Lemma数学ロードマップ

10 関数解析 · 第 3 章

ベールの定理と 3 つの基本原理

目安 6〜9 時間定理など 10演習 8 問

この章の目標

  • ベールのカテゴリー定理を使って「一般の位置にある元」の存在を示す議論を理解する
  • 一様有界性原理(バナッハ–シュタインハウスの定理)を証明し、連続関数でフーリエ級数が発散するものの存在を示せる
  • 開写像定理・有界逆写像定理・閉グラフ定理を証明し、ノルムの比較や作用素の有界性の判定に使える
  • どの定理でも完備性が本質的であることを反例で説明できる

前提:第1章、第2章、03-topology 第7章

3.1 完備性から何が引き出せるか

有限次元では、次の 3 つは線形代数からほぼ自明に従った。

  1. 線形写像の族が各点で有界なら、行列成分が有界なので一様に有界である。
  2. 線形写像が全単射なら逆写像も線形であり、(有限次元なので)連続である。
  3. 線形写像はすべて連続である。

無限次元ではどれも無条件には成り立たない。本章の 3 つの基本原理――一様有界性原理、開写像定理、閉グラフ定理――は、空間の完備性を仮定すれば、これらの代わりになる主張が成り立つことを示す。証明の鍵はいずれもベールのカテゴリー定理であり、「完備距離空間は可算個の『薄い』集合の和にはならない」という位相的事実が線形性と結びついて強力な結論を生む。

3.2 ベールのカテゴリー定理

定理 3.1(ベールのカテゴリー定理, Baire category theorem)完備距離空間 XX の稠密な開集合の列 (Un)(U_n) について、⋂nUn\bigcap_n U_n は XX で稠密である。同値な言い換えとして、X=⋃nFnX = \bigcup_n F_n(各 FnF_n は閉集合)ならば、ある FnF_n は内点をもつ。

証明.(03-topology 第7章の復習)空でない開集合 WW が ⋂nUn\bigcap_n U_n と交わることを示す。U1∩WU_1 \cap W は空でない開集合なので、閉球 B‾(x1,r1)⊂U1∩W\overline{B}(x_1, r_1) \subset U_1 \cap W(0<r1<10 < r_1 < 1)がとれる。帰納的に B‾(xn,rn)⊂Un∩B(xn−1,rn−1)\overline{B}(x_n, r_n) \subset U_n \cap B(x_{n-1}, r_{n-1}), 0<rn<1/n0 < r_n < 1/n ととる(UnU_n が稠密な開集合なので可能)。m≥nm \geq n なら xm∈B(xn,rn)x_m \in B(x_n, r_n) なので (xn)(x_n) はコーシー列で、極限 xx は各 B‾(xn,rn)\overline{B}(x_n, r_n) に属する。よって x∈W∩⋂nUnx \in W \cap \bigcap_n U_n。後半は Un=X∖FnU_n = X \setminus F_n に前半を適用すればよい。□\square

定義 3.2 距離空間 XX の部分集合 AA の閉包が内点をもたないとき、AA は疎 (nowhere dense) であるという。可算個の疎な集合の和を第一類集合 (first category set, meager set)、第一類でない集合を第二類集合という。第一類集合の補集合を剰余集合 (residual set) という。

ベールの定理は「完備距離空間では剰余集合は稠密(特に空でない)」と言い換えられる。そこで、ある性質をもつ元の存在を示すには、その性質をもたない元の集合が第一類であることを示せばよい。構成的に例を作るのが難しい場合でも、この方法で「ほとんどすべての元」がその性質をもつことが示せる。

例 3.3(ハメル基底は非可算)無限次元バナッハ空間 XX は可算なハメル基底をもたない。実際、{e1,e2,… }\lbrace e_1, e_2, \dots \rbrace がハメル基底なら X=⋃nFnX = \bigcup_n F_n, Fn=span⁡{e1,…,en}F_n = \operatorname{span} \lbrace e_1, \dots, e_n \rbrace となる。FnF_n は有限次元なので閉であり(系 1.21)、真部分空間なので内点をもたない(部分空間が球 B(x,r)B(x, r) を含めば、平行移動と拡大により全体を含む)。これはベールの定理に反する。特に、c00c_{00} や多項式全体の空間には、どんなノルムを入れても完備にならない。

3.3 一様有界性原理

定理 3.4(一様有界性原理, uniform boundedness principle/バナッハ–シュタインハウスの定理)XX をバナッハ空間、YY をノルム空間、F⊂B(X,Y)\mathcal{F} \subset \mathcal{B}(X, Y) とする。すべての x∈Xx \in X で sup⁡T∈F∥Tx∥<∞\sup_{T \in \mathcal{F}} \lVert Tx \rVert < \infty ならば、sup⁡T∈F∥T∥<∞\sup_{T \in \mathcal{F}} \lVert T \rVert < \infty。

