,10)=2 を割る。P=(−1/4,1/8) は方程式をみたし(両辺 −1/64)、2y+a1x+a3=1/4−1/4=0 だから P=−P、すなわち位数 2 である。よって E(Q)tors={O,P}≅Z/2Z。ナゲル–ルッツの定理は y2=f(x)(a1=a3=0)の形の方程式についての定理で、この方程式は a1=1 なので適用されない。7.2 節の変換 X=4x, Y=8y+4x で Y2=X3+X2+64X+64=(X+1)(X2+64) に移すと、P は整数点 (−1,0) になり、定理と整合する。
問題 7.7 ★★ Et:y2+(1−t)xy−ty=x3−tx2 について、(1) 判別式が t5(t2−11t−1) であることを補題 7.15 から確かめ、t∈Q, t=0 なら Et は楕円曲線であることを示せ。(2) (0,0) の位数が 5 であることを、2P,3P を直接計算して確かめよ。
解答
(1) 補題 7.15 で b=c=t とすると、括弧の中は 16t2−(8t2+20t−1)t−t(1−t)3=16t2−8t3−20t2+t−t+3t2−3t3+t4=t4−11t3−t2=t2(t2−11t−1) なので Δ=t3⋅t2(t2−11t−1)=t5(t2−11t−1)。t2−11t−1 の判別式は 125 で平方数でないから、有理数の根をもたない。よって t=0 なら Δ=0。
(2) 補題 7.15 より 2P=(t,t2), −2P=(t,0), 3P=(t,t−t)=(t,0)。したがって 3P=−2P、5P=O。5 は素数で P=O だから位数はちょうど 5。(t=1 が 11a3 である。)
問題 7.8 ★★ 補題 7.15 の 4P の式を使って、例 7.16 の位数 7 の条件 c3+bc−b2=0 を導き、d=2 のとき E(4,2) の点 (0,0) の倍数 P,2P,…,6P を求めよ。
解答
位数 7 ⟺ 4P=−3P で、例 7.16 のとおり x(4P)=x(3P)=c と同値。b(b−c)/c2=c を整理すると b2−bc−c3=0、すなわち c3+bc−b2=0。b=4, c=2 では 8+8−16=0 をみたす。補題 7.15 より P=(0,0), 2P=(b,bc)=(4,8), 3P=(c,b−c)=(2,2), 4P=−3P=(c,c2)=(2,4), 5P=−2P=(4,0), 6P=−P=(0,b)=(0,4) で、7P=O。補題 7.15 の 4P の式からも 4P=(4⋅2/22, 42(4+2−4)/23)=(2,4) となり、一致する(PARI/GP の ellmul でも確かめられる)。
問題 7.9 ★★ p≥3 を素数、E/Q を p で極小な整数係数の方程式とする(p で悪い還元をもってもよい)。∣E(Q)tors∣ は cp⋅∣E~ns(Fp)∣ を割り切ることを示せ(cp は第6章 定義 6.24 の玉河数)。11a1 の p=11 と、y2=x3−25x の p=5 で確かめよ。
解答
T=E(Q)tors とする。第6章 系 6.20(2) より T∩E0(Qp) は E~ns(Fp) に単射に埋め込まれるので、その位数は ∣E~ns(Fp)∣ を割る。また T/(T∩E0(Qp)) は E(Qp)/E0(Qp)(位数 cp)の部分群と同型なので、その位数は cp を割る。∣T∣=∣T∩E0∣⋅∣T/(T∩E0)∣ だから主張が従う。
11a1, p=11:c11=5(I5 分裂)、∣E~ns(F11)∣=10 で、∣T∣=5 は 50 を割る。第6章 例 6.15(1) のとおり T∩E0={O} で、T は E/E0≅Z/5 に同型に写る。y2=x3−25x, p=5:c5=4(第6章 問題 6.6)、加法的なので ∣E~ns(F5)∣=5 で、∣T∣=4 は 20 を割る。ここでも T∩E0={O} である。
問題 7.10 ★★★ n を平方因子をもたない正の整数とし、En:y2=x3−n2x とする。En(Q)tors≅(Z/2Z)2 を示せ。(ヒント:位数 4 の点がないことは問題 7.5 で、奇数位数の点がないことは p≡3(mod4) の素数での点の個数とディリクレの算術級数定理で示す。)
解答
2 等分点. x3−n2x=x(x−n)(x+n) なので (0,0),(±n,0) が位数 2 の点で、En[2]⊂En(Q)。
位数 4 の点はない. 位数 4 の点 P があれば 2P は (0,0),(n,0),(−n,0) のどれかである。(0,0) の場合、問題 7.5 で b=−n2 は平方数でないので起こらない。(n,0) の場合、x=x′+n と平行移動すると y2=x′(x′+n)(x′+2n)=x′3+3nx′2+2n2x′ で、b=2n2 は 2∈/Q より平方数でない。(−n,0) の場合も x=x′−n で y2=x′3−3nx′2+2n2x′ となり同様。よって En(Q)tors の 2 べき位数の部分は En[2]≅(Z/2)2 である。
奇数位数の点はない. p≡3(mod4), p∤2n を素数とする。Δ=64n6 なので p で良い還元をもつ。f(x)=x3−n2x は奇関数で、−1 は modp で平方元でない。f(x)=0 となる x を {x,−x} の組に分けると、f(x) と f(−x)=−f(x) のちょうど一方が 0 でない平方元なので、各組から 2 点が出る。f(x)=0 となる x=0,±n からは 1 点ずつ出る。組は (p−3)/2 個なので、点の個数は (p−3)+3+1=p+1(最後の 1 は O)。定理 7.1(2) より ∣En(Q)tors∣ は p+1 を割る。
奇素数 ℓ が ∣En(Q)tors∣ を割るとする。中国剰余定理により、a≡3(mod4), a≡1(modℓ) となる a があり、gcd(a,4ℓ)=1。ディリクレの算術級数定理(15 第6章 定理 6.18)より p≡a(mod4ℓ) となる素数は無限にあるので、p∤2n となるものをとる。すると p≡3(mod4) だから ℓ∣p+1 のはずだが、p+1≡2(modℓ) なので矛盾する。したがって En(Q)tors=En[2]≅(Z/2Z)2。(n≤400 の平方因子をもたない n について PARI/GP の elltors でも確かめた。)