対偶の形で、より強く次が成り立つ:sup⁡T∈F∥T∥=∞\sup_{T \in \mathcal{F}} \lVert T \rVert = \infty ならば、sup⁡T∈F∥Tx∥=∞\sup_{T \in \mathcal{F}} \lVert Tx \rVert = \infty となる xx の全体は XX の剰余集合(特に稠密)である。

証明. Fn={x∈X∣∥Tx∥≤n (∀T∈F)}F_n = \lbrace x \in X \mid \lVert Tx \rVert \leq n\ (\forall T \in \mathcal{F}) \rbrace とおく。各 TT は連続なので FnF_n は閉集合の共通部分として閉である。ある FNF_N が閉球 B‾(x0,r)\overline{B}(x_0, r)(r>0r > 0)を含むとすると、∥z∥≤r\lVert z \rVert \leq r なる zz と T∈FT \in \mathcal{F} について

∥Tz∥≤∥T(x0+z)∥+∥Tx0∥≤2N\lVert Tz \rVert \leq \lVert T(x_0 + z) \rVert + \lVert Tx_0 \rVert \leq 2N

なので ∥T∥≤2N/r\lVert T \rVert \leq 2N / r。したがって sup⁡T∥T∥=∞\sup_T \lVert T \rVert = \infty ならば、どの FnF_n も内点をもたず、{x∣sup⁡T∥Tx∥<∞}=⋃nFn\lbrace x \mid \sup_T \lVert Tx \rVert < \infty \rbrace = \bigcup_n F_n は第一類集合である。その補集合は剰余集合であり、ベールの定理により稠密である。特に各点有界性(⋃nFn=X\bigcup_n F_n = X)の仮定のもとでは sup⁡T∥T∥<∞\sup_T \lVert T \rVert < \infty でなければならない。□\square

系 3.5 XX をバナッハ空間、YY をノルム空間とし、Tn∈B(X,Y)T_n \in \mathcal{B}(X, Y) がすべての xx で Tx:=lim⁡nTnxTx := \lim_n T_n x をもつとする。このとき T∈B(X,Y)T \in \mathcal{B}(X, Y) で、sup⁡n∥Tn∥<∞\sup_n \lVert T_n \rVert < \infty, ∥T∥≤lim inf⁡n∥Tn∥\lVert T \rVert \leq \liminf_n \lVert T_n \rVert。

証明. 収束列は有界なので F={Tn}\mathcal{F} = \lbrace T_n \rbrace は各点有界であり、定理 3.4 より sup⁡n∥Tn∥<∞\sup_n \lVert T_n \rVert < \infty。TT の線形性は明らかで、∥Tx∥=lim⁡n∥Tnx∥≤lim inf⁡n∥Tn∥∥x∥\lVert Tx \rVert = \lim_n \lVert T_n x \rVert \leq \liminf_n \lVert T_n \rVert \lVert x \rVert。□\square

すべての xx で Tnx→TxT_n x \to Tx となることを強収束 (strong convergence)、∥Tn−T∥→0\lVert T_n - T \rVert \to 0 をノルム収束(一様収束)という。

例 3.6

  1. (強収束はノルム収束より弱い)ℓ2\ell^2 上で PNP_N を最初の NN 成分への直交射影とすると、各 xx で ∥x−PNx∥2=∑n>N∣xn∣2→0\lVert x - P_N x \rVert^2 = \sum_{n > N} \lvert x_n \rvert^2 \to 0 だが、(I−PN)eN+1=eN+1(I - P_N) e_{N+1} = e_{N+1} より ∥I−PN∥=1\lVert I - P_N \rVert = 1。左シフトのべき LnL^n も ∥Lnx∥2=∑k>n∣xk∣2→0\lVert L^n x \rVert^2 = \sum_{k > n} \lvert x_k \rvert^2 \to 0 で強収束するが、∥Ln∥=1\lVert L^n \rVert = 1(Lnen+1=e1L^n e_{n+1} = e_1)。有限次元では強収束とノルム収束は同値である。
  2. (完備性は必要)c00c_{00} に一様ノルムを入れ、fn(x)=nxnf_n(x) = n x_n とおく。各 x∈c00x \in c_{00} について nn が大きければ fn(x)=0f_n(x) = 0 なので {fn}\lbrace f_n \rbrace は各点有界だが、∥fn∥=n\lVert f_n \rVert = n である。

系 3.7 HH をヒルベルト空間とする。A⊂HA \subset H がすべての y∈Hy \in H について sup⁡x∈A∣⟨x,y⟩∣<∞\sup_{x \in A} \lvert \langle x, y \rangle \rvert < \infty を満たすならば、AA は有界である。特に、すべての yy で ⟨xn,y⟩\langle x_n, y \rangle が収束する列 (xn)(x_n) は有界である。

証明. x∈Ax \in A に対し fx=⟨⋅,x⟩∈H∗f_x = \langle \cdot, x \rangle \in H^{\ast} とおくと、∣fx(y)∣=∣⟨x,y⟩∣\lvert f_x(y) \rvert = \lvert \langle x, y \rangle \rvert なので族 {fx}x∈A\lbrace f_x \rbrace_{x \in A} はバナッハ空間 HH 上で各点有界である。定理 3.4 とリースの表現定理(∥fx∥=∥x∥\lVert f_x \rVert = \lVert x \rVert)より sup⁡x∈A∥x∥<∞\sup_{x \in A} \lVert x \rVert < \infty。□\square

一般のノルム空間での同様の主張(弱有界な集合は有界)は、ハーン–バナッハの定理を使って第4章で示す。

3.4 応用:フーリエ級数が発散する連続関数

C(T)C(\mathbb{T}) を R\mathbb{R} 上の 2π2\pi 周期連続関数の全体とし、一様ノルムを入れる(C[−π,π]C[-\pi, \pi] の閉部分空間 {f∣f(−π)=f(π)}\lbrace f \mid f(-\pi) = f(\pi) \rbrace と同一視でき、バナッハ空間である)。ff のフーリエ部分和

SNf(x)=∑n=−NNf^(n)einx,f^(n)=12π∫−ππf(t)e−int dtS_N f(x) = \sum_{n=-N}^{N} \hat{f}(n) e^{inx}, \qquad \hat{f}(n) = \frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} f(t) e^{-int}\ dt

は、ff が C1C^1 級なら一様に ff に収束する(08-differential-equations 第6章)。連続なだけではどうだろうか。

定理 3.8(デュ・ボア=レーモン)フーリエ級数が x=0x = 0 で発散する f∈C(T)f \in C(\mathbb{T}) が存在する。さらに、sup⁡N∣SNf(0)∣=∞\sup_N \lvert S_N f(0) \rvert = \infty となる ff の全体は C(T)C(\mathbb{T}) の剰余集合である。

証明. ディリクレ核 DN(t)=∑n=−NNeintD_N(t) = \sum_{n=-N}^{N} e^{int} を使うと SNf(0)=12π∫−ππf(t)DN(t) dtS_N f(0) = \frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} f(t) D_N(t)\ dt である(DND_N は実数値の偶関数)。DN(t)⋅2isin⁡(t/2)=∑n=−NN(ei(n+1/2)t−ei(n−1/2)t)=2isin⁡((N+12)t)D_N(t) \cdot 2i \sin(t/2) = \sum_{n=-N}^{N} (e^{i(n + 1/2)t} - e^{i(n - 1/2)t}) = 2i \sin((N + \tfrac{1}{2})t) より、t∉2πZt \notin 2\pi\mathbb{Z} で

DN(t)=sin⁡((N+12)t)sin⁡(t/2)D_N(t) = \frac{\sin((N + \frac{1}{2}) t)}{\sin(t/2)}

ΛNf:=SNf(0)\Lambda_N f := S_N f(0) は C(T)C(\mathbb{T}) 上の有界線形汎関数である。そのノルムがルベーグ定数 LN:=12π∫−ππ∣DN(t)∣ dtL_N := \frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} \lvert D_N(t) \rvert\ dt に等しいことを示す。∣ΛNf∣≤LN∥f∥∞\lvert \Lambda_N f \rvert \leq L_N \lVert f \rVert_\infty は明らか。逆に fj=DN/(∣DN∣+1/j)∈C(T)f_j = D_N / (\lvert D_N \rvert + 1/j) \in C(\mathbb{T}) とおくと ∥fj∥∞≤1\lVert f_j \rVert_\infty \leq 1 で、DND_N の零点(有限個)以外で fjDN→∣DN∣f_j D_N \to \lvert D_N \rvert だから、優収束定理により ΛNfj→LN\Lambda_N f_j \to L_N。よって ∥ΛN∥=LN\lVert \Lambda_N \rVert = L_N。

次に LN→∞L_N \to \infty を示す。∣sin⁡(t/2)∣≤∣t∣/2\lvert \sin(t/2) \rvert \leq \lvert t \rvert / 2 と DND_N の偶性、変数変換 u=(N+12)tu = (N + \frac{1}{2})t により

LN≥2π∫0π∣sin⁡((N+12)t)∣t dt=2π∫0(N+12)π∣sin⁡u∣u du≥2π∑k=1N1kπ∫(k−1)πkπ∣sin⁡u∣ du=4π2∑k=1N1kL_N \geq \frac{2}{\pi} \int_0^{\pi} \frac{\lvert \sin((N + \frac{1}{2}) t) \rvert}{t}\ dt = \frac{2}{\pi} \int_0^{(N + \frac{1}{2})\pi} \frac{\lvert \sin u \rvert}{u}\ du \geq \frac{2}{\pi} \sum_{k=1}^{N} \frac{1}{k\pi} \int_{(k-1)\pi}^{k\pi} \lvert \sin u \rvert\ du = \frac{4}{\pi^2} \sum_{k=1}^{N} \frac{1}{k}

であり、右辺は N→∞N \to \infty で発散する。定理 3.4 の後半により、sup⁡N∣ΛNf∣=∞\sup_N \lvert \Lambda_N f \rvert = \infty となる ff の全体は剰余集合であり、そのような ff のフーリエ級数は 00 で発散する。□\square

補足

この証明は発散する関数を具体的に構成しない。それでも「ほとんどすべての」連続関数(剰余集合の意味で)のフーリエ級数が 00 で発散することを示している。平行移動を考え、可算個の剰余集合の共通部分をとれば、有理数点すべてで発散する連続関数の存在もわかる。一方、フーリエ級数は L2L^2 ノルムでは常に収束し(例 2.18)、さらに L2L^2 関数のフーリエ級数はほとんど至るところ収束する(カールソンの定理、1966 年。証明は非常に難しい)。

3.5 開写像定理と有界逆写像定理

有限次元では全単射な線形写像の逆写像は自動的に連続であった。無限次元では、逆写像が存在しても非有界になりうる(C[0,1]C[0,1] 上の恒等写像を一様ノルムから L1L^1 ノルムへの写像とみれば、有界な全単射だが逆は非有界:問題 1.6)。これを排除するのが両側の空間の完備性である。

定理 3.9(開写像定理, open mapping theorem)X,YX, Y をバナッハ空間とし、T∈B(X,Y)T \in \mathcal{B}(X, Y) が全射であるとする。このとき TT は開写像である。より正確には、ある δ>0\delta > 0 について T(BX(0,1))⊃BY(0,δ)T(B_X(0, 1)) \supset B_Y(0, \delta) となる(B(0,r)B(0, r) は開球)。

証明. 第 1 段:T(BX(0,1))‾\overline{T(B_X(0,1))} が 00 のまわりの球を含むことを示す。TT は全射なので Y=⋃nT(BX(0,n))‾Y = \bigcup_n \overline{T(B_X(0, n))}。ベールの定理より、ある nn で T(BX(0,n))‾\overline{T(B_X(0, n))} は球 B(y0,ε)B(y_0, \varepsilon) を含む。この集合は凸かつ対称(yy を含めば −y-y も含む)なので、∥y∥<ε\lVert y \rVert < \varepsilon ならば y0+yy_0 + y と −(y0−y)-(y_0 - y) をともに含み、その中点 yy も含む。よって BY(0,ε)⊂T(BX(0,n))‾B_Y(0, \varepsilon) \subset \overline{T(B_X(0, n))}。η=ε/n\eta = \varepsilon / n とおけば、拡大縮小により、すべての r>0r > 0 で

BY(0,ηr)⊂T(BX(0,r))‾B_Y(0, \eta r) \subset \overline{T(B_X(0, r))}

第 2 段:閉包を外す。∥y∥<η/2\lVert y \rVert < \eta / 2 とする。第 1 段(r=1/2r = 1/2)から x1∈BX(0,1/2)x_1 \in B_X(0, 1/2) を ∥y−Tx1∥<η/4\lVert y - Tx_1 \rVert < \eta / 4 となるようにとれる。y−Tx1∈BY(0,η/4)y - Tx_1 \in B_Y(0, \eta/4) に第 1 段(r=1/4r = 1/4)を適用して x2∈BX(0,1/4)x_2 \in B_X(0, 1/4) を ∥y−Tx1−Tx2∥<η/8\lVert y - Tx_1 - Tx_2 \rVert < \eta / 8 となるようにとる。以下同様に ∥xk∥<2−k\lVert x_k \rVert < 2^{-k}, ∥y−T(x1+⋯+xk)∥<η2−k−1\lVert y - T(x_1 + \dots + x_k) \rVert < \eta 2^{-k-1} となる xkx_k がとれる。∑k∥xk∥≤∥x1∥+∑k≥22−k<1/2+1/2=1\sum_k \lVert x_k \rVert \leq \lVert x_1 \rVert + \sum_{k \geq 2} 2^{-k} < 1/2 + 1/2 = 1 なので、定理 1.12 により x=∑kxkx = \sum_k x_k が収束して ∥x∥<1\lVert x \rVert < 1、TT の連続性から Tx=yTx = y。よって δ=η/2\delta = \eta / 2 とおけば BY(0,δ)⊂T(BX(0,1))B_Y(0, \delta) \subset T(B_X(0,1))。

開写像であること:U⊂XU \subset X が開で x∈Ux \in U なら B(x,r)⊂UB(x, r) \subset U となる r>0r > 0 があり、T(U)⊃Tx+T(B(0,r))⊃B(Tx,δr)T(U) \supset Tx + T(B(0, r)) \supset B(Tx, \delta r)。□\square

系 3.10(有界逆写像定理, bounded inverse theorem)X,YX, Y をバナッハ空間、T∈B(X,Y)T \in \mathcal{B}(X, Y) を全単射とすると、T−1∈B(Y,X)T^{-1} \in \mathcal{B}(Y, X) である。

証明. 定理 3.9 の δ\delta について、∥y∥<δ\lVert y \rVert < \delta ならば ∥T−1y∥<1\lVert T^{-1} y \rVert < 1。よって y≠0y \neq 0 に対し 0<δ′<δ0 < \delta' < \delta として δ′y/∥y∥\delta' y / \lVert y \rVert に適用すれば ∥T−1y∥≤∥y∥/δ′\lVert T^{-1} y \rVert \leq \lVert y \rVert / \delta'。δ′→δ\delta' \to \delta として ∥T−1∥≤1/δ\lVert T^{-1} \rVert \leq 1/\delta。□\square

特に、バナッハ空間上の T∈B(X)T \in \mathcal{B}(X) について「λI−T\lambda I - T が全単射」と「λI−T\lambda I - T が有界な逆をもつ」は同値である。第6章でスペクトルを定義するときにこの事実を使う。

系 3.11(ノルムの比較)ベクトル空間 XX が 2 つのノルム ∥⋅∥1,∥⋅∥2\lVert \cdot \rVert_1, \lVert \cdot \rVert_2 のどちらについても完備であり、∥x∥2≤C∥x∥1\lVert x \rVert_2 \leq C \lVert x \rVert_1 が成り立つならば、2 つのノルムは同値である。

証明. 恒等写像 (X,∥⋅∥1)→(X,∥⋅∥2)(X, \lVert \cdot \rVert_1) \to (X, \lVert \cdot \rVert_2) は有界な全単射なので、系 3.10 により逆も有界である。□\square

例 3.12(値域が閉でない単射)ℓ2\ell^2 上の対角作用素 Tx=(xn/n)nT x = (x_n / n)_n は有界な単射で、値域は c00c_{00} を含むので稠密だが、全射ではない((1/n)n=Tx(1/n)_n = T x となる xx は (1,1,… )∉ℓ2(1, 1, \dots) \notin \ell^2)。Ran⁡T\operatorname{Ran} T 上で定義された逆 T−1y=(nyn)nT^{-1} y = (n y_n)_n は非有界である(T−1en=nenT^{-1} e_n = n e_n)。系 3.10 と矛盾しないのは Ran⁡T\operatorname{Ran} T が完備でないからである。一般に、有界な単射 TT の値域が閉であることと、∥Tx∥≥c∥x∥\lVert Tx \rVert \geq c \lVert x \rVert となる c>0c > 0 が存在することは同値である(問題 3.4)。

3.6 閉グラフ定理

作用素 TT の連続性を示すには、「xn→xx_n \to x ならば Txn→TxTx_n \to Tx」を示す必要がある。閉グラフ定理によれば、完備な空間の間では、TxnTx_n が収束すると仮定してよい。

定義 3.13 X,YX, Y をノルム空間とし、X×YX \times Y にノルム ∥(x,y)∥=∥x∥+∥y∥\lVert (x, y) \rVert = \lVert x \rVert + \lVert y \rVert を入れる(X,YX, Y が完備なら X×YX \times Y も完備)。線形写像 T ⁣:X→YT\colon X \to Y のグラフ (graph) G(T)={(x,Tx)∣x∈X}G(T) = \lbrace (x, Tx) \mid x \in X \rbrace が X×YX \times Y の閉集合であるとき、TT は閉 (closed) であるという。これは「xn→xx_n \to x かつ Txn→yTx_n \to y ならば y=Txy = Tx」と同値である。

定理 3.14(閉グラフ定理, closed graph theorem)X,YX, Y をバナッハ空間とし、線形写像 T ⁣:X→YT\colon X \to Y のグラフが閉であるとする。このとき TT は有界である。

証明. G(T)G(T) はバナッハ空間 X×YX \times Y の閉部分空間なのでバナッハ空間である。射影 π ⁣:G(T)→X\pi\colon G(T) \to X, (x,Tx)↦x(x, Tx) \mapsto x は有界な全単射なので、系 3.10 により逆 x↦(x,Tx)x \mapsto (x, Tx) も有界である。すなわち ∥x∥+∥Tx∥≤C∥x∥\lVert x \rVert + \lVert Tx \rVert \leq C \lVert x \rVert となる CC があり、∥Tx∥≤C∥x∥\lVert Tx \rVert \leq C \lVert x \rVert。□\square

系 3.15(ヘリンガー–テプリッツの定理, Hellinger–Toeplitz theorem)ヒルベルト空間 HH 全体で定義された線形写像 T ⁣:H→HT\colon H \to H が、すべての x,y∈Hx, y \in H で ⟨Tx,y⟩=⟨x,Ty⟩\langle Tx, y \rangle = \langle x, Ty \rangle を満たすならば、TT は有界である。

証明. xn→xx_n \to x, Txn→zTx_n \to z とすると、すべての yy で ⟨z,y⟩=lim⁡n⟨Txn,y⟩=lim⁡n⟨xn,Ty⟩=⟨x,Ty⟩=⟨Tx,y⟩\langle z, y \rangle = \lim_n \langle Tx_n, y \rangle = \lim_n \langle x_n, Ty \rangle = \langle x, Ty \rangle = \langle Tx, y \rangle なので z=Txz = Tx。閉グラフ定理を適用すればよい。□\square

例 3.16(閉作用素の予告)C[0,1]C[0,1](一様ノルム)の部分空間 C1[0,1]C^1[0,1] 上で微分 D=d/dtD = d/dt を考える。fn→ff_n \to f かつ fn′→gf_n' \to g(ともに一様収束)ならば f∈C1f \in C^1 で f′=gf' = g である(01-calculus 第6章)から、DD のグラフは C[0,1]×C[0,1]C[0,1] \times C[0,1] で閉である。しかし例 1.17 で見たとおり DD は非有界である。閉グラフ定理と矛盾しないのは、定義域 C1[0,1]C^1[0,1] が一様ノルムで完備でないからである。

系 3.15 と合わせると、量子力学に現れる非有界な「対称」作用素(運動量 −i d/dx-i\ d/dx や位置 xx の掛け算)は、ヒルベルト空間全体では定義できない。稠密な部分空間を定義域とする閉作用素を扱う必要があり、これが第7章の出発点になる。

3.7 3 つの原理の比較

原理 仮定 結論 完備性がないときの反例
一様有界性原理 XX がバナッハ空間 各点有界 ⇒ 一様有界 c00c_{00} 上の fn(x)=nxnf_n(x) = n x_n(例 3.6)
開写像定理 X,YX, Y がバナッハ空間 全射な有界作用素は開写像 恒等写像 (C[0,1],∥⋅∥∞)→(C[0,1],∥⋅∥1)(C[0,1], \lVert \cdot \rVert_\infty) \to (C[0,1], \lVert \cdot \rVert_1)
閉グラフ定理 X,YX, Y がバナッハ空間 グラフが閉 ⇒ 有界 C1[0,1]⊂C[0,1]C^1[0,1] \subset C[0,1] 上の微分(例 3.16)

3 つの原理は互いに導き合う関係にあり(閉グラフ定理は開写像定理から導いた。逆に閉グラフ定理から開写像定理を導くこともできる)、すべての根はベールの定理にある。ベールの定理は「存在」を示す道具でもあり、定理 3.8 のように、具体的な構成が難しい対象(フーリエ級数が発散する連続関数、至るところ微分不可能な連続関数など)が「一般的には」存在することを示すのに使われる。

まとめ

  • ベールのカテゴリー定理:完備距離空間では可算個の稠密開集合の共通部分は稠密である。これにより無限次元バナッハ空間のハメル基底は非可算である。
  • 一様有界性原理:バナッハ空間上の有界作用素の族が各点有界なら一様有界である。有界作用素列の強収束極限は有界である。
  • 強収束はノルム収束より弱い(PN→IP_N \to I, Ln→0L^n \to 0 は強収束するがノルム収束しない)。
  • ディリクレ核の L1L^1 ノルム(ルベーグ定数)が発散することから、フーリエ級数が 1 点で発散する連続関数が「一般的に」存在する。
  • 開写像定理:バナッハ空間の間の有界な全射は開写像である。系として、有界な全単射の逆は有界であり、完備な 2 つのノルムは一方が他方で押さえられれば同値である。
  • 閉グラフ定理:バナッハ空間の間でグラフが閉な線形写像は有界である。その系として、全体で定義された対称作用素は有界である(ヘリンガー–テプリッツ)。
  • どの原理でも完備性は本質的であり、定義域が完備でない微分作用素は「閉だが非有界」になりうる。これが非有界作用素論(第7章)の出発点である。

演習問題

問題 3.1 ★ ℓ2\ell^2 上の右シフト SS について、SnS^n は 00 に強収束しないが、すべての x,yx, y で ⟨Snx,y⟩→0\langle S^n x, y \rangle \to 0 となることを示せ。

解答

SS は等長なので ∥Snx∥=∥x∥\lVert S^n x \rVert = \lVert x \rVert で、x≠0x \neq 0 なら Snx↛0S^n x \not\to 0。一方 ⟨Snx,y⟩=⟨x,Lny⟩\langle S^n x, y \rangle = \langle x, L^n y \rangle(S∗=LS^{\ast} = L)であり、例 3.6 より ∥Lny∥→0\lVert L^n y \rVert \to 0 なので ∣⟨Snx,y⟩∣≤∥x∥∥Lny∥→0\lvert \langle S^n x, y \rangle \rvert \leq \lVert x \rVert \lVert L^n y \rVert \to 0。SnS^n は 00 に弱収束するが強収束しない。

問題 3.2 ★ 多項式全体のなす空間 K[t]\mathbb{K}[t] には、それを完備にするノルムが存在しないことを示せ。

解答

{1,t,t2,… }\lbrace 1, t, t^2, \dots \rbrace は可算なハメル基底である。どんなノルムで完備にしても、例 3.3 と同様に Fn=span⁡{1,…,tn}F_n = \operatorname{span} \lbrace 1, \dots, t^n \rbrace は内点をもたない閉集合で、K[t]=⋃nFn\mathbb{K}[t] = \bigcup_n F_n がベールの定理に反する。

問題 3.3 ★★ 数列 a=(an)a = (a_n) について、すべての x∈c0x \in c_0 で級数 ∑nanxn\sum_n a_n x_n が収束するならば a∈ℓ1a \in \ell^1 であることを示せ。

解答

fN(x)=∑n=1Nanxnf_N(x) = \sum_{n=1}^N a_n x_n は c0c_0 上の有界線形汎関数で、∥fN∥=∑n=1N∣an∣\lVert f_N \rVert = \sum_{n=1}^N \lvert a_n \rvert である(≤\leq は明らか。an≠0a_n \neq 0 なら xn=an‾/∣an∣x_n = \overline{a_n} / \lvert a_n \rvert、そうでなければ xn=0x_n = 0 として n≤Nn \leq N の成分だけをもつ xx を考えれば等号)。仮定より各 xx で (fN(x))N(f_N(x))_N は収束するので有界であり、定理 3.4 により sup⁡N∑n=1N∣an∣<∞\sup_N \sum_{n=1}^N \lvert a_n \rvert < \infty、すなわち a∈ℓ1a \in \ell^1。

問題 3.4 ★★ X,YX, Y をバナッハ空間、T∈B(X,Y)T \in \mathcal{B}(X, Y) を単射とする。Ran⁡T\operatorname{Ran} T が閉であるための必要十分条件は、ある c>0c > 0 ですべての xx について ∥Tx∥≥c∥x∥\lVert Tx \rVert \geq c \lVert x \rVert となることであることを示せ。

解答

Ran⁡T\operatorname{Ran} T が閉ならバナッハ空間で、T ⁣:X→Ran⁡TT\colon X \to \operatorname{Ran} T は有界な全単射なので、系 3.10 により逆が有界:∥x∥≤∥T−1∥∥Tx∥\lVert x \rVert \leq \lVert T^{-1} \rVert \lVert Tx \rVert。逆に不等式が成り立つとし、Txn→yTx_n \to y とすると ∥xn−xm∥≤c−1∥Txn−Txm∥\lVert x_n - x_m \rVert \leq c^{-1} \lVert Tx_n - Tx_m \rVert より (xn)(x_n) はコーシー列で、極限 xx について Tx=yTx = y。よって値域は閉である。例 3.12 の Tx=(xn/n)Tx = (x_n / n) は ∥Ten∥=1/n\lVert T e_n \rVert = 1/n なので不等式を満たさず、値域は閉でない。

問題 3.5 ★★ バナッハ空間 XX が閉部分空間 M,NM, N の代数的な直和 X=M⊕NX = M \oplus N であるとき、x=m+nx = m + n に mm を対応させる射影 PP は有界であることを示せ。

解答

M×NM \times N(ノルム ∥m∥+∥n∥\lVert m \rVert + \lVert n \rVert)はバナッハ空間で、Φ(m,n)=m+n\Phi(m, n) = m + n は M×N→XM \times N \to X の有界な全単射である。系 3.10 より Φ−1\Phi^{-1} も有界なので、∥Px∥≤∥m∥+∥n∥≤∥Φ−1∥∥x∥\lVert Px \rVert \leq \lVert m \rVert + \lVert n \rVert \leq \lVert \Phi^{-1} \rVert \lVert x \rVert。閉グラフ定理を使って、xk→xx_k \to x, Pxk→mPx_k \to m のとき m=Pxm = Px を示すこともできる(xk−Pxk∈Nx_k - Px_k \in N が x−mx - m に収束し、M,NM, N が閉なので m∈Mm \in M, x−m∈Nx - m \in N)。

問題 3.6 ★★ (Ω,μ)(\Omega, \mu) を σ-有限測度空間、φ\varphi を可測関数とし、すべての f∈L2(Ω,μ)f \in L^2(\Omega, \mu) で φf∈L2(Ω,μ)\varphi f \in L^2(\Omega, \mu) となるとする。Mφf=φfM_\varphi f = \varphi f は有界であり、φ∈L∞\varphi \in L^\infty となることを示せ。

解答

閉グラフ定理を使う。fn→ff_n \to f, φfn→g\varphi f_n \to g(L2L^2)とすると、部分列をとって fnk→ff_{n_k} \to f, φfnk→g\varphi f_{n_k} \to g がほとんど至るところ成り立つので g=φfg = \varphi f a.e.。よって MφM_\varphi は有界である。∣φ∣>∥Mφ∥+ε\lvert \varphi \rvert > \lVert M_\varphi \rVert + \varepsilon となる集合が正測度をもつとすると、σ-有限性からその中に 0<μ(E)<∞0 < \mu(E) < \infty となる EE がとれ、f=1Ef = \mathbf{1}_E に対し ∥φf∥2>(∥Mφ∥+ε)∥f∥2\lVert \varphi f \rVert_2 > (\lVert M_\varphi \rVert + \varepsilon) \lVert f \rVert_2 となって矛盾。よって ∥φ∥∞≤∥Mφ∥\lVert \varphi \rVert_\infty \leq \lVert M_\varphi \rVert。

問題 3.7 ★★ XX をバナッハ空間、YY をノルム空間とし、Tn,T∈B(X,Y)T_n, T \in \mathcal{B}(X, Y) がすべての xx で Tnx→TxT_n x \to Tx を満たすとする。(1) xn→xx_n \to x ならば Tnxn→TxT_n x_n \to Tx を示せ。(2) K⊂XK \subset X がコンパクトならば sup⁡x∈K∥Tnx−Tx∥→0\sup_{x \in K} \lVert T_n x - Tx \rVert \to 0 を示せ。

解答

系 3.5 より C:=sup⁡n∥Tn∥<∞C := \sup_n \lVert T_n \rVert < \infty。(1) ∥Tnxn−Tx∥≤∥Tn∥∥xn−x∥+∥Tnx−Tx∥≤C∥xn−x∥+∥Tnx−Tx∥→0\lVert T_n x_n - Tx \rVert \leq \lVert T_n \rVert \lVert x_n - x \rVert + \lVert T_n x - Tx \rVert \leq C \lVert x_n - x \rVert + \lVert T_n x - Tx \rVert \to 0。(2) ε>0\varepsilon > 0 に対し、KK の有限個の点 x1,…,xmx_1, \dots, x_m で K⊂⋃jB(xj,ε)K \subset \bigcup_j B(x_j, \varepsilon) となるものをとる。nn が大きければすべての jj で ∥Tnxj−Txj∥<ε\lVert T_n x_j - T x_j \rVert < \varepsilon。x∈Kx \in K に対し ∥x−xj∥<ε\lVert x - x_j \rVert < \varepsilon となる jj を選べば、∥Tnx−Tx∥≤(C+∥T∥)ε+ε\lVert T_n x - Tx \rVert \leq (C + \lVert T \rVert)\varepsilon + \varepsilon。

問題 3.8 ★★★ L1(T)L^1(\mathbb{T}) を 2π2\pi 周期の可積分関数の空間(ノルム ∥f∥1=12π∫−ππ∣f∣ dt\lVert f \rVert_1 = \frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} \lvert f \rvert\ dt)とする。フーリエ係数をとる写像 Ff=(f^(n))n∈Z\mathcal{F} f = (\hat{f}(n))_{n \in \mathbb{Z}} は L1(T)L^1(\mathbb{T}) から c0(Z)c_0(\mathbb{Z}) への有界な単射だが、全射でないことを示せ。単射性(一意性定理)は認めてよい。

解答

∣f^(n)∣≤∥f∥1\lvert \hat{f}(n) \rvert \leq \lVert f \rVert_1 なので F\mathcal{F} は ℓ∞(Z)\ell^\infty(\mathbb{Z}) への有界作用素である。三角多項式 gg では g^(n)\hat{g}(n) は有限個を除いて 00 で、三角多項式は L1(T)L^1(\mathbb{T}) で稠密(連続周期関数が L1L^1 で稠密で、それが三角多項式で一様近似できる)なので、∥f^−g^∥∞≤∥f−g∥1\lVert \hat{f} - \hat{g} \rVert_\infty \leq \lVert f - g \rVert_1 から f^∈c0\hat{f} \in c_0(リーマン–ルベーグの補題)。

全射だとすると、系 3.10 により ∥f∥1≤C∥f^∥∞\lVert f \rVert_1 \leq C \lVert \hat{f} \rVert_\infty となる CC がある。f=DNf = D_N とすると D^N(n)\hat{D}_N(n) は ∣n∣≤N\lvert n \rvert \leq N で 11、それ以外で 00 なので ∥D^N∥∞=1\lVert \hat{D}_N \rVert_\infty = 1。一方 ∥DN∥1=LN→∞\lVert D_N \rVert_1 = L_N \to \infty(定理 3.8 の証明)。これは矛盾である。したがって、c0(Z)c_0(\mathbb{Z}) の元で、どんな可積分関数のフーリエ係数にもならないものが存在する。

